こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
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ライフステージと愛着について

2013-04-28 22:05:57 | 大学の事
朝から寝坊して肝を冷やしたものの、なんとかギリギリ滑り込みセーフ。

なんだか自分がもたもたしていて、年だな〜と感じています。

昨日に引き続き発達心理学Ⅱ。
今日のお勉強の中心は[愛着Attachment]
愛着理論や、愛着行動の発達段階の変化など。
さらに、愛着についての実験や、そこから導き出された愛着に対するタイプ、そして愛着の障害などを一通りお勉強しました。
先生は、自分の子育ての話も含めて、すごくわかりやすく話してくれたし、こういう話は子供を産む前に知っておけば、もうちょっとまともな子育てが、私も出来たんじゃないかって思ってしまいました。
とはいえ、その場に直面しないと興味が持てなかったり、気づかなかったりすることの方が多いわけだから、今更しょうがないかな。

びっくりしたのが、今の若い世代20代の人とかは「子供がむずかる、ぐずる。」という意味をわからないらしいということです。

先生のゼミの学生も、今日受講していた若い学生も、「意味が分からない。」といいます。

時代にあった言葉ではないのかな?もう死語なのかな?
子どもがぐずる・・って言いませんか?

ちょうど、三浦しをんの「船を編む」を読んでいて、言葉はどんどん変化するし、消えていくのだと書いてあって、「ぐずる」や「むずがる。」もそうなのかな?と思ったりしました。
もしかしたら、お母さんになってからの、お母さん用語なのかもしれないけれど、年代の差を感じてしまいました。


脱線しましたが、発達を考える時に「愛着」は切り離せません。
愛着の形はいろいろで、いくつかのタイプには分類されていますが、親子間での愛着が近接を伴って形成されることで、基本的な信頼関係が生まれるという理論が理解できました。
この行動レベルの近接が、成長発達の段階で表象レベルの近接、すなわちイメージを持つことができるようになり、信頼できる養育者との恒常性が確立するわけです。

まあ、そんな授業を延々と聞きつつ、最後には2003年に起こった佐世保事件(小6の女児が、同じクラスの女児を殺してしまった事件)の新聞記事を読んで、「その養護者は、社会から何を要請されていると感じるか?」を論述せよ。ということで終わりました。
書けた順からかえってよしということで、張り切って3番目に書いてさっさと教室をあとにしました。

新聞記事には、身柄を拘束されて後の行動分析や成長家庭での分析がぎっしり書かれていました。
後日この子は「アスペルガー」と診断されたそうですが、幼少期からの発達過程は、今見れば明らかに問題があるように思えます。
しかし、生活や仕事に追われ、子どもの発達どころではない生活のなかで、「抱っこもねだらない、あまり甘えない子供は、手のかからない育てやすい子」としかとらえられないのは、しょうがないと思ってしまいます。

子どもの発達と愛着の関係。

これは、心理学で学ぶというよりは、母親教室でも教えて欲しい内容だと思います。

さて、明日は最終日。
あすは寝坊しないように早く寝ます。





久しぶりのスクーリング

2013-04-27 22:00:53 | 大学の事
いろんなことがあって、1年間あっという間に停止状態で過ぎてしまい、3月から続けようか、やめてしまおうか迷っていた通信大学。

でも、せっかく一念発起して、3年時編入をしたのだから、ここでやめたら悔しいじゃないですか。

いろいろなハードルはあるけれど、この一年を大事にして、時間を切り売りしながらでも、なんとかやり遂げたいと思って、継続を決めました。
そして、今日が1年ぶりのスクーリング。
連休の前半を潰して、うららを預けての出席でしたが、出てみればそれなりに面白いし、刺激もうけます。

今回の講義「発達心理学Ⅱ」の14人の出席者は、北は北海道から南は渡嘉敷島から来ていて、みんなパワフルな人たちでした。

最初の自己紹介の他に、後半「自分の人生の転換期は?」という質問があって、後半の質問には年代ごとにひとりひとり発言をしました。

とりあえず今日のところは、50代が5人、40代が4人。
14人中40代以上が9人もいるのは、すごいと思いませんか?

皆、それぞれの人生を背負っていて、それぞれの目標に向かって、頑張っているんですよ。

これは頑張らないわけには行きません。

40代、50代。
中年お危機と呼ばれる年代です。
「人生の正午」とか定義されて、心身の無順に直面する移行期なんだとか。
アイデンティティの編成、生活構造の再構築が必要なこともある。

これから高齢になるにしたがい、喪失と生活構造の再構築をしながら、「仕事と家庭」を作り上げ、やがて老いてから「自分の人生は、意味のあるものだった。」なんてことを、思えるようにならないといけないらしい。これぞ自我の統合!(笑)


あと二日、休日の早起きは辛いけど、なんとか頑張らないとね。

でも、長い通学時間は悪いことばかりじゃなくて、時間がなくて読み進まなかった本を、ガシガシ読めるのでありがたいです。

「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」やっと読み終えました。シアワセ。
感想はまた後日にします。

やっと金曜日

2013-04-26 21:13:20 | 日々のあれこれ
なんだか、この頃バタバタしていて、かなり体力的にしんどくなってます。
最近は、集中力も今ひとつで、このままいくと認知機能がどんどん低下しそうで怖いです。
なにせ、3つ持とうとすると、1つどこかに忘れるので、相当まずい感じですね。笑

何はともあれ、今週もやっと終わりました。
でも、今週末は3日間1年ぶりのスクーリングがあります。

去年1年間は、いろんなことがありすぎて、とてもじゃないけど週末3日間をスクーリングに当てる余裕がありませんでした。

でも、今年はなんとか頑張って、スクーリングだけでも終わらせたいと思っています。
本当は、学費を収めるときに、もうやめちゃおうかと何度も思いましたが、ここで負けちゃダメだと思って、なんとか踏みとどまりました。

ハードなお仕事のあとに、お休みを返上しての3日間ギュウギュウ詰めのスクーリングは辛いですが、何より辛いのは遠いということでしょうか。
横浜まで出て、新宿スカイライナーで渋谷まで出て、さらに東部東上線乗り換えで・・・
遠いですよ〜。
私は、実はこの年まで電車通勤をしたことがないので、こんなことを言っていますが、郊外に家を建てたお父さんなんかは、みなさん毎日こういう通勤をしているんですね。ご苦労様です。

ところで、昨日も研修医が1名、訪問看護ステーションの一日研修にきました。
在宅医療の選択をした研修医が、研修先であるクリニックから一日うちに修行に出されるというわけです。

