サスペンションを中心に毎日がまわっている、国政久郎のブログ

オリジナルボックスの業務紹介、サスペンションの話、試乗記、旅の話、諸々・・・。

G-BOWLアプリの見方と活用方法 その4

2016-06-27 09:14:53 | G-BOWL
開催二回目。

今回はG BOWLアプリを手にするために最近iPhoneを手に入れた⋯という方と、二つ隣の県から足を運んで来られた方などが参加。

それぞれに自分の運転をいかにすれば良いのか迷いの最中。

筑波山を走ったらカンカン言ってました ‼︎ の人も最近アプリを手に入れたばかり。

個々のデータを、プロジェクターで映し出して、グラフの「カタチ」を全員で見ていきます。

今回参加の方々はすでにG BOWL走行の経験者だけあって、Gの上限は綺麗に揃っていました。

Gコントロールの一歩目はこれで十分、すでに助手席の人が安心していられる走らせ方です。

しかし⋯⋯⋯G BOWLアプリを使ったからといって、これまでの運転の「クセ」まで解消とはいきません。

「減速Gの立ち上げ方」が難しい、というのが全員に共通しているように見えました。

ブレーキ開始のタイミングが皆さんのタイミングより國政の方がわずかに手前であることと、
コーナーの手前でしっかりすぎるほど速度を落としている、というのを同乗体験してもらったところでお開き。

次回の「G BOWLアプリの見方と活用方法」は来月予定しているのですが、今回応募の中で抽選もれした方を優先したいと思います。

ということで次回参加者の募集はありません。
参加を考えられている方は次次回をお待ちください。

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FD3Sのサスペンションチューニング その7

2016-06-22 15:39:39 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
FD3Sの純正サスペンション特性はどうなっているのでしょうか。

サスペンションジオメトリーとサスペンションレイアウトによる走りへの影響です。

フロントはダブルウイッシュボーンサスペンションで、アッパーアーム、ロワーアームともに揺動軸が車両中心線(X軸)に平行。

ストロークステアー(ロールステアー、バンプステアーと呼ばれる)を測定してみると、1Gのポジションからバンプアウト、リバウンドイン。

数値で見ると特徴的な動きを演出するほどではなく、必要にして最小限。
これはよりハイグリップタイヤ、あるいは純正サイズを上回るサイズを選択した時にも、その影響を考える必要はなさそうです。

リヤサスペンションはフロントとは逆のバンプイン、リバウンドアウト。
これもフロントと同じように必要にして最小限の仕込み。


リヤサスペンションのアッパーアームの揺動軸はX軸に平行、
ところがロワーアームに該当する、横力を受けるリンクと、トラクション方向の力を受けるリンクのボディ側取り付け点を結ぶ揺動軸は、
X軸に対して斜めでセミトレーリングと呼ばれる角度です。

アッパーアームと受け持つ力を分担しているのでその影響は少なめではあるものの、セッティング時に考慮すべきポイントです。

真横に力を受けている旋回姿勢から、トラクション方向の力を加えるとセミトレーリングアームは、
地面との相対角次第でジャッキアップかジャッキダウンどちらかの力を発生します。
アクセルオンにした瞬間ロールが動いたり、リヤの流れ出しのキッカケになったりするのがその影響と言えます。

車高を下げすぎていると、アウト側はジャッキダウン、内輪側はジャッキアップの力が発生するので、
車体をひねる方向のチカラが加わりこれが旋回姿勢を動かします。

これらの影響を少しでも減らそうとするのが、固めのリヤスプリングを選択したり、
極端な話伸びストロークゼロ!のようなセッティングが出てくるわけです。
動かないように固めてしまうことで厄介な動きを封じ込める作戦の一つと言えなくもないですが、
サスペンション本来の役目を奪うことになるのでお勧めではありません。

FD3Sのサスペンションチューニングのキモは適正な車高をまず探り当てることです。
もちろん「車高」はFD3Sに限ったことではありませんが……
飛行機ならば、重心点と主翼の位置を合わせるのが常識なように。
クルマも「適正な車高」を土台としてセッティングを進めます。
低くしたままで何とかしようとしても、主翼の位置を間違えている飛行機と同じで上手くいきません。
四輪で着地しているので気がつかないだけです。
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FD3Sのサスペンションセッティング その6

2016-06-16 20:48:26 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
純正のスプリングレートからスポーツ走行用のハードスプリングに変えたとき、ショックアブソーバーの減衰値もハードスプリングに合わせます。

(ショックアブソーバーとスプリングがキット化されているものがほとんどですが)

