猫 周公のコラム

スケッチとエッセイ

いつかは一人

2010年04月22日 | Weblog

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久し振りでスケッチをしたが、相変わらず「下手な横づき」で楽しんで描いている。

月に一回、近くの絵の好きな人たちが集まってスケッチ会をやっていが、おしゃべりしながら楽しく描いている。これが結構「頭の体操」になっている。

ところで、昨日の新聞に宗教学者の山折哲雄さんが「死を不安がる若者を救う教育を」と題した話が載っていた。大変納得できる内容だったので、なるほどと思った。

・・・平等でないことへの抵抗感からすぐに嫉妬や怨念、敵意を他人に抱くようになった。・・・「誰でも個性的になれる」という幻想がわがままな、利己主義を生み、他方で「個性的でないと価値がない」との脅迫観念が子供の心を委縮させた。

日本には昔から「ひとり」という美しい言葉があるが、今の若者はそれを極度に恐れる。個性と平等という観念の押し付けが、結果的に似た者同士で群れることに安住させたからだろ。人は一人で生き、やがて一人で死ぬ。単純な事実をしっかり教えない限り、子供たちは死の不安から逃れられない。

このことは何も子供だけではない。大人についても同じことがいえると思う。

昔の人は死生観を持っていた。信長の死生観は「人間五十年 化天の内をくらぶれば、夢幻のごとくなり 一度生を受け滅せぬ者の有るべきか」だ。

 確かに昔は今と比べて、医学や食・住環境が悪く短命であったので、誰もが死生観を強く持っていたのだと思うが、自分の一生についての考え方はどの時代であっても変わらないのだと思う。長寿社会にあっては昔の人々以上に死生観を持つことが重要になってきている。