終わったばかりの運転合宿でのこと。
初心者ドライバーが二人いて、今回のトレーニングでは運転時間の少ない人を優先したから
ほぼこの二人に集中して運転を見ることができた。
まず初日は、コマ図を作ったあと、いきなりだが走りに出た。
経験の少ない二人だが、今現在の走らせ方を見ることになった。
一人は何とコーナー手前での減速もキチンとできるし、旋回Gも強すぎないようコントロールしている。
ハンドル回しもていねい、大ざっぱにGコントロールと呼べる運転が出来ている。
各コーナーで多少のバラツキはあるものの、スピードコントロールをしようとしているのがハッキリとわかる。
私は後部座席にいて、しばらく下を(ケイタイです)向いていたのだが、気になるGがない。
となりの同乗者もウンウンと頷いていた。
対照的なのは、もう一人の学生。
速度の管理があまく、上り下りがあると更にその振れ幅が大きくなる。
旋回スピードはといえば、落としすぎのところが多く、リズム感に欠ける。
車線をハミ出しそうなほど、ウロウロしたのは彼だ。
意識動作の範囲ならこんなものかも知れないし、経験の浅さから言っても納得できなくはない。
しかし後部座席で落ち着けなかった。
ということで、二人の初心者の違いに驚いた。
あくまで現時点での話しだから、この先どうなるかはわからないが、車を走らせる事に人それぞれに
得手不得手があるのだというのを、二人のドライバーから見ることができた。
丸々二日間かけての運転合宿が無事終わった。
最後の日の夜のミーティングはとても長かった(濃かった)。
無論運転の話だけでは無かったが、ヒストリックラリーの話に終始した。
少人数だったから、みっちりと指導できた気もする。
参加した学生も「来てよかった」と喜んでいた。
彼らはこのあと、参加できなかった他のメンバーに伝える役目もあるが
果たしてどうなるんだろうか。
Gコントロールの見本運転はこんなだよ、の同乗体験の時、昨年は全員「おねむ」の時間だったが、
今年は全く違って誰も寝ていなかった(眠くなりそ~、は誰かが言った)。
助手席のナビ役も含め、全員にほど良い緊張感があって、最後まで真剣に取り組んでいたのが
好印象だった。
印象が悪かったのは、教習車に使った車両。
そのしつけのみにくい事。
片側一車線の山道を、あっちへフラフラ、こっちへフラフラ。
運転手が慣れていないのに、ブーストを掛けたように直進しない、させられない。
コーナーを曲がり終わったあと直進に戻る時も「なんでそうなるの!」とコーナーを抜けるたびに
ボヤキたくなるほど、おつりがくる。
リヤハッチに貼ってある初心者マークを見せただけでは、後続車に納得してもらえそうに無いほど
あやしい動きをする車であった。
こんな乗り勝手のよくない車を世間の人が認めている訳ないのに(多くの人は仕方なしに乗っている)
作り続ける自動車メーカーの人って、一体どういう運転をしているのだろうか、と考えてしまった。
この車フラツキます!ステッカーを貼りたい!