スプリングレートを選択してそれから減衰値の順番でセッティングを進めていくのが一般的手順です。

例外的にダンパー単品で手に入れて、このダンパーと組み合わせるには何キロくらいのスプリングレートからテストしていく?といった場面もあるかもしれませんが、
減衰値にスプリングレートを合わせるという考え方はありません。

前後スプリングレートの組合せを選択した後に、車体の動きを「感じて」減衰値の大きさと減衰特性で落ち着かせていくのが正しい手順です。
同時にコントロール性(操縦性)もチューニングしていきます。

足回りを固めたら、純レーシングカーのようにロール感が無く、地面に張り付いて走っていくものだと思い描いている人は、
ハードスプリングには大きな減衰値が必要で、ロール感を感じたり、コントロールがうまくいかない時は一方的に減衰値が足りない ! とにかく減衰不足!だと
結論づけることが多い気がします。

市販されているスポーツキットで時々見かける過減衰ショックアブソーバーの場合、深くロールしやすく、ロールの戻りが遅くなります(過減衰だから時間をかけて戻ります)。

ハードスプリングを選べば有効ストロークが短くなり、減衰値を硬くすると、時間当たりのストローク量が短くなります。

つまりハードなスプリングと高い減衰値を仕込めば、ストロークしない足になり、接地荷重の変動が激しく、神経質な操縦性の方向に向かうということです。

神経質で乗りづらいのがチューニングカーで、乗り易いクルマはタイムが出せない、こんな荒っぽい話もききます⋯⋯果たしてです。

どこのシーンがタイムアタックの邪魔をしているのかを修正していけば、
タイムもコントロール性も向上していくはずです。

FD3Sは動きをまとめることで素晴らしいクルマであることがわかります。

そうならないとしたら煮詰め不足・・・







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FD3Sのサスペンションセッティング その5

2016-06-11 08:12:16 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
重量バランスが50:50のクルマは、フロントに硬めのスプリングを選ぶこともあればリヤを硬めにすることもあります。

ドライバーの好みであったり、走らせるコースに合わせたり、前後タイヤサイズとの組み合わせで違ってくるとも言えます。

ただしリヤが駆動輪なのでストロークの前後バランスは駆動輪側を長めに考える必要があります。

ロール剛性配分でフロントのストロークを規制する方法が一般的です。

間違ってリヤのロール剛性がフロントよりも高くなりすぎると、イン側タイヤの接地性が悪くなるのと、
ターンイン時にリヤアウト側タイヤのグリップの立ち上がりが速く、アンダーステアーの原因になります。

補足すると………

リヤスタビライザーを極端に硬いものを使ったと想定しましょう。
ハンドルを切ってわずかに車体がロールしただけで、リヤタイヤ二輪分の荷重は外輪に移り、いきなり接地荷重は二倍になります。

するとCF特性は高荷重の線図をたどることになるので、少ないスリップアングルで高いCFを発揮し、リヤのせり出し角が少なくなります。

同じくして、リヤサスペンションの沈み込みストロークが止まり、その影響て車体ロールとヨー運動に歯止めをかけることになります。

さらにこの時フロントタイヤの内から外への荷重移動が鈍ります。

ダイヤゴナルロールもリヤのロール剛性が高すぎて邪魔をされます。

結果、舵の効きが甘くなりアンダーステアーの症状が出ます。

リヤのスタビライザー径を太くするとオーバーステアーになる⋯⋯と一般的に言われているのと正反対の話のようですが……

リヤのスタビライザーが硬いということは、フロントが相対的に柔らかいのでアンダーステアーが出た後にハンドルを切り足すと⋯⋯⋯
先の説明につながるのですが、遅れてロールし始めます。
そこでやっとフロントアウト側のタイヤに荷重が乗り、グリップが増すのと、舵角多めなので前輪の走行抵抗が増えます。
前のめりになって軽くブレーキをかけるのと同じなので、リヤ荷重が減りタイヤグリップが下がって、オーバーヨー(オーバーステアー)になります。

アンダー/オーバーと言われている現象なのですが、リヤの流れ出しがジリジリではなく一気に振幅が大きく流れ出るので、
スタビライザーを太くするとオーバステアー⋯⋯と表現されているのです。

経過を冷静にたどってみると、ターンインの初期に厄介なアンダーステアーの領域があることに気がつくはずです。
このことを知っていればスタビライザーのチューニングでチグハグなことをやらなくて済みます。

逆にリヤスタビライザーを細くすることで現象の裏付けが取れます。

今度はハンドルの切り始めから向きが変えやすくなるのですが、リヤに荷重を預けると踏ん張りが効かず、流れ出しは穏やかなもののオーバーステアーになります。
オーバーステアーと表現するならこちらの方です。

