サスペンションを中心に毎日がまわっている、国政久郎のブログ

オリジナルボックスの業務紹介、サスペンションの話、試乗記、旅の話、諸々・・・。

アベンシスの場合 その3

2017-03-20 17:46:58 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
ピストンスピードと減衰値の関係を表したグラフから読み取れること、
あるいは想像できることは限られているのですが、
大まかな傾向がみて取れることもあります。

今回の場合はハンドリングです。

ハンドルを操作してコーナーに入って行くときに、アウト側前輪のショックアブソーバは沈み込み、
イン側は伸び上がります。

後輪外側はブレーキングで一度伸び上がり次に沈み込みます。
内輪はブレーキングで伸び上がりさらにそこからもう一段伸び上がります。
ブレーキングなしでハンドル操作した場合は、始めの伸び上がりがないだけであとは同じ。

ハンドル操作が素早ければ連動して車体の動きが速くなるので、
一概にショックアブソーバーのピストンスピードを限定する事はできませんが、
0・05m/sec(一秒間に5cmストロークする速さ)近傍が車体が傾く時のスピード。

グラフ上の0・05m/secの数値を見ると、
伸び側が60kgf、縮み側が20kgf、
ロールして沈み込んで行く側は20kgf、
それに対して伸び上がり側は60kgfの減衰力を発生します。

同じ時間内でのストロークバランスは、数値の大きい伸び側はゆっくり少しだけ動き、
数値の低い沈み込み側は速く多くストロークすることが想像できます。

この時に片方が伸び上がりもう片方が沈み込めば、双方の間のどこかに動きの中心があるはずです。
これがロールセンターとかロール軸と呼ばれているもので、
一般的にはサスペンションのジオメトリーによって決まると言われています⋯⋯
但し従来から言われている説はあくまで幾何学上での話。

今回のようなケースでは左右のストローク量から換算して、
ストロークの少ない側に寄った位置にロールセンタがありそうです。

極端な話でいえば、内輪側の伸びストロークがゼロで、外輪側だけが沈み込んだ場合、
内輪を中心として車体が傾くと考えれば分かります。

つまり実際の動きの中心は、両輪の時間当たりストロークのバランスに影響されるということです。

アベンシスの場合内輪寄りに傾きの中心があり、外側の沈み込み量を多く感じるので、
ぐらっと倒れこむようなロールを感じるはずです。




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四輪の書

2017-03-14 16:04:47 | なんでもレポート
もう一冊、森慶太氏のメルマガで「自動車運転本」と称して連載してもらっていた内容が、
紙の本になりました。
これもアマゾンで予約受付開始です。
「別冊モータージャーナル 四輪の書」で検索すれば出てくると思います。
読めばな〜んだとなるかも知れませんが、運転の考え方の整理あるいはお手伝いになると思います。
みなさんが一番読みたいであろう超絶ドライビングテクニックが書かれた本ではありません⋯⋯念のため。
じっくりと時間をかけて読み通していただければ、自分も家族も快適なドライブが叶うのと、
モータースポーツの理解度が上がります。
安全運転の下地作りにも役に立つと思います。

本にはGボトルの帯が付いています。
炭酸飲料のペットボトルを飲み干したあと、このGボトルの帯を巻けば、
車載して簡易Gメーターとして使うことができます。
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営業バン(2)

2017-03-13 23:17:16 | なんでもレポート
営業バンが高速道路をぶっ飛ばせる理由 ( 2 )

森慶太氏とのコラボ二冊目です。

もう少しで本屋さんに並びます、アマゾンで予約受付が始まりました。
「運転で疲れるのはあなたのクルマが原因です」と言うのが副題です。

前号で商用車礼賛から話を始めたのですが、なんとその商用車のステアリングに電動アシストが装着された途端、
得意だった高速道路走行が外から見てもわかるほどフラフラした走りになり、
頼むから前後を走らないでくれと言いたくなるほど速度の管理が上手くできないクルマになってしまったのです。

どうしてそうなったかを( 2 )に書きました。

レトロ趣味というわけではないのに、ここのところ一昔前のクルマの値段が上がっているように感じるのですが、
気のせいでしょうか。



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アベンシスの場合 その2

2017-03-09 15:43:08 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
今回のアベンシスの場合は純正サスペンションのちょっとした乗り心地の不満を解消したい、という要望をかなえることです。

例えばダンパーとスプリングをそっくり違うものにしてしまえば、乗り心地も走りも全体の雰囲気が変わってしまうので、
純正サスペンションで気になっていたところはひとまず解消するかもしれません。
しかし新たな乗り心地になっても今までとは違う不満が出てくる可能性があります。