でも、在宅の研修をしたいと思う先生なので、毎回感じのいい研修医がやってきます。

昨日の先生は、その前の週に緩和ケア研究会で一緒にグループワークもやったので、とっても真っ直ぐな感じがいいなと思っていました。

ステーションにもすっとなじんで、うちのスタッフと楽しそうに訪問に行ってきてくれました。
訪問先でも、清拭とかも手伝ってくれたそうで、たくさんお話しながら、にこにこと患者さんと接していたようです。
きっといいお医者さんになってくれると思います。

昼休みに、スタッフ数人と臭いの話で盛り上がりました。

ご家庭にはそれぞれ匂いがあります。(全くない家もありますが。)
美味しそうな夕飯の準備の匂い、コーヒーの匂い、ふんわりお花の匂いとか、木の匂い、畳の匂い、消臭剤の匂いなどいろいろです。
でも、たまにペットやタバコ、カビやホコリ、生ゴミの匂いが混ざっちゃっていることもあって、こういう時には辛いよね、という話をしていました。
そんな時に、研修医くんは言いました。「ぼく、お掃除苦手なんで、学生の時は本当にそんな匂いがしていたことがありました。だから、懐かしい感じがしましたよ。(笑)」とのこと。
(今では、結婚まじかの彼女が、せっせと片付けてくれているそうです。)

匂いの感じ方は、人それぞれ違っていて、同じ匂いでもそれを「耐えられない!」と感じるか「そんなに気にならない。」と感じるかは、どうも生物学的な理由があるらしいとうことでした。
それが、父親との近親相姦を避けるための、遺伝的なものが原因という話を、スタッフのひとりが言っていました。

まあ、そのへんのところはよく分かりませんが、目もしょぼしょぼするくらいのおうちは、実際にあるのです。

とまあ、今日はこのくらいでやめときます。
だらだらとりとめのないお話に、お付き合い下さった方は、どうもすみません。

頚損とストマ

2013-04-24 21:28:39 | 訪問看護、緩和ケア
長い頚損生活の上、徐々に排便が難しくなり、浣腸や直腸刺激ではベンの下降がなくなりました。
腹部はパンパンに膨隆し、腸蠕動も悪くて、仰臥位では苦しくて眠れなくなっていました。

「麻痺性の腸閉塞かもしれないから、これ以上浣腸や刺激はできないよ。病院に行こうよ。」
「う〜ん。いやもうちょっと様子を見るよ・・」
15年来の付き合いの患者さんですから、家族背景も本人の思いもわかっています。

結局、お仕事中の妻に電話をかけました。

妻は、帰宅後すぐに救急車を呼び、救急病院に搬送されたのです。

そして、検査の結果S状結腸は便で膨れ上がっていて、このままではとても危険であると判明し、麻痺性イレウスでストマを造設することとなったのです。

調べてみると、頚損でストマ管理をしている患者さんは、あまり多くなないようです。

それでも、頚損連絡会では5名いるといいます。

実際作ってみると、今まで2時間近くかかっていた排便ケアは、パウチ交換だけで済み、その他の時間を保清などに使えます。

便は軟便から普通便のあいだで、とてもスムーズに出るため、これまで苦しんできた腹部の膨満は一切なくなり、本人はとても楽になったようです。

問題は、排ガスと便の排出でした。

上位頚損のため、在宅中はほぼ仰臥位で過ごしており、日中はご高齢で要介護のお義母さんと二人のため、とても介護は望めません。

仰臥位で寝ていると、便と貯留したガスでパウチがパンパンに膨れてしまい、便の排出もできなくなります。
便は、ストマの真上に溜まってしまうので、ますますガスは出にくくなります。


そこで、担当看護師は考えました。
外出のない日は、ずっとベット上でファーラー位(ベットアップ40度くらい)で過ごされています。

幸いパウチはセパレートタイプで、お腹に貼り付ける基盤と、便をためるパウチに分かれています。

パウチ部分は、くるくると360度排出口の向きを変えられるので、やや腹部から外則に向け、排出口に黒いビニールをかぶせます。
そして、通常くるくると巻き上げてマジックテープで止める開口部は、開放にしてしまいます。

意外と匂いも気にならず、ガスや便でパウチが剥がれることもなく、ほぼ快適に過ごすことが出来ています。
ただ、外出の時はそうはいきません。
開放するときは、マジックテープ部分に絆創膏を貼って、絆創膏をはがせばすぐに使えるようにしておきます。
外出時は、通常の使用方法で使います。
ただ、やはりガスが多いので、後付けのガス抜き穴を余分に付けることにしました。
各メーカーからいろんなアクセサリーが出ていますので、いくつかサンプルを取り寄せていますので、ひとつずつ試していく予定です。

ただ、ここに来て問題が起こっています。

肉芽(にくげ)が、大きくなっているのです。

そもそも肉芽とは、物理的な刺激で出来ることが多いので、胃瘻の時もそうですが、接触を避ける必要があります。
通常の場合、人は立ったり座ったりと体を立てていますから、排出された便は袋の下の方に貯まります。
ですが、彼の場合は仰臥位がほとんどなので、ストマそのものの上に便がかぶさっていくのです。

ストマ周囲に僅かにあった肉芽は、今は花びらのようにストマをぐるりと囲んでピラピラとしています。
そのため、その花びらのようなぴらぴらに、便がさらに入り込んで汚染され、刺激を受け続けるわけです。

とりあえず、リンデロンVGとパウダーで抑えることになりましたが、こういうケースは私たちも初めてだし、今皮膚状態を見てくれている先生も初めてなので、今後はあちこちから情報収集をしなければいけません。

だた、頚損でストマは「ありだな!」と思います。
大体、頚損で排泄にトラブルが生じると、自律神経のか反射が起こり、血圧の急激な変動が起こりやすくなり、ショックを起こしたり梗塞を起こす原因にもなります。
頚損をみている泌尿器の先生に、尿も膀胱ろうがいいと聴いたことがります。

頚損は、通常の看護やケアとは、ちょと違った方法を取ることが多いので、頚損を見たことのない病院では、治療や看護もなかなか難しいのが現状です。

頚損のストマ管理で、いい情報があったら教えてください。


懐かしいなぁ・・。

2013-04-22 22:58:36 | 訪問看護、緩和ケア
今日、突然「相談に乗って欲しいんだけど。」という電話がかかってきました。

そういう電話は時々あるので、どんな相談か尋ねてみると、「がんで手術をしたのだけれど、もうやることはないからと、半年先の予約になってしまった。一人暮らしで、その間に何かあったらとおもうと心配だから、週に2~3回見に来てよ。」というものでした。
しかも、「病院には内緒できてほしい。」とのこと。
病院に内緒はできないことなど話そうとするものの、「わかんないよ。相談するからとにかく家に来て。」といいます。

