サスペンションを中心に毎日がまわっている、国政久郎のブログ

オリジナルボックスの業務紹介、サスペンションの話、試乗記、旅の話、諸々・・・。

学生フォーミュラ フォーミュラSAE シャシー剛性 フレーム剛性 測定 4

2018-02-09 12:59:45 | イベントレポート
シャシー剛性を測定する道具をいくつか紹介したのですが、
「ダミーホイール」は車体を定盤に固定するのに使います、タイヤの代わりに変形しない治具ということです。

「ダミーダンパー」は両端ピロボールか、ガタつかないで固定できる工夫をした「つっかい棒」のことです、1G車高の長さにします。

ダミーダンパーでサスペンションがストロークしないようにすれば、サスペンションの取り付け部も含めた剛性を確認できるので、
より精度を求めたい時はこの方法です。

ゆるい測定法としては「ラダーフレーム」を使って、タイヤもショックアブソーバーもついた走行状態に近い状態で、
一輪だけ乗り上げさせて測定する方法もあります。

何キロの荷重を掛けたかは特定が難しいとしても、何センチの段差で歪みが何ミリ、さらに段差を高くしてその差が何ミリ、
といったことで二台の車の横比較などができます。

どうしても荷重をを知りたい時は、パンタジャッキの下にヘルスメーターを置いて、同じ高さまでタイヤを持ち上げた時の荷重をを測定します。
ここから水平時の荷重を引けば、およそ何キロの力を加えたか見当がつきます。
といったことで、ラダーフレームは「宙に浮いた定盤」なので使い方次第です。

ラダーフレームは材料費を入れても1〜2万円もあれば作れると思います。
一般乗用車でも、ラダーフレームがあれば(乗用車サイズのものが必要ですが)定盤がなくても、同じように測定できます。
乗用車用となるとかなり大きなサイズになるので、収納を考えると組み立て式のラダーフレームがおススメです。
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学生フォーミュラ フォーミュラSAE シャシー剛性 フレーム剛性 測定 3

2018-02-02 13:24:58 | イベントレポート
ホイールを外して、スタンド治具をクリップボルトでとめて定盤の上にしっかりおろします(ないしは固定)。
フロントはスタンド治具の左右をしっかりとしたバーに結びます。
バーの真ん中に鉄パイプを置いて荷重を支えます。
定盤を使う場合はダイアルゲージを「定盤」に置いてそのまま測定できます。

定盤が無い場合は、赤線のラダーを後ろ二カ所前一カ所チェーンで吊るします。
ダイアルゲージを「ラダーの上」に置けば、測定できます。

ねじり剛性の考え方は、シャシーにタイヤからの荷重が入るとねじれが生じます。
サスペンションも荷重がかかるとたわみます、これもねじり剛性とみなすことができます。
荷重によってたわみ量が変わるタイヤも同じです。
タイヤ、サスペンション、シャシーの三つのバネ要素が直列に連なっていて、
荷重に応じてたわんでいることになります。
乗用車ならゴムブッシュ、ゴムマウントが加わります。
三段(乗用車は四段)に積み重ねられたバネの中にショックアブソーバーがあるのですが、
タイヤとシャシーの間です。
ショックアブソーバーが減衰を発揮するためには片方がしっかり固定される必要があります、当たり前ですが⋯。
シャシーにしっかり取り付けられいるのを見れば、ショックアブソーバーは働いているものと誰しも考えるのですが、
シャシーの取り付け点そのものが、つまりはシャシー剛性が低い場合、
ショックアブソーバーに入力があるたびにしなしな逃げ回るので減衰が発揮されないばかりか、
取り付け点が動くということは、取り付け点側からもショックアブソーバーが加振されることになるので、
腰砕けになったりツッパたりする動きになって、ブルブルガタガタとひどい振動が出たりすることになります。
こういった動きが出るとタイヤのグリップ能力を余して簡単にスリップアウトし始めます。