これと初心者マークの二つで、後続車も車間を空けてくれるかもしれない。
ーウッップッ!-この車酔いますー
ー車線巾イッパイー私のものー
こんなのもいいかなぁ~。
朝からほとんど一日を掛けて走った。
途中ドライバー交代と、ナビゲーター交代を繰り返しながら、
無事スタート地点まで戻ってこれた。
ラリーカー役の車もいて、サポートカーの移動手順の雰囲気は味わえたかと思われる。
左によりすぎてるぞ、センターラインを踏んでるぞー、と初心者ドライバーには野次がうるさかった。
それもこれも事故を起こさない為の注意。
運転中の彼は二週間前に運転免許証を手にした。
既に小旅行と都内の運転経験がある。
都内の走行は自分でやらなくてはいけない操作と、
周りからの情報が多くて処理できない、と自己分析。
そうそう、と相槌を打つメンバーがもう一人。
後部座席から見ていると、意識動作の羅列、動作一つ一つがこれまたギクシャク、と言った具合だ。
おそらく誰にもあったであろう、あの頃の記憶の通り、ここから経験を積み重ねて行くのだ。
今回は見守る仲間も先生もいる。
事故を恐るあまりに車に近づくな、運転するな、が学生の間の常識のようなところもある。
これは何もするなといっているようなもので、ある意味身勝手で無責任な発言に思えてくる。
しかし今度は運転をやらせる以上、どうしたら事故を起こさない運転ができるのかを
シッカリと伝えなくてはいけない。
やってはいけないことの理由と、どうすればよいのかを知ってもらうことで
意外にすんなりと入口に立てる。
そこから先は本人に任せるしか無い、
と個人的に思っている。
早速の作業はコマ図作り。
ラリー中の移動はコマ図が基本。
地図の見方もトレーニングの内。
ラリールートは山の中を通る。
目的地に向かってミスコースせずに、
見知らぬ外国の道を移動するのはかなり大変なこと。
これが夜ともなると、頼れるのは地図と方向感覚。
今年のヒストリックモンテカルロラリーでも、
勘違いした場所で待機していたサポートカーがいた。
別のサポートカーがフォロー出来たから良かったが、
慣れないサポート隊の心配はやはりミスコース。
今日から運転合宿スタート。
今日は東北道を北へ
秋の雲とバイク、見た目気楽そうだけど、
カウル無しのバイクで受ける空気の重さはかなりのもの。
でも気持ち良さそうだな~。
前の車、タイヤの内圧が低くないかい?
車線の中をフラフラしてるぞ~っ。
さて今日の集合時間はお昼過ぎ。
学生さんと待ち合わせだ。
しばらくぶりの検証バランススロットル話です。
仲間が運転練習会を開こうと準備中だ。
検証バランススロットルの卒業生と未経験者?の集まりで予定している。
検証バランススロットル開催の時は、車好き・運転好きの何人かが既に居てくれたから
開催はスムースに行った。
しかし運転練習会と銘打って開催するイベントに人を集めるのは、なぜか苦労が伴う。
今さら練習の必要なんか・・・と思っている人が多いのか、それとも競技運転と勘違いしているのか。
日頃の運転は、事足りているし自分はヘタじゃない(と思いたいのかも)。
足りているかどうかを確かめるだけでも、練習会に参加する意味があるような気もする。
個人の考え方の中まで入り込むことは出来ないから、これ以上は言えない。
競技場の中は運転技術がどうあれ責任は問われない、しかし一般道では重い重い社会的責任が
全ての人に問われるのだ。
運転練習会はスピードを出すためのものとか、限界走行をこなす目的といったイメージがあるかも知れない。
しかしサーキットにしても一般道にしても基本的なマシンコントロールを知ることに変わりはない。
マシンコントロールを正しく理解するのと、していないのとでは安全走行に大きな違いがある。
危険なゾーンに入り込んでも気が付かないでいるドライバーと、危険ゾーンに近づかないドライビングと
その安全度は比較にならない程の違いといえる。
正しいドライビングを覚えようとしない人達は、別な言い方をすれば事故予備軍。
本人は気が付いていないところが、不幸!というか幸い?というか・・・。
自動車という大きなエネルギーのカタマリを正しく扱う技術と知識を学ぶところ・・・と、
大げさな言い方ですが、検証バランススロットルがあった訳です。
こんなチャンスめったにない、と思う人がいてもおかしくないのに、なぜか尻込みをする・・・。
無関心というのが事故が減らない大きな理由の一つだ。