住所と名前を聞くと、「ん!?」いつかどこかで聞いたような名前・・。

確か10年ほど前に、奥さんを長いこと介護していたOさんがそういう名前だったきがする・・。
奥さんが旦那さんをそういう名前で読んでいたような・・。遠い記憶。

相手は、そんな話も一切なしに一方的に話続けるので、とりあえず折り返し電話をすることを約束して電話を切りました。
そして、遥か昔のデータから、その住所と電話番号を確認すると、やっぱりそうでした。
なーんだ、やっぱりA子さんのご主人じゃないですか・・。

とりあえず、何もわからない状況で、介護保険の申請もまだのようなので、包括につなげてから、私は予定の訪問に行きました。
帰ると、包括の担当者がOさん宅に行っているので電話をしてと言われ、Oさんに電話をしました。

そして、私が名前を告げると「やー!久しぶり〜!今、○○さんに来てもらってるよ〜!元気??」と。

最初から言ってよ〜。と思いましたが、昔からそんな天然なお父さんだったな・・と思い、あとは包括におまかせしました。

結局まだお元気で、気持ちの問題で不安だった時に、私たちのことを思い出してくれて、当時の書類を見て電話をくれたようです。

10年前の患者さんのご家族が、わざわざ電話をくれたのだと思うと、嬉しいですよね。
忘れないでいてくれたんですね。

奥さんも長いこと寝付いていて大変だったな〜・・。
いろいろと思い出しました。


訪問看護が必要になるまでは、まだだいぶ先のようですが、必要になった時には必ずくからね!と約束しました。


そうそう、、電話といえば今日90歳を超える認知のおばあさんから電話がありました。
認知症はかなり深刻な状況で、人が入るのを嫌がり、機嫌が悪いと罵詈雑言浴びせられ、先週入ったばかりのカリスマ訪問看護師Kねえさんが、15分で受け入れてもらえた患者さんです。
「明日の朝飲んだら、それ以降の薬がないんだよ!。」とのこと。
すごい。
医療のことは、看護師に電話。とは説明されていたようですが、あんなに拒否したサービスに、まして薬の残数を伝えてくれるなんて!

担当がケアマネに連絡すると、ケアマネもびっくり。
そして二人で大喜び。
だから、先入観はもっちゃいけません。

そんなこんなで、今日もいろいろな電話で、懐かしいやらびっくりするやらでした。
これも在宅の面白いところです。

連携のお仕事

2013-04-20 23:15:19 | 訪問看護、緩和ケア
訪問看護が最も大切にし、良い関係性を保ちたいと願うのが、連携室のスタッフです。
病院の連携室、相談室はもちろんのこと、クリニックの窓口になる看護師や事務さんなどもそうです。

患者さんを受ける時の情報交換や、その患者さんを継続して見ていく中で、なにか変化が起きたり問題が起きたりした時には、医師とのあいだに入って、ともに最良の方法を考え、医師に報告し、その結果の指示を再びこちらに伝えてもらう。
だからスタッフたちは、訪問からもどると電話やFAXやメールなどで豆に報告したり、お薬の処方をお願いしたりしています。

その際、相手にどう伝えたらちゃんと伝わるか、事実関係が正確に医師に伝わり、必要とする答えをもらえるかを考えながら伝えます。

お互い多忙で、たくさんの患者さんを抱える中で、タイムリーな情報交換や指示の受け渡しを、顔の見えない状態でやり取りすることが多いので、いろいろな問題も起こってきます。

直接医師に確認するのが一番いいのですが、往診に回っている医師や、病院の中で動いている医師を、そうそううまくキャッチできないのも実情です。

だからこそ、伝える時にはトラブルにならないよう気を使うのです。

うちのスッタッフにせよ私にせよ、言い回し一つで相手を怒らせてしまうことだってありえるわけで、過去には言葉一つで関係がぎくしゃくしてしまうことだってありました。
そうなると、一番困るのは患者さんですから、ここは十分気を使いながら、相手に不快にならないような言い回しで、なにか問題があっても事実確認をしながら話を持っていく必要があります。

ある日、連携先から電話がありました。
あたらしく連携先に入った看護師からの電話です。
病状の悪化気味のAさんを、輸血のために病院に入院する手配が整ったことを告げる電話でした。
Aさんは自律の強い方で、どこでどんな治療をするか、どんな薬を飲むかなど全てご自分で決める方です。
病院で出された薬をたくさん飲んでいて、今回新たに出された在宅医からの薬と合わせ、かなりの量を自分で管理していました。
しかし、病状が進むことで強い吐き気に断続的に襲われ、一時は内服を飲めなくなっていました。
ある日、薬を飲むのがかなり辛く、薬はいらないというAさんに対し、訪問看護師は緩和の薬と抗生剤だけをセットしました。
担当の訪問看護師は、そのことを連携先に報告し、たくさんある薬を飲み切れないこと、とりあえず2種類だけセットしてきたので、これからの内服を考えて欲しいことを報告しました。

前日には、吐き気が強いために出してもらった座薬も、一度は妻に指導しながら使用したりもしました。
当日は、座薬は本人が希望せずに入れていないことも、きちんと記録に書いてありました。

そのため、連携先の看護師に私は「分かりました。それでは今度退院するときには、いままでご本人管理で飲み方もよくわからなったお薬を、こちらでも確認できるようにしていきたいと思います。大事なお薬をずっと飲んでいなかったこともお聞きしました。
また、なかなか吐き気があったりなかったりするので、内服も難しいですね。」と話しました。

するとその看護師は「かねがね不思議だったんですが、なんで訪問看護師さんは、薬をかってに抜いてしまって、コンチンと抗生剤だけセットしだんでしょうね。気持ちが悪いんだから、出ているノバミンまで抜かないで飲ませればいいですよね。勝手に抜いて、そこへんですよね。
それに、座薬出して欲しいって言うから座薬出してあるのに、使いもしないで吐き気がある、あるって、おかしくないですか?
うちの医師から言われませんでした?聞いてません?
ノバミン飲ませないで、気持ち悪いのなんのって言われても云々○×△・・・」