つづく


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G-BOWLアプリの見方と活用方法 その3

2016-06-07 22:39:32 | G-BOWL
少し前のことですが、某メーカー系のユーザーを集めて、ジムカーナ場で走行会(年に数回)を行う主催者の方に、リアルG BOWLを貸し出したことがあります。

試したい人がいたらお昼休みにでも遊んでみてください、くらいの内容で渡しました。

当然ながらジムカーナ場でのイベントなので、参加者はアクセル全開走行。

そんな走らせ方をする人たちが、0・4Gを超えるとピンポン球がこぼれ落ちるツールを使うか。

想像の通りです………G BOWLは綺麗なまま戻ってきました。
誰も試さなかったそうです。

ピンポン球が一つ目のコーナーで落ちるのは目に見えているし、「ゆっくり走る」意味がわからない、と何人かの参加者がコメントしていたそうです。

同じように、リアルG BOWLを作った当初から、サーキット走行との結びつきが分からないと散々言われました。

今もほとんどの人が同じ気持ちだと思います、あくまでG BOWLを使った運転………その範囲を出ないんじゃないかと。

じゃあ何のためにG BOWLを作ったか……「運転操作」の基本を知るためのものです。

そこで「同乗者に嫌われない」運転とは、といった穏やかな(切実な問題ですが)テーマにしたほうが、よりG BOWL的で分かりやすいのではないか、と最近考え始めました。

同乗者に「快適」と思ってもらえるかです。

G BOWLアプリの見方と活用方法の第2回目の説明会を6/25日(土)に開きます。

参加要領はコメント欄に。
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FD3Sのサスペンションセッティング その4

2016-06-05 22:50:01 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
スプリングと同時にサスペンションストロークの前後バランスを考えます。

ショックアブソーバのストロークが短ければ、ホイールストロークも短くなります。

組み込むスプリングを硬くすると、実動ストロークが短くなります。

前後ストロークのバランスを考えるときに、操舵輪か駆動輪かを考えます。

安定した駆動力を得るためにはタイヤをいつでも接地するようにセッティングする必要があります。

フロントが重いFR車で、仮にフロントスプリングがリヤよりも柔らかかった場合………重いフロント側にロールの主導権があるので大きくロールします。
すると、軽い上に硬いスプリングのリヤは、サスペンションストロークが不足して簡単に内輪がリフトして空転します。

これでは駆動ロスが多くなります。

後輪のグリップを安定させるためには、フロントスプリングを硬くしてロール量を抑え、リヤスプリングを柔らかくして長いストロークを確保し、接地性をあげるのが一般的です。

この時フロントに硬いスプリングを選択する場合と、ショックストロークを規制してロール量を機械的に止める方法もあります。

スタビライザーを効かせてフロントのロール剛性を上げるのも同じ目的です。

リヤに硬めのスプリングを選んだ場合は、フロントスタビライザーを硬めるか、フロントのストローク規制をするかになります。

つづく
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FD3Sのサスペンションセッティング その3

2016-06-02 22:50:01 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
FD3S用のサーキット向けスプリングとして16kg/mmを選択したとします。

ここで言う16kg/mmはスプリング単体のレートです。

車体に組み付けた時のスプリングレートを知るには、レバー比を考慮する必要があります。

ホイールストロークを1とした時に、スプリングストローク(ショックアブソーバーにコイルオーバーされているので、ショックストロークと同じ)は
フロントが63%リヤが70%、どちらも「約」の数値です。

この「約」というのは……ホイールが上下ストロークするとサスペンションのアーム角もショックアブソーバーの取り付け角も変化していくので、
レバー比も厳密に見ると常に変化していきます、なのでどの位置の数値か、ストローク何ミリ分かの平均値などで変わってくるので「約」な訳です。

でストロークと力の関係はレバー比の二乗倍になるので、フロントは約40%リヤは50%がホイールレートに換算するときの係数。

16kg/mmに係数をかけると、フロントは6.4kg/mmリヤは8kg/mm
フロントよりもリヤの方がホイールレートで見ると25%硬め(1.25倍)ということです。

つまり同じレートのスプリングを前後に入れても、同じホイールレートとは限らないということです。

FD3Sであれば走行中の荷重移動で、フロントよりもリヤが重いミッドシップの重量配分になる時があるので、こういったスプリング配置も十分に考えられます。
(40:60のミッドシップカーはフロントのスプリングレートに対して、リヤは1.5倍から2.0倍のレートがおよその目安です)

