庄司卓完全攻略ブログ

作家庄司卓のブログです。
スケジュールは毎月一日に掲載。アクセスカウンターは2010年1月1日より集計。

映画『デスノート前編』

2006年08月12日 20時58分35秒 | Movie
世間様が『ゲド戦記』だの『時かけ』だの『日本沈没』だのと言
っている昨今ですが、今更見てきましたよ( =゜ω゜)ノ。
結論から言うと個人的には面白く見られました。
劇場公開はほとんど終了していると思いますので、ネタバレあり
で感想いきます。
DVD待ちの皆さんはご注意を('ω')ノ。

以下、映画『DEATH NOTE 前編』ネタバレ有り。

さて私としては面白く見ることが出来たのですが、確かに賛否が
分かれるのも納得できます。
なんと言ってもライトが基本的に普通の好青年という所からスタ
ートするんです。
原作のライトは何一つ不自由なくエリートコースを突き進む超勝
ち組。しかしその中で社会に対して漠然とした不満を持ち、デス
ノートを使った理由も最初は「退屈だったから」。
そしてその力を知るや、デスノートで社会の悪を一方的に断罪し
ていく事を決め
「僕は新世界の神になる」
という名台詞に繋がるわけですな。
しかし映画の場合、この名台詞がありません。恵まれた環境で育
った優等生なのは変わりありませんが、映画のライトは、警察が
法律で裁けぬ容疑者を組織ぐるみで隠蔽している事を知り、社会
に対して絶望を抱き、そこへまるで引き寄せられたかのようにデ
スノートが現れるという展開になっております。
つまりライトが最初にデスノートを使う背景に、観客が納得でき
る理由が用意されているのです。エリートコースを進んで来たが
故に、歪んだ現実の姿に耐えきれず、手にした超常の力でそれを
一方的に変えていこうとする。しかし自らの身を守る為、本来は
自分と同じ立場に立つ者たちも手にかけ、そして最後には……。
デスノートを手にしたが故に、自覚のないうちに悪へと転落して
いくライトの姿を描いているわけですな。
それはそれで原作未見の人にも分かりやすく、そしてこれを独立
した作品と見なす場合にも、納得のできる範囲内ではないかと私
は思いました。
しかし一方でこの変更がライトの異常性、凶悪性をスポイルして
しまったのもまた事実かと思います。
神になると言ったライトにリュークが呟く、やはり名台詞
「人間て面白ッ!」
ですが、これは使われたものの別のシーンとなっています。
どうも映画のライトは神となり新世界へ君臨する事までは考えて
いないようです。そういった意味では、映画の方がまだまともで
すね(笑)。まぁやはりライトはまともな優等生のようでいて、
どこか壊れているからこそ魅力が有ったわけですが。
映画のライトはLさえ現れなければ、デスノートを使ってもすぐ
に社会が変わらない事に気づき、数日でデスノートを焼却してし
まいそうな気もします。
さてL。ライトが割と普通になっていた分、Lの異常性が際立っ
ていました。制作者としては観客をライトに感情移入させ、彼を
捕まえようとする、本来は正義の側の人間であるLを不気味に描
こうとしたのかも知れませんな。
しかしそのL、登場がやや遅めだったので、ちょっと物足りなく
思いました。松山ケンイチのLはなかなか原作の雰囲気を良く出
していましたのですが。他のキャストもワタリの藤村俊二、松田
さんの青山草太などなかなか合っていたと思います。残念なのは
夜神部長のヒゲとメガネが無かった事ですな(^^;。
映画『デスノート前編』の方向性というのは、前半である程度、
見えてくるわけですが、実はラストでそれがひっくり返されます。
散々「デスノートを手にしたが故に転落していく悲劇の優等生」
だと描写されていたライトが実は心底、悪。某ギャングの台詞で
はありませんが「自分の目的のためには他人を平気で犠牲にする」
正真正銘の悪だと分かるわけです。
これには一本取られました。原作既読者からすると、あれっと首
を傾げるような中盤の描写も、このラストへ持っていく為の伏線
だったと分かれると納得できます。
まぁある意味、映画の前編全てを使ってライトのキャラ立てを行
ったようなものですな。そう考えると後編への期待も膨らみます。
もっともラストシーンのLとの出会いからすると、やはり原作の
大学入学式の名シーン。
「私がLです」から、帰宅したライトの
「くそ! やられた!!」
までもない事になってしまいそうですが。
原作から微妙にずれている所もありますが、それなりに面白く見
られたのは、
「超現実の手段を持つ大量殺人犯」対「世界中のあらゆる警察を
動かせる探偵」という図式はちゃんと残っていたかだと思います。
『DEATH NOTE』の面白さは、私個人にしてみると「現
実ではあり得ざる力」と「現実的に可能な最大限の力」を、二人
の登場人物が知恵を駆使して使う所だったのかも知れません。

前編は楽しく見られたので、後編にも期待ですが、どうやらサブ
タイトルは「The LastNAME」で、映画の最後に出た
予告では「Last」の「L」はLと掛けているようですな。
つまり「Lの名前」という意味にも取れそうです。
映画としては原作のヨツバ編前まで決着となりそうです。清楚高
田も登場するようですが果してどのように落とすのか楽しみです。
でもヨツバ編前に終りだと、おひょいさんの狙撃シーンが見られ
ないんだよなぁ(^^;。

(誤字とカテゴリー分けの間違いを修正しました(^^;)

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
誤字 (ju)
2006-08-12 21:56:48
 先生、(゜д゜)/

デスノートの綴り間違ってます!



誤 DAETH NOTE

正 DEATH NOTE
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Unknown (庄司 卓)
2006-08-14 22:26:58
juさん、こんばんわ。

ご指摘有り難うございます。

直しておきました。

しかしスペルだけじゃなくて、カテゴリーも何故か

「Sports」にしていたし、なにぼ~としたんだろう

>自分(^^;
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