(ーー゛)(ーー゛)・・。

連携先として一番関わりが多いであろう事業所に、かなり好戦的な言い回しで、ろくに話をしたこともない相手に対し、内容も確認せずにこう言い始めました。

もともと、その看護師に対してはスタッフからも「どうもうまく意図が伝わりにくくて・・。」「なんだか違うところにこだわる人ですね。」なんていう話も聞いていましたし、私自身も情報交換の部分で「??」と思うことが以前にもあったので、気分としては決定的に不愉快モードになってしまいました。

ほかにも、「そっちの対応が悪いんじゃないか、おかしなやり方しているんじゃないの?」的な発言に対して、じっと我慢し最後まで聞きました。
「わかりました。担当の看護師に事実関係を確認しますね。あまりそのようなことは考えにくいのですが、そういうことであれば問題なので、スタッフにまず聞いてみます。どちらにせよ、内服の状況を把握しないとダメなことは確かなので、そこはよろしくお願いします。」

私が険しい顔でやりとりする姿を、担当のナースが不安そうに見ていました。

電話を切って、「こんなこと言ってるけど、実際はどう?」と聞くと、訪問時内服を強く拒否されたことや、肺炎の兆候があって抗生剤が出されていたこと、痛みがあることから最低2種類だけ選択したこと、この時は吐き気がなく、座薬も今はいいと言われたこと、もともとレスキューのオキノームで吐き気が強いことなどを確認しました。
さらに、その直後連携先に報告し、これからあとのお薬の管理をお願いしたことも聞きました。
記録にも、全部書かれています。

やっぱり理由はありましたし、ちゃんとなすべき対応はしていました。
報告もし、その後のことはバトンタッチしています。

だいたい、連携先の医師とは、この看護師よりもずっとずっと長いお付き合いをしていますから、吐き気の強い患者さんに経口の内服を無理に続けさせたりしないこともわかっています。
「今、こう言う理由で飲めていないので、あとをよろしくお願いします。」
今まで阿吽の呼吸で伝わったことが、なんでこうなっちゃうんだろうかと、逆に不思議でしょうがないです。
もちろん、医師からはそんなお叱りの電話はかかってきません。

確認後即電話をかけ、「事実はこうなっていますが、こちらの報告後の対応はどうされたんですか?」と言いいました。
彼は「あ、そうですか。わかりました。そういうことならこちらもそのように対応します。」と繰り返すのみ。
「そういうこと」とはどういうことで、「そのように対応する。」とはどのように対応するのか。

事実確認もせずに、連携先を批判するだけして、謝らないんだ・・。

そもそも、連携を担うという仕事の内容をわかっているのか。
ただでさえ、患者さんは医師に見せる顔と、介護者に見せる顔では違うことがままあるのに、その両方を把握してうまくあいだに入れる人でなければ、ますます混乱を招いてしまう・・。

まあ、これからは直接医師に話すか、ほかのスタッフに繋ぐほうがよさそうだなと思いました。
事実と異なる報告で医師に誤解されては困るし、連携関係が保てなくなると困るので。

同じこと疑問に思っても、私ならまずは「お薬のセットが、2種類になっていたのは、どうしてなのか教えてもらえますか?」「吐き気の座薬は使われていますか?」と、やんわり確認することから始めます。
もし、この質問で相手に非があれば、相手先からハッとして謝りますよね。対策も取ると思いますし。
また、かなりパニック状態で、混乱しやすいご家族なのもわかっているので、きちんとそのご家族を把握している人なら、問題点がどこにあるかもわかるはずです。
その部分がわかっていないので、こういう発言を安易にするのだろうな・・とも思いました。

空気感、空気を読む、私感だけでモノを言わない。

これは、連携に限らず大事なことです。

あくまで連携先の一看護師についての話なので、連携先が云々ということではないのということも付け加えます。
(実際かなり躊躇しましたが、あえてここは連携を考える意味で書きました。)

それに、こういうことを自分がしてしまう可能性もあるわけで、自分たちも十分気をつけて話をしないといけないな、と思いました。
いい勉強になったということですね。

お別れのあとでも・・。

2013-04-18 21:44:51 | 訪問看護、緩和ケア
大好きな家で、最後まで過ごす。

そんな当たり前のことが難しい世の中で、私たちはそのお手伝いをすることが仕事です。

患者さんもご家族も、「もしかしたら・・」と心のどこかで思いつつ、病院から戻ってこられることも多いわけで、特に医療機器がついていたり、傷があったりすれば、ハラハラ、ドキドキ、オロオロしながら在宅療養を開始することになります。

そのはじめの一歩から、一緒にお手伝いさせていただくので、必死に頑張ってお看取りができた時には、お互い悲しみの中にも湛え合う心が自然に生まれたりもします。

私たちは、患者さんが亡くなられたあとしばらくしてから、ほとんどの場合ご焼香に伺います。

そこで、ご家族と思い出話をしながら、その方との関わりを振り返ったりもします。

そして、時にはとても丁寧なお礼状が届いたり、わざわざ挨拶に来てくださったりすることもあります。
それだけでも、本当にありがたくて申し訳ないのに、何年か過ぎても季節のお手紙を下さったりすることがあって、本当に嬉しくて、ありがたくて、みんなで回し読みをしては、再び思い出話に花が咲いたりします。

先日、めぐみ在宅クリニックの追想の集いで1年ぶりにお会いしたご家族の話をかきましたが、そのご家族から改めてまたハガキをいただきました。

最初の出会いの時から、私たちの関わりをとても感謝して下さって、そう言っていただくことで、次の患者さんへの思いも、一段と強くなるように思えます。

あの時も、瀬谷の連携のスピードと、ケアの内容を絶賛してくれていたので、私にしてみればそんな看護を提供してくれたスタッフが、とても誇りでもあります。

患者さんはたとえ亡くなっても、実はどこかでそのご家族とつながっていて、何かの形でまた出会うこともあるのです。

数年前におばあちゃんを自宅で見送ったお嫁さんが、最近の新患さんの初回訪問で付き添いで待っていてくれて、当時おばあちゃんに使った足浴のバケツを持ってきてくれたり、見守りをしてくれたりしています。

「今度はおばあちゃんをお願い。」と電話をかけてくれる家族もいます。

街中で会って、道路の反対側から大きく手を振ってくれたり、買い物中にわざわざ声をかけてくれたり・・。

たとえ患者さんは亡くなってしまっても、その出会いは次の出会いへと続くのだなと、最近改めて感じています。

反面、お一人暮らしをされていた家が、ある日前を通ると造成されていたり、何軒もの新築住宅に変わって、知らない人たちの生活が始まっているのを見ると、それもまた違う意味でのバトンタッチなのだとも思います。(ちょっと悲しくもありますが・・)