サスペンションを根こそぎ変えたことのある人は何となく覚えがあるはずです。
いやいや 目的がそこじゃなかったので乗り心地は気にしなかった、と言われるかもしれませんが、
サーキットも走れて乗り心地もそこそこいいはずのサスペンションだったのに、
取り外す理由が見つかったらさっさと次のものに交換したりしませんでしたか?
⋯⋯スポーツキットと言っても乗り心地は気になるものです。

アベンシスのオーナー氏は高速道路を使って出かけるのが大好き。
その時の快適性を気にされているわけです。
試乗させてもらって、多分このことを言われているのだろうと思われる動きまでは分かったので、
次の行程は新たにダンパーを準備します。

デミオディーゼルに続いて、減衰仕様を仕込むワンオフダンパーで今回も対策します。

写真は純正ショックの測定データです。
圧側の線図が一本しかないのは、フロントもリヤも測定データが同じだから。
この線図と実車の走りの印象を結びつけていきます。

続く⋯⋯

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アベンシスの場合

2017-03-02 23:15:46 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
乗り心地が気になるので相談に乗って欲しい⋯⋯または乗って確かめて欲しい⋯⋯
時々こういった相談が持ち込まれます。

今回のクルマはメーカー純正のサスペンション、となると全面的にダメとは考えにくいので、
どんなシーンでどんな動きが気になるのかユーザーから聞き出すのが最初の仕事になります。

早速オーナーと一緒に試乗、後席の乗り心地もチェック。
どうやら後席で感じる小さくグラグラと落ち着きのない車体の揺れがそれのようで、目立ちます。

ゆっくりとハンドル操作を開始するあたりで何となく車体がぐらついているようにも感じるのも、
リヤの動きと関係ありそうです。

さて解決策は⋯⋯

続く、 かもしれない。



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助手席から運転を考える

2017-02-22 10:34:16 | NEWTON BRAKE
次回の運転練習会(ニュートンブレーキday)のメニューに加えてみたらどうかなと思っているのが「助手席から運転を考える」です。

常に受け身である助手席の人になって、気になる瞬間とはどんな時なのか、そしてその時の運転操作を考えてみようという話です。

運転手の中には自分の操作に体が慣れてしまって、どんなGが出ているのか客観的に分からない人がいるのです。

昔出会った人の中に、隣に誰も乗ってくれないとぼやいていた「腕自慢」ドライバーがいましたが⋯⋯笑えない話です。

まさか、免許証を持っていない人は運転について疎いから何も感じていないはず、なんて勘違いはしていないとは思いますが、
免許年齢に達しない子供でも、お父さんのマズイ運転で車酔いします。
自分で運転しない同乗者の方が敏感に感じているということを知る必要があります。

ごく僅かなGの変化を人は感じ取ります。
前後だったり横だったりタテだったり、進路の変化は横Gと回転運動を感知しています。
これらがごちゃまぜになってクルマの揺れになり、クルマの乗り心地(個性)になっているのですが、
快適と不快の境目が僅かな運転の工夫で変えられるというのもあります。

免許証を持っている人の中には、人の横には乗りたくないと言い切る人がいます。
自分と違うタイミングで運転されるのが嫌なんでしょうね、ある意味身勝手⋯⋯
でもそのやきもき体験と自分の運転と照らし合わせてみることで、何か気がつくことがあるはずです。
これが助手席から運転を考えるということです。
怖い、は論外ですが何か起きやしないかと目を離せないのは疲れますよね〜
ドライブが楽しくありません、ときには苦痛だったりします。

まず同乗者の心を知るところから運転を組み立てる⋯⋯ここから始めるのが実は最も効率のいい運転改善の方法かもしれません。

具体的にどうすればいいのかはこれから考えようと思います。

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痛い!