以前、取材でケータハムセブンの試乗をさせてもらったのですが、
明らかにオーバーサイズのハイグリップタイヤを履き、
硬いスプリングと過減衰のショックアブソーバーの組み合わせから、
通常のアスファルト路で60〜70km/hも出すと目線が定まら無いほど車体全体が身震いし始めて、
コーナーに差し掛かると0.5Gも出ないうちからスリップアウト。
シャシー剛性が低いクルマのわかりやすい挙動で貴重な経験をしたことがあります。

シャシー剛性は高いほどいいのですが、最低線はどのあたり?計算で見切りたい?
そこを知りたいのであれば、まずは先の三つのバネの数値化です。
メインスプリングのたわみ量とシャシーのたわみ量が同じだったりすると、
ショックアブソーバーの効果は4分の1以下になり、上下加振状態に陥りやすくなります。
ヒントになるでしょうか。






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四輪の書 2018

2018-01-20 00:06:45 | NEWTON BRAKE
四輪の書は「クルマの取説」という話はこれまで何回か。

⋯⋯クルマを操る方法がよくわからなかったので緊張感が先行していた。

⋯⋯でも四輪の書を読んでから、周りが見えるようになってきたのと、長距離のドライブにも出かけられるようになって・・・来訪いただきました。

程度の差はあれ運転するのが嫌い、こういった人がいるとも聞きます。

クルマを走らせることでいっぱいいっぱいの人が、動く障害物の中を走らせようと思えばドキドキが止まらないはずです。

周りの動きに合わせようと思うと自分の運転ではなくなるし、自分のペースで走っていると周りとギクシャクする⋯

全ての不安が取り除けるとは言いませんが、正しいクルマの操り方を身に付けることができれば、緊張感の配分が変わってくるような気がします。

ブレーキをかけたけど間に合わなかった⋯⋯ぶつかった後にこんな発言する人が周りにいると思うと、どこまで気をつけたら良いのやらです。

道路を走れば厄介なことだらけですが、ドキドキの元を辿れば「道具を使いこなせていないから」も大きな要因かと。

四輪の書が運転技術にこだわっているのは、物理現象を理解し正しくクルマを動かすことで、
サーキットで速くではなく、安全に快適にクルマを操れるようになるためです。

遠くに出かけられるようになった⋯いい話です。


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学生フォーミュラ フォーミュラSAE シャシー剛性 フレーム剛性 測定 2

2018-01-17 09:47:56 | イベントレポート
シャシー剛性の測定方法について

「ねじり剛性」のトライです。

まずは測定場所の準備をします。

①定盤を使って測定する方法と

②定盤を使わない測定方法があります

精度の高い数値が必要な場合(補強を一箇所加えた時の違いを見るとか)
大きな力をかけて測定したい時などにはしっかりと固定したいので定盤が必要になるのですが、
工夫次第で定盤がなくともそれなりの数値を出すことができます。

次はサスペンションが付いた状態の測り方なのか、シャシー単体なのかを選択します。

③シャシー単体の場合は力を加えるポイント(サスペンションの取り付けブラケットなど)があると作業しやすい。

④装着タイヤ、装着スプリング&ダンパーのままで測定する方法と

⑤ナックル、ハブベアリング、ブラケットの取り付け剛性なども含めた剛性を知りたい時に、
ダミーダンパー、ダミーホイールを用いて測定する方法などがあります。
(タイヤ接地点から入力した時の剛性を見たい時の方法です)