こうして、出会いと別れとをずっと繰り返してきました。

そして、意外にもかなりの患者さんのことを覚えています。
あまり記憶力は自慢できない私ですが、亡くなられた患者さんの記憶は、時間がかかっても結構思い出します。

全員ではないけれど、それぞれにいろんなエピソードがあって、一つ引き出せば、記憶の領域からズルズル引き出され、懐かしい思い出となるのです。

だから・・
やっぱりこの仕事って、いいなあぁ・・。

めぐみ在宅緩和ケア研究会「ショートでの看取り」

2013-04-16 21:46:09 | めぐみ在宅緩和ケア関連
最近めっきりご無沙汰している<めぐみ在宅緩和ケア研究会>。
今回は、「多死時代を迎えるにあたり、絶対的に必要になってくるショートステイでの看取りについて、コメントして欲しい。」と言われ、久しぶりに出席しました。

プレゼンターは、入所者の看取りに力を入れている泉区の特養の施設長小山さん。
そして訪問看護代表として私と、小規模多機能事業所代表として中野さんにも声がかかったのです。

各立場から、ショートステイでの看取りについての現状と問題点、これからの課題を話しました。
そのあとには、5つのグループに分かれてのグループワークもあり、かなり突っ込んだ意見がたくさん出ました。

毎回、この研究会には他職種の人が参加します。
今日も、訪問看護ステーションはもとより、施設系の人、患者家族、薬学部の学生、研修医、ボランティア、訪問入浴スタッフ、ケアマネ、などなどいろんな立場からの意見が出ました。

一般的には、まだまだ老人ホームでの看取りも少ない現状で、何故ショートステイにそれを求めるのか、本来看取りを想定して作られていないショートステイにそれを求めるのは無理なのではないか、という意見もありました。
では何故あえてなのか、といえば「多死時代を地域で連携して乗り越えるために。」ということになります。

今までも、うちの関わった患者さんでも、特定の特養ではショート中の看取りは何回かありました。

先日は、30年の在宅療養をしてきた患者さんが、いよいよ状態の悪化に伴い、疲弊したご家族のレスパイトをかねて、定期ショートを利用しました。
状態的には、日の単位の予後は確実でしたが、信頼関係の上に気持ちよくショートを受け入れてくれました。
そして、動かすなら今しかないというタイミングで帰宅し、翌日ご家族に看取られて亡くなりました。

ショート先には往診医が訪問し、帰宅時期の見極めをした上で、家族の希望で速やかに帰ってきたのです。
退所当日から訪問看護が再開し、看取りの体制が整った中での看取りでした。
ご家族は、30年の長い介護生活を、後悔することなく卒業され、本当に感謝してくださいました。
こういう連携ができる施設は本当に少ないですが、施設側がその気にさえなれば、可能なのです。
この施設は、デイサービスでの看取りもかつて行ってくれました。

不思議なことに、こういう問題を(医療ニードの高い患者さんの受け入れに関しても)向き合おうとするのは、老健ではなく特養がほとんどです。
本来医療ニードの高い方でも受け入れられるはずの老健は、年々面倒な患者さんの受け入れを、なんだかんだと拒否してきますから。

プレゼンターの方の施設では、最後まで関わることで職員のモチベーションを上げ、施設全体で看取りへの意識付けを行ってきたようです。
彼は言います。「在宅での見取りを支えるために、ショートでの看取りが今後必要になってくると考え、取り組みを始めました。」と。
この施設では、本入所者への看取りは当たり前に行われていて、ショート中の看取りを模索中のようです。

ここで問題となるのは、
・退所日が不明でベットの確保が難しい。
・家族との関係性がないままでの看取りに対するスタッフの不安。
・在宅ではないアウェイでの戦いになる可能性。クレームなどへの不安も含めて。

また、最初から見取りありきでのショートではなく、レスパイトとしての利用中に起こりうる急変・急死の対策も必要です。

空きベットの確保に関しては、本入所者の死亡や入院などのベットもフルに活用するなど、かなり四苦八苦しながら行っているようです。
家族に対しては、施設側の姿勢・方針・起こりうることへの対応方法を十分説明し、納得した上での受け入れとすること。
看取りに関するスタッフへの勉強会や、実際に行っていくことで、達成感を感じてもらい、抵抗感をなくしていくという既成事実を作っていく、などの対策をこうじている様です。

また、施設によっては「嘱託医の病院へ最後はみんな入院させることになっている。」という話もあり、トップの経営方針をどう転換させるかも課題となるようです。

現状での施設側のリスクはまだまだ高く、環境が整わないで「はいどうぞ。」というわけにも行きません。
施設側も守っていかなければならないし、本有所での「看取り加算」をショートでも適応して欲しいという意見は、その他の意見とともに、小澤先生が国に挙げると言っていました。

ほかにも沢山熱い議論がなされましたが、多くの施設からの参加者は、「検討課題として持ち帰りたい。」という意見が多く、なかなか効果的な啓蒙活動だったのではないでしょうか。

突風のあとは春

2013-04-14 22:28:34 | 草、花、収穫
今日は朝からすごい風です。
なんとなく風は冷たくて、ちょっと散歩には向かないかも・・。

でも、とりあえずうららさんをお外に出さないと行けないので、ちょっとだけいつもの散歩道、そして庭で自由行動としました。

我が家の庭は、春の花でだいぶ賑わってきています。

駐車場前のモッコウバラとイキシア
アップにするとこんな感じ。

 
                                 

そして小さな可愛い忘れな草

スノーポール

庭の中では自由なうらら。
駐車場に出た私を、羨ましそうに覗いています。

            

裏庭にまわると、蕗がだいぶ太くなってきました。
  
夕飯の分だけ収穫。
春の味がします。
来週も食べられそうです。

色付く季節が、まもなく本番です。

めぐみ在宅「第8回追走の集い」

2013-04-13 23:16:33 | めぐみ在宅緩和ケア関連
今日は、連携先であるめぐみ在宅クリニックの追走の集いでした。

昨日の硬膜外ブロックがめっちゃ効いて、嘘みたいに動けるようになっていたので、支障もなく出かけることができました。

恒例の「献杯」の音頭を取らせていただき、そのあとは以前お見取りをさせていただいたご家族とゆっくりといろんなお話をしました。

ご挨拶のあと、当時のことやご家族の話をする中で、Fさんの可愛がっていた柴犬のたろー君のその後の話を聞きました。

Fさんは、ご自分の予後も告知されていて、ご自宅での療養を選択され、自室の音響装置に凝って、好きな音楽を聴くことを趣味とされていました。
そして、そのそばにはいつも愛犬のたろー君が寄り添っていました。