2017-02-14 15:53:16 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
なんとも表現しずらいド派手な外装といえばイタ車ですが、それと見分けがつかないくらいの競技車を預かりました。

写真はその車についていた、フロントストラットの倒立タイプシリンダーです。
クルマはランサーEvoX、ジムカーナ仕様。

ストラット形式のサスペンションは、ストラットが減衰機能とサスペンションの支柱を兼ねているので、
伸び縮みしながら、タイヤの倒れ方向の力、ブレーキング時にキャリパーが受ける力、
トラクションがかかった時の車体を駆動する力などを常時曲げ方向(折方向)に受けています(数千ニュートン)今更な話ですが⋯⋯

今回こうなった理由として考えられるのはジムカーナ用に仕立てられた硬いバネ、高い減衰値との組み合わせの影響です。
(ここまで一度も手入れされていなかったというのが一番の理由ではあるのですが)

硬いバネは少しのたわみ量で大きな荷重を受け留め、高減衰は時間当たりのストローク量を少なくする働きをします⋯⋯
つまりほとんどストロークしないサスペンションセッティングにしたことで、力の逃げ場はストラットに集中します。

ストラットが通常の何倍もの力(曲げ方向の力)受ければ摺動部の面圧も上がりグリス切れが起きやすくなります。
さらに短いストロークで摺動し続けるのでグリスは拭い取られる一方、グリスの供給を得られるところまで擦れている箇所がストロークしないので、慢性的な潤滑不足に陥ります。
潤滑なしで強烈な横Gを受ければ倒立シリンダーのメッキが剥がれるのは当然です。

市販車に採用されている倒立タイプは柔らかいバネ、低い減衰値、長いストロークで入力を受け止めます。
大きくストロークすればグリス潤滑機能も働き、手入れの期間は比較的長めでも大丈夫なように作られているのですが、グリス潤滑は安定的ではなく手入れは必ず必要です。

改造車にすると走らせ方も影響してサスペンションの負荷が格段に大きくなる分、二乗分の一三乗分の一に寿命が縮まることを理解しておかないと、イタい結果がやってきます。





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工作の時間 8

2017-02-10 17:25:13 | なんでもレポート
エアーゲージの「テスター」またはチェッカーと呼ばれるものがあるはずなのにあまり見かけません。

エアーゲージは「測定器」なので定期的に校正またはチェックが必要です、しかし現実問題校正できるタイプは少なく使い捨てのものが大半です。
精度はそれなりといっていいのか信用するしかありません。

タイヤ内圧の管理を厳しく問われるレースの世界では、タイヤサービスに出向いて「マスターゲージ」と自チームのタイヤゲージをご対面させます。

機能しているか⋯示す値は正しいか⋯当たり前のことですが失敗するとレース結果に出てしまいます「オチ」を作らないためのチェックということです。

キッカケは、工場で使っているエアーインフレータのホースがヒビ割れてきたので、
部品交換ついでにエアーゲージの校正もお願いしますと取り扱い代理店に送ったところ、
このゲージは校正できませんと言われこれも新品と取り替え。

新しいゲージがやってきたので、工場で使っているその他のエアーゲージとご対面させたところ、表示される数値はどれもバラバラ。

いつも悩んでいたことなので、これを機にとデジタル表示の圧力計を手に入れてエアーゲージの「テスター」つまりマスターゲージのようなものを作りました。

デジタル表示の圧力計には、大気圧補正の機能が付いているのと、小数点以下二桁表示⋯⋯おそらく大丈夫ではないかと。

これで代理店に出さなくてもエアーゲージの校正(チェック)ができます。




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春を告げる板金ハンマーの音

2017-02-07 16:16:08 | イベントレポート
春の足音ではなく板金ハンマーの音から浅間火山耐久レースのシーズンイン。

といっても開幕戦までには少し時間があるのですが、昨年の古傷が残ったままの88号車を修復するところから作業スタートしました。

別途手に入れたビビオのインジェクション車をみると、左前がストラットタワー、サイドフレームまで歪んでいて、
大掛かりな修復作業となりそうなので一時保留⋯⋯

先ずは88号車に集中です。
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G-BOWL 2017

2017-02-02 12:50:33 | G-BOWL
SUPER GT file ver,3
見開きページにドカンとG-BOWL が紹介されています。
GT500の3Gドライビングの世界が0・4GのG BOWLドライビングの延長線にあることが、ドライバーのコメントからも理解できる。
重力とどう付き合って味方につけるか。
モータースポーツの醍醐味はそこにある⋯⋯(本文から)

それと興味を引くのは、イギリス在住のコーチングプロに現役の日本人GTドライバーがレッスンを受けた話。

国内でもプロドライバーにアマチュアドライバーが教わるというケースはあるのですが。
ロブウイルソン氏の場合「謎の人物」としか見えないし、教わりに行くのが現役のトップドライバー、いくつかのF-1チームともコンサルティング契約をしている。
だれも知らないような秘策があるのかと思って読んでみると⋯⋯⋯
ここから先は本を手に入れてください。

モテギ最終戦のチャンピオンチームのスタートからゴールまでの編集なし車載DVDが付録です。

この映像から読み取れるものがいっぱいあります。


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