旋回姿勢に入ったらスロットルを開け気味にして走りを組み立てるドライバーには、後ろ荷重になったときの、お尻のへたり込みが少ない方が走りやすいかもしれません。

つづく



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FD3Sのサスペンションセッティング その2

2016-05-29 23:51:07 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
FD3Sの前後重量バランスはほぼ50:50。

これはクルマが「停止」している時の、タイヤの下に体重計を置いて計った静荷重(輪荷重)です。
(ないしはコーナーウエイトとも呼ばれます)

輪荷重は、クルマが動けば刻々と変わります。

ブレーキをかければ荷重移動でフロント寄りの60:40とか、加速をすれば後ろ寄りの40:60といったバランスになります。

「静荷重」に対して動き回る荷重・・・「動荷重」

50:50を境に加減速をするたびに、シーソーのように前に行ったり後ろ寄りになったりするということです。

もちろん旋回時は左右でアンバランスになります。

輪荷重については様々なシーンが考えられるものの、組み込むスプリングはおおよそ輪荷重(静荷重)に合わせて選びます。
荷重配分が60:40のフロントエンジンのクルマは、リヤよりも硬いスプリングをフロントに組み込みます。

40:60のミッドシップカーはリヤが重いのでリヤにフロントよりも硬いスプリングを組みます。

フロントの重いFR車あるいはFF車でも、前後のスプリングレートがあまり違わないクルマもあったりします。

さすがにミッドシップ車は前後同じレートにはできません。
どんなクルマであれ限界特性は必ず安定方向であること、つまりアンダーステアーを基本に考えるからです。

こういった考えに当てはめていくと、今回のFD3Sのように50:50のクルマは前後同じ硬さを中心として、
フロントがやや硬めでも、リヤが硬めでも許容範囲に入ると考えることができます。

つづく
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G-BOWLアプリの見方と活用方法 その2

2016-05-29 23:44:20 | G-BOWL
でっかいモニターを用意してG BOWLアプリの見方と活用方法の講習会をやりました。
参加者は3人。

先ずは近くのワインディング路を走ってデータ採りをして、そのデータを見ながら説明を進めていきます。

モニターを見ながら感じたのは、データと走りのイメージを結びつけるのはカンタンではないということ。

それと、初めての道ではうまく走れな・・・と誰かが言ってたけど、

「うまく走れない」が自分でわかるのなら、それがなぜなのかを自分に聞けば、何をやればいいのか見えてくるような気がします。

知っている道ならうまく走れる、というのも引っかかります。
その違いはどこからくるのでしょうか。

知らない道でも同じように走れるはずです、強いて言うなら初めての道では確かめながら走る分アベレージが下がるかもしれません、違いはそれだけのはずです。

と言い切るときつく感じるかもしれませんが、速く走る必要がないとしたら自分のペースでGコントロールに集中すればいいのです。

また近いうち企画します。



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FD3Sのサスペンションセッティング

2016-05-24 22:54:17 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
FD3Sのダンパーセッティングの相談がありました。

サーキットに乗り込むと、ハンドリングが思わしくなく、自分たち(仲間?お店さん?)で試行錯誤したものの行き詰まってしまった・・・

ロールの収まりが良くないから減衰値が足りない(柔らかい)、と判断して減衰値を高くした。
(市販状態からオリジナルチューニングを施してもらった)

再度走らせるもやっぱりまだ減衰値が足りない・・さらに減衰値を高くした。

を、繰り返していたので送られてきたダンパーの減衰値をみると当然ながら高減衰(過減衰)。

どれくらいかといえば、減衰値を表記する専用のグラフ用紙からはみ出してしまうほどの数値でドットできない!

これまで、このグラフ用紙の範囲でレーシングカーも含めて描けなかったのはほんの数例、それもあまり良いセッティングのものではありませんでした。
今回の打ち合わせの中でも、まだ減衰値が足りないから高くして欲しい・・・

硬くすれば問題が解決する、柔らかいのはダメ・・・こう考えている人が多いのかもしれません。

ダンパーの減衰値に限らず、スプリングレートも硬い方が速さに結びつきそうなイメージがあったりしませんか?

誰それのレーシング関係者に運転してもらったら、脚が柔らかい、もう少し硬くするといいと言われた・・・常套句です。

しかし今回のケースでは、これ以上硬くしても問題解決にならないことを説明し、仕様の方向はこちらに任せてもらう事に。

届いたキットは前後共スプリングレートが16kg/mmなので、過去のデータを参考にしながら、前後同仕様にチューニングし直しました。

チューニング前のダンパーはフロントの減衰値が高く、リヤはやや低かったので、当然ながらオーナーから「なぜ減衰仕様が前後同じなのか」と質問がありました。

つづく

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