たろー君は、今年還暦(犬の還暦は10歳位だそうです。)柴犬で、誰が来ても吠えたり唸ったりすることもなく、最初はちょっと遠慮して離れてウトウトしているのですが、お父さんのケアが始まると、いつの間にかその足元にちょこんと座っていたり、丸くなっていたりするワンコでした。

とにかくお父さんが大好きで、お父さんもたろー君との散歩のひと時を大切にしていたようです。

奥さんに、その後のたろー君の話を聞きました。

お父さんが自宅で亡くなってからひと月ほどは、夕方7時ころになるとたろー君はそわそわし始め、お父さんの部屋をくるくる回って、時には窓から外を眺めたりと、明らかにお父さんを探すのだそうです。
今までは、夜7時にはお父さんのベットにぴょんと飛び乗って、その足元で朝まで眠ったタロー君でした。

毎日、お父さんとお父さんのベットを探して、最後は諦めて誰もいないお父さんの部屋で眠ったたろー君。

お母さんは「たろーは、お父さんの子だから、私じゃダメなのよ。よほどのことがないと、私の寝る2階の部屋には来ないの。お父さんの子だから・・」と目を赤くしてお話してくれました。
たろー君は、今でもお父さんのいた部屋で、一匹だけで夜を過ごすのだそうです。

なんだか、悲しくて切なくて、あの大人しいたろー君が、今は居るはずのないお父さんを探している姿を思うと、胸が締め付けられるような気持ちになりました。 

帰ってから、うららを無理やり抱きしめて、夜には私に撫でられたまま眠る顔を見て、ワンコってすごいなと、改めて思いました。

たろー君、お母さんとも寝てあげてほしいな。
お母さんも、待ってると思うんだけど。

Sさんは、99歳でお義母さんを亡くされた方です。
ご夫婦で献身的に介護をされて、最初は入院するかどうかを迷っていましたが、在宅療養の実際を知ることで、お見取りを決意されました。
あと数カ月で100歳というところでしたが、ご家族に愛され、大事にされての大往生であったっと思います。
「あれから1年経ったから、きっとおばあちゃんも許してくれると思って・・」
そう言って、ご夫婦で夏に海外での登山をする計画をお話してくれました。

偶然にもFさんも登山が大好きだったといことで、お二人での登山や旅行談義も弾みました。
晴れやかな笑顔のSさんは、やはり99歳という大往生で見送れたことの達成感もあるのだと思います。

道半ばで逝かなければならい人、大往生で旅立っていく人・・

どんな形であれ、それがどの時期であれ、生きとし生けるもの全てに、必ず死はやって来ます。

逝ってしまった人を思う時間を大切にしつつ、また明日を生きる自分も大切にして欲しいと思います。
悲しみの時間から、優しい記憶へと変われる様に、いつか、笑って思い出話ができるようになりますように。
そう願わずにはいられません。

お別れの、着物を着せる難しさ。

2013-04-12 23:01:23 | 訪問看護、緩和ケア
うちのステーションは、お看取りまで関わる患者さんが多くて、エンゼルケアもご依頼頂くことがほとんどです。

お別れに際しては、状況に応じて自宅でのお別れの確認とともに、お別れまでの一般的な経過なども紙面を持ってお伝えします。
そして、その時にあちらに着ていく物を用意しておいてくださいと伝えます。

中には、それ以前に「私が死んだら、これを着せて欲しい。」と用意されている方、「お父さんの着ていく着物を、準備してあります。」と覚悟の決まった方もいらっしゃいます。
が、殆どは「どうしよう?!何がいいの??」「何があったっけ?」「え?ジャージしかイメージできない。」「家族で相談します。」中には「ここから選んでください」ということになります。

場合によっては、亡くなられてからお話をすることもあります。

結果、女性で多いのが着物です。

「これ、着せてください。」と言って差し出される着物。
もちろんそれぞれの患者さんにとっても、ご家族にとっても想い出深いであろう着物です。

ただ、これが全部揃っているかというと、意外にそうではないのです。

普段着ていた方が患者さんなので、そのご家族は実は全然着物のことを分かっていないことがあって、着物はあるけど付属のものがなかったりします。
まず長襦袢。
長襦袢があっても、半衿がない。
腰紐がない。
帯がない。
なんてことも・・。

うちのスタッフの年長者数人は、それでも対応できるのですが、中には「絶対に一人では着せられません。どうすればいいですか??」という声も多かったので、今日のカンファレンスのあとに、ご遺体への着付けの勉強会をしました。

講師は、着付けの免許皆伝ナースSA。最近はよくいろんなことの講師役を買って出てくれる、心強い常勤ナースです。

まずは、一般的な着物の着方をまずデモで見せてくれました。

そのあと、ソファーを二つ並べ、ベットに見たてて実際に検討しながら気付けていきました。

亡くなられる方の多くは、かなり痩せてしまっているので、身幅なども合いませんから、タオルをウェストに巻いたり、胸の上に脱脂綿を置き、テープで止めて固定し、補正してから着付けると綺麗に着せられます。

この時、長襦袢に半衿がついていないことがよくあります。
「半衿ありますか?」「??何ですかそれ?」
という会話になることもしばしばあります。

半衿は、着物を着た時に着物の下から覗く白い襟のことです。
これをつけて、できれば衿芯を中に入れると、えりがピシッとして、それに沿わせて合わせがきれいに行きます。

しかし、家人が亡くなり混乱しているご家族に、あまり面倒なことは言えません。

ナースSAは、あるときは三角巾を見つけ、それを半衿変わりにしたそうです。
亡くなられているので、動かないので中でもテープなどで固定し、きちっと着せれば胸元の形は整います。

先日私が伺った方は、半衿がクシャクシャになって外れていましたので、とりあえず手で伸ばし、全部付ける時間はないので襟足から30センチ位だけしつけて着せました。
それでも半衿があるとないとでは、雲泥の差になります。