まず、定盤が有るのか無いか、この機会に定盤を揃えたいということであればぜひとも⋯
無くとも平らでしっかりとした床さえあれば問題なくできます。

次に③④⑤の中からどれか一つ選んで測定していきます、一度数値を出すところまでできれば、あとの応用はさほど難しくありません。

③の数値を押さえておいて⑤の測定を行えばハブナックル、ブラケットの影響などが見えてきます。

準備するものは

ダイヤルゲージorハイトゲージ
巻尺(コンベックス)
ウエイト(おもり)
ヘルスメーターorコーナーウエイトゲージorロードセル
シャシースタンド(シャシー馬)
パンタジャッキ
ダミーダンパー⋯⋯⋯製作
ダミーホイール⋯⋯⋯製作
定盤
*ダミーフレーム(ラダーフレーム)⋯⋯⋯製作
チェーン⋯⋯⋯(鎖、日曜大工センター)
鋼材(角パイプ)
一般整備用工具

*ダミーフレームが準備できれば定盤の有る無しに関わらずシャシー剛性の測定ができます。
*ダミーフレームの使い方を理解すれば剛性測定の勘所が分かります。

*ダミーフレームか定盤、のどちらかが必要です。


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学生フォーミュラ フォーミュラSAE シャシー剛性 フレーム剛性 測定 1

2018-01-11 10:39:49 | イベントレポート
少し前に、都内で開かれた学生フォーミュラの技術交流会に顔を出してきました。

会は朝からスタートして丸々一日のスケジュール、私が会場に入ったのは夕方近く。

あらかじめ各大学から質問が出されていて、それに他の大学から回答する、あるいはアドバイザーからの意見などで会が進みます。

例えば・・・最近大きなスポイラー&ウイングをつけたクルマを見かけます、どれくらいの効果があるのか具体的なデータが知りたい⋯⋯

するとどこかの大学の代表が、60km/hでダウンフォース60kgfの計算値があります。
タイムへの寄与はコンマ8秒ほど⋯⋯ではないかと。

さらに・・・シャシー剛性の測定方法と、どれくらいの剛性があればいいのか具体的な数値が知りたい⋯⋯

この質問の答えは会場から出ませんでした。

おそらくですが、今回の交流会に参加していた大学はボディー剛性の測定をやっていないか、やったことはあるが自信が無い、そんな雰囲気を感じました。

ここでアドバイザーの方がマイクを取り、放った言葉が「自分たちで考えなさい」「ここで説明してしまうとあなたたちのためになりません」⋯⋯。

アドバイザーの立ち位置を考えると正しい回答かもと一瞬思ったのですが、質問した学生だってなにも調べないできたとは思えません⋯⋯パソコンのキーを数回叩くことぐらいやったでしょう。

どの大学からも回答が出なかったということは、シャシー剛性を扱う技術が備わったいないことになり、国内学生フォーミュラの技術レベルがそこまでであるとも言えます。

多くの大学が一堂に会して技術交流会を開く理由は、全体の技術レベル向上を目指してのこと。

迷っているのだから、その入り口に立てるくらいまでは教授しても良いのでは⋯⋯大人なんだから。

実際問題、測定方法を口頭で説明したとしても、やったことのない人が理解するのは難しいはずです。

さらに数値となるとその考え方も含めて厄介。

それは、シャシー剛性を「走りの性能」とどう結びつければいいのか、何をもって判断するかといったことです。

一つの目安になることは確かですが、数値だけが一人歩きして肝心なことを見逃すことも考えられます。

確かな数値の扱い方としては、昨年度のマシンと今年のマシンの横比較があります。

同じ計測方法で出した数値なら問題なく使えます。

続く⋯⋯


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津軽三味線の旅

2018-01-04 18:56:50 | ドライブレポート
暮れからお正月にかけて、爆弾低気圧で「雪があるはず」の東北に行ってきました。

一番の目的は「三味線の生演奏を聴きに行く」です。

思いつきではなく、前から行きたいと考えてはいたものの青森に出かけるには最短で一泊2日が必要。

電車もいいけど、やっぱりクルマで行きたいよなとか考えているうちに、目的のお店が昨年閉店!