パンパンに乾いたダート路面になった時、ホソウタイヤに限りなく近いダート専用タイヤを履いて
サーキット走行のように小さなスリップアングルで走らせると、良いタイムが望める。
そのときに走らせ方を変えるのはもちろんのこと、大切なのはサスペンションセッティング。
2WDなら1個のLSDの効かせ方を考えればよいが、4WDはFr、Rr、センターと3ヶ所にLSDがあり、
その味付けはトラクションとハンドリングのバランスを見つけるところにある。
4WDならいつでもトラクションを得られそうなイメージがあるが、1輪でも接地荷重が抜けると
他の3輪の駆動も瞬時に抜けてしまう。
デフを介してお互いを繋げているから起きる現象なのだが、これを回避してトラクションを得るのが
LSDの役目。
思い切り効かせれば4WDの本領発揮となるが、今度はおそろしく乗りづらいハンドリングになる。
スーパードライタイヤに合わせて微妙なスリップアングルの変化を考えてコントロール出来るかと言えば
当然ながら大味なコントロール性ではいかんともし難い。
と言った事からランサーのACD、インプレッサのDCデフなどが考えられているのだが、
以前のブログで書いた「私がランサーを嫌いな理由」は、狙った車体のスリップ角(ドリフトアングル)の
選択の自由度が、私の好みのゾーンに入ってこないからだ。
強めのアンダーステアーか、無駄に思えるかなり大きめのドリフトアングルか、その間の選択が
できないツラさがある。
幸い自分でセッティングしていた競技車のインプレッサは、とてもとても時間と労力を要したが
乗り易さの点では、かなりうまく行っていたと思う。
しかしだ。
その走りはタイヤのスリップアングルが知らせてくれる通りの正しい走らせ方なのだが、
派手さがなく、時にはホコリも立たず、土手の上で見ている人たちには
“アレッ、アレッ?この走りは速く見えないけどイイの?”と、
疑問符をバラマキながら走らせるようなものだった・・・ようだ。
スーパーノーマルのメニューで手を入れたお客さんの車から出てきたもの2点。
右側は当たり前のバンプラバー、左側の黒いのがナゾ。
オーナーが新車から乗っているので純正状態であることは確かだから、
おそらく新車時からのものだと思われる。
写真右の少し汚れの目立つバンプラバーと直列にフロントストラットに入っていた。
黒いゴムのほうは半分に割れて、ダストブーツに引っ掛かっていたから
正しい役目も目的も果たしていなかったのではと思われるが、よく見ると
キズ付いているし、強い力を受けた跡もあるから、何も作用していなかったとは言えない。
おそらく乗り心地にも走りにも影響があったハズだ。
しかし何の意味があって入れられていたものなのか。
どなたかこのパーツの正体知りませんか?
は、ゴックン!の話ではなく、ダートラのタイヤの使い方のお話。
ダートラは未舗装路で基本的に走る。
一部ホソウ路も認められているから、100%ではないが、ほぼダート。
しかもウェットあり、砂地あり、硬質ダートあり。
各路面によりあったタイヤを選択し、ベストタイムを目指すのだが、一つ問題なのは
同時に走らせ方も換えなければいけない事だ。
ドライになってグリップする路面になれば、タイヤのスリップ角は自動的に少ない(小さい)アングルで
高いCF(コーナリングフォース)が出る。
その逆に、浮き砂利、砂地、ウェットの路面になると、タイヤ幅も細身になり
スリップアングルは大きくなる。
必要なタイヤのスリップアングルは、その時の路面とタイヤの組み合わせで
タイヤが教えてくれると言えるし、ドライバーは必要量を本能的に嗅ぎ分けてハンドルを切り込んでいる。
ドライバーが直接コントロールできる前輪は、さほど難しくないが、後輪は車体のスリップアングルが
必要なタイヤのスリップアングルと言う事だから、いわゆる旋回姿勢(ドリフトアングル)をも同時に
もっとも有効な角度にコントロールしなければいけない。
たとえば、ダートタイヤの中でも、ドライタイヤとスーパードライ(パンパンに乾いて硬い路面用)
タイヤでも、このドリフトアングルを変えなければ本領発揮とはならない。
走らせ方をキチンと切り替えられれば、タイヤの持つ能力分、タイムアップする可能性が高いが
タイヤをスーパードライにしても「走らせ方」を変えられないドライバーには、タイムアップが
望めないという事がある、というお話。
ダートラは奥が深いんですよ。