そして、亡くなられたかたは、当然右前の合わせになります。

あとはおはしょりをどうするかですが、そのままだといくら隠れていても、納棺のときや移動の時、裾がダラっとなっていますから、私はちゃんとおはしょりをしたほうが良いと思います。

なので、体交しながら腰紐をきちっと締めることで、おはしょりの処理も綺麗にできます。
おはしょりをしたら、衿の裾を引っ張り、胸元を決めてから、伊達じめで締めればほぼ完成です。

帯は腰には巻かず、模様を見せるように、お太鼓の形にたたんでお体の上に載せれば、すごく綺麗です。

ここで、もと大手百貨店呉服売り場勤務の経歴を持つ事務Aいわく、付下げなどの模様は袖の外側にあるから、そういう場合は手を体に乗せて、袖の柄を見せるように置くんだよ。とのこと。

なるほど、着物にはそれぞれ見せる柄があるので、そこを中心にレイアウトすれば、いいわけですね。
でも、実際は掛物をしてしまうので、胸から上くらいしか見えませんが・・(^_^;)
ちなみに、男性はおはしょりはありません。

これでお着物は着せることができました。
みんな大丈夫かな??

ところで、話は変わりますが、腰痛はまだかなりひどくて、ちょっとした動作も電撃ビリビリで思うようになりません。
で、午後から時間をただいて、麻酔科のK先生を訪ねました。
「オー、はいはい。いいよやろう。」
と軽いー感じで快諾。
いつも優しいK先生は、患者さんにも優しい先生です。

子宮筋腫のOPEでエピドラ入れた時のイメージがあって、すごく痛いかと思ったら、局所麻酔の最初の一発目が痛かっただけで、あとはスムーズ。
あっという間に処置が終わりました。
薬液の注入と同時に、腰から足にかけて暖かくなり、その後1時間弱上を向いて寝ていました。
直後は、まだまだ痛くて、歩くのも変わりなかったのですが、時間が経つごとにどんどん軽くなってきました。

以前の痛みを10とすれば、半分以下にはなったような気がします。

明日の朝には、もっと楽になっているといいのだけれど・・。

そうだといいワン。

仁義ってものが、ここにもある。

2013-04-11 22:40:09 | 訪問看護、緩和ケア
いろんな業界に、その業界なりの仁義があるように、この在宅介護の業界にも仁義はあります。
仁義って言うと、任侠ヘルパーかと思うかもしれないけれど、ほかになんといっていいかわからないので、仁義と言ってしまいます。

一般的な礼儀とともに、一応どこを立てるとか、挨拶をどこにするとか、ご意見番はだれかとか、この件はどこそこの誰さんに話を通すほうがベターとか・・。
まあ、いろいろあるわけです。

そんな業界でも、一人でお仕事をしていけるのがケアマネさんで、いわゆる「一人ケアマネ」は意外に多いのではないかと思います。

まあ、一人から二人、3人と増えていくのが常ですが、そういうふうに事業所を大きくしていくためにも、仁義は大切ですよね。

たとえば、総合病院の連携室相手に、タカビーな態度を取ったり、知ったかぶりをしたりすると、連携室のスタッフから「何なの?」ということになります。

お医者さんが開業するにしても、在宅をやろうとしたら、やっぱり地域の病院や医師会長、各病院連携室には挨拶しないと、患者さんを回してもらえないし、往診先で前の主治医の悪口とか言っちゃうと、意外にあっというまに広まって、睨まれちゃったりもします。
最近では、在宅支援診療所をされる先生は、訪問看護ステーションにはちゃんとご挨拶に来てくれて、こちらが恐縮することもあります。

どちらにしても、縄張りじゃないけれど、その地域の中核となる病院や大手の事業所とは、いい関係を作っておかないと、そこで在宅をやろうとしても難しいことになりますね。

たしかに、時にはハッタリも必要ですが、基本は「教えていただく。」気持ちと、連携してチームの一員として動くこと、そして何よりご利用者さんのニーズに応えることを忘れないようにしないとダメですね。

ケアマネさんは特に、連携の要となりますから、いつ連絡とっても繋がらないとか、伝言しても返事がないとか、何かあっても知らせてくれないとか、そういうことをしていると、「あのケアマネさんはダメだね。」なんて囁かれるようになりますから、連絡・報告は必須ですよね。

最近では、ケアマネさんの存在は周知されつつあります。
在宅をやっているお医者さんは特にちゃんと見ているので、ケアマネさんがちゃんと機能していないと先生の方から「ケアマネ何やってるんだ!?ケアマネ変えたほうがいい!!」と怒られて、交代させられちゃうこともままあります。

わたし的には、関わる事業所とはなるべく対等な関係で、仲良くやっていきたいのですが、これも立場立場でいろいろあって、ひとつのご家庭をめぐって、ギクシャクしてしまうことも時にはあります。

同じ地域で、同じ土俵で仕事をしているので、できれば言いたいことを言い合えた上で、同じ方向で支援ができる仲間でありたいなと思っています。
いろいろあるんですよ。ホント。

腰にきました。

2013-04-10 22:23:15 | 日々のあれこれ
このところ、腰の痛みが続いていましたが、昨日の朝起きた時からあまりの痛さにまともに動けず、冷や汗をかきました。

午前半休を取り整形外科に行き、レントゲンを撮ってもらうと「これだね。5番が滑ってる。」とのこと。

痛いわけです〜。(;_;)

原因は、「太ったよね?それだよ。」って。

言われるとは思ったんですよ。

はい、いよいよ頑張ります。

でも、今回の痛みはひどくて、歩くたびに腰から臀部にかけてビリビリと痛みが走り、足を着けるのが辛い。

骨盤ベルトの上に腰痛バンドををして、今日も一日過ごしました。

さっき、うちの整体師の免許皆伝SAの施術を受けました。

でも、まだまだ痛いです。

こういうの、リリカとか飲んだら効くかな〜。
でも、寝ちゃうよね・・・。

麻酔科のK先生が、硬膜外ブロックをしてくれるというので、週末にはやってもらおうと思っています。

辛いよ〜。(´;ω;`)

おもてなし好き?

2013-04-09 22:11:55 | 訪問看護、緩和ケア
時々、訪問看護師にいろいろおもてなしをしてくださる患者さんがいます。

先週初回訪問で、今回担当看護師を連れておじゃましましたが、今回は万を持してのおもてなし攻撃にタジタジになりました。

今のところまだまだお元気で、家事をするのが大好きなKさん。

おうちの中も気持ちの良く整頓され、昼間はお一人で過ごされていますが、近隣の方ともとても仲良しで、お茶をしながらお話をするのが何よりの楽しみな様子。

私たちの訪問に際しては、お茶やお菓子など一切不要で、お仕事をさせていただくことはお伝えしていますし、書面でもお渡ししていますが、それはあまり効果はなく、ご理解いただけるのに時間を要することともあります。
ただ、これも時と場合で、あまり固辞することでせっかくの関係性が壊れてしまうこともあり、時には一緒にお茶を飲みながら話をすることで、本当の気持ちなどをお話されることもあります。

kさんは足のむくみが強いので、バイタルを測ったあと足浴をし、お話をしながら保湿クリームを塗りながらゆっくりマッサージを行っていました。
すると、「申し訳ないわー」「本当に悪いわー」から始まり、なにやらそわそわし始めました。
足浴が終わり、まだほかにもお聞きしたいことがある中、「りんごジュースあるのよ!りんごジュース!飲まない?」と。
「いえいえ、お仕事させていただいているので、お気遣い無く。」そんなやりとりを繰り返す中、半ば強引にりんごジュースをコップになみなみ持って来てくれました。
せっかくなのでありがたく頂くと、「ふふ。あのね、漬物。漬物切ってあるのよ」と。
「え、もう本当に、本当にいいので、ここに座っていただけますか?」
「朝から、ほらちゃんと切ってすぐ食べられるようにしてあるのよ、私の漬けた漬物!10年越えのぬか漬なのよ!」

もう押し問答は不毛なので、その中鉢にたっぷり盛られた漬物を頂くことになりました。
しかも、それを小皿にわけてどんどん盛られます。
さらにお茶まで・・。
いくらお断りしても、聞く耳持たずそれは嬉しそうに準備をしてくれます。
きゅうりとカブの絶妙なお漬物は、まさしくおふくろの味。
「美味しい!本当に美味しい!こんな美味しいお漬物、久しぶりです。」そう言うと、本当に嬉しそうにいろんな話をしてくれます。
しかも、「お願い。もういっぱいだけお茶飲んで。」と、どんどんお茶を注がれます。

Kさんいわく「死んだ主人は、そりゃあ人寄せが好きな人で、私はずっとその世話をしていたのよ。いろんな人が来て楽しかったわ。主人は、人が寄らない家は暗くてダメだって。私もそれが好きなのよ。」と。

途中更に進められるせんべいはなんとかお断りし、帰りのご挨拶をすると「え!?もう帰っちゃうの?あら。もう帰っちゃうの?」と再びそわそわ。
「あのね、うち今晩筍ご飯なの。ちょっと濃いめに炊いてね。小さなおにぎりにして、ちょっと味見していかない?」

「あ、あ、ありがとうございます。でももうお腹いっぱいだし、次の患者さんがいますから、お気持ちだけでありがとうございます。」
ご気分を害さないようにお断りするのも、なかなか難しいものがあります。

なんとか、辞退することができました。
帰りも車に乗り込み、門を出るまで満面の笑顔で見送ってくれました。
「また来てねー」

Kさんは、ずっとずっとそうして、家庭の中でくるくると動いてきた人なのでしょう。
家族のため、お客様のため、美味しいものをたくさん食べてもらって、喜んでくれる顔を見るが何より嬉しくて・・。
そんな人生を送ってきたのでしょう。
そんな愛すべきKさんを、近所の人たちも家族のように気にかけてくれています。

訪問中も、ちょくちょく顔を見せ、足りないものは用意してくれ、大事は話は働いている娘さんに伝えてくれて。

向こう3件両隣といつも仲良く、玄関は開け放しで誰彼となく声をかける。
お茶のお供はお手製のぬか漬けで・・

こういう風景は、私の子供の頃には、当たり前のようにありました。
となりのおばちゃん、裏のおじちゃん。
いつの間にか、隣の家でご飯を食べていたことを思い出します。

満面の笑顔で私たちを迎えてくれたKさんが、これからも笑顔でいられるように、少しでも長くこうしてお漬物をつけられるように、願わずにはいられませんでした。

そして、亡くなった母の顔がそこに少し重なった気がしました。

元気でいてね。Kさん。

残された時間で。

2013-04-08 20:13:53 | 訪問看護、緩和ケア
たくさんの患者さんとの、出会いと別れ。

長い付き合いの患者さんも、短い付き合いの患者さんも関係なく、残された時間が良いものであればと願っています。

だから、お見送りのあと担当の看護師から、最後の時間のやり取りや出来事を聞くと、いつも感動したり切なく思ったりと、心を揺さぶられることが多くあります。

ずっと会いたかった人との再会や、大切な家族との最後の旅行とか、最後に言えた感謝の言葉とか・・
スタッフみんなで「会えてよかったね。」「楽しめてよかったね。」「伝えられてよかったね」そんな振り返りをしています。

3日前に、奥様のたっての希望だった1泊の温泉旅行に行くことができたAさんが、午後になってからお昼寝の途中でそっと逝ってしまいました。
それは、誰もがびっくりするほど、穏やかで静かな旅立ちでした。


そのAさんが最後の温泉旅行で、貸切で奥さんと二人だけでお風呂に入ることができたのだと聴きました。

その時、Aさんはポツリと「これが最後だな。」と言ったのだそうです。

本当は、Aさんの一番行きたかったところは自分の畑だったのです。
家庭菜園で山ほど野菜を作っては、あちこちに配るのが何よりの楽しみで、せめて見るだけでもと願っていたので、私たちとしては畑に連れて行ってあげたいと思いました。
でも、奥様は一緒に温泉に行きたかったのです。
お友達もみんなで企画した旅行なので、そちらが最優先ということでした。
結果、とても楽しまれ、長年連れ添った奥様にも、お別れの言葉が言えたのだとしたら、それはとても良い時間だったのでしょうね。

Aさんは、温泉宿のお風呂で、何を思い、何を見ていたのでしょうね。


話は変わりますが、訪問途中の大和の境にある川を見ていたら、道路にかなり近いところまで、水があった跡を見ました。
氾濫しなくてよかったです。
土曜日に、いつものうららの散歩道である和泉川は、こんな小川がずっと続いていました。
  
                             

橋の下もこんなに余裕がありました。


でも日曜日は、今まで川辺だったところも水浸し。
              
橋のギリギリまで水があるところも・・

こんな増水後なのに、少年達が川で水遊びをしていたのにはびっくりでしたが・・


子供たちはその後無事に陸に上がっていました・・。危ないな〜。(^_^;)