やっと行けることになったのに〜

ということで慌てて生演奏が聴けるところを探しました。

一番前の席で聴くことができ、しかも奏者は三味線世界大会3連覇の方。

津軽三味線のいわれ、奏法などの語りも入った濃い時間をいただきました。

あとは温泉地巡りと初詣。



ざっくり2000kmの旅

サクシードにフロント車高を変える(15mmアップ)スプリングが入っていたおかげで、雪道でクルマのお腹をこすることもなくスイスイ、いいテストができました。













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四輪の書

2017-12-25 20:25:28 | NEWTON BRAKE
本屋さんに四輪の書が並び始めてから8ヶ月経ちました。

何人かの人に「買いましたよ」

ありがとうございます⋯⋯

で、もう完読されましたか?・・・

いや〜。

こんなやりとりが何回かありました。

本が出てからなんとなくなんですが、周りで運転の話をする人が少なくなったような気がします。

読んで納得してしまったからでしょうか。

それとも。

ぶ厚い本を手にしてこんなにもたくさんのことを覚えなきゃいけないのか⋯⋯と考えた途端気持ちがヘナヘナ⋯⋯
ひとまず運転はできているし⋯⋯特に困るようなこともないから自分は焦らないでいいや。

⋯⋯あ〜読まなきゃよかった⋯⋯

投げやりな気持ちで年を越される方がいるかもです。

頭で理解しても運転してみると体の反応がこれまでと変わらない。

長年鍛え上げてきた自分流の運転スタイルに、そう簡単には上書きできないというのが理由です。

四つのラインを試してみても・・・こんなもんかな〜

自分流を少しでも引きずっていたら、通るところが若干違う程度、よくてダッシュがつくくらいのラインの違いしか変化が出せません。

「自分流」にこだわっているわけではないのに、いつのまにかそうなってしまうのは、
運転に興味のある人ほど、心の奥底にクルマを「速く走らせる」にはどうするか、そこを意識した運転方法を拾い集めるからです。

遅く感じる場面を排除して、速いと感じられるものだけをつなぎ合わせたコーナリング、もちろん走り込んでいるので速い。
しかしパターンは一つ。なので走らせ方を変えるのは苦手。となるのです。

四つのラインはそれぞれコーナーへの侵入スピードもハンドルの切り始めのタイミングも、ラインどりも前後G、左右Gの印象もまるで違います。

できるようになってしまえば、そりゃそうだとなるのですが⋯⋯







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二冊持ち回り

2017-12-19 12:38:03 | なんでもレポート
この時期、来年のカレンダーが届いたり、すでに分かっている来年の予定を新しいダイアリーに書き込んだりします。

手書き派の私は手放せません。タブレットは今ひとつ信用できず⋯⋯

あと少しで今年のダイアリーは使い終わるのですが、今の時期は来年用のダイアリーも必携。

ということで二冊持ち歩いています。
そんなもの今年のダイアリーにメモしといて後で移し替えれば、となるのですが
予定を入れてはいけないのについうっかりといったことを排除したいので、直に書き込みたいと言うわけです。

手書きで書き込むと頭の中にも予定が書き込まれる気がします。

ダイアリー依存ではなく、二重に管理ができるので、空いてる日にちを聞かれても結構即答できたりします、もちろん最終確認はしますけど。

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ロードスター

2017-12-04 10:50:57 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
NA,NB,と乗り継いできて再々度ロードスターがやってきました。

以前から販売しているロードスター用のチューニングパーツ(オリジナルボックス製)を組み込んだデモカーにするつもりです。

それとロードスターはスポーツカーではあるけれど、乗り心地が良いに越したことはない(自論)。
そこで快適なショックアブソーバーを開発してみたい心があって、そのためのテストカーとしても使います。

従来のものではダメなの?と言われるとモゴモゴですが⋯⋯試したいことがあるのです。

これまでもロードスターのサスペンションチューニングはたくさんやりました。

自動車雑誌の企画ものからスポーツ走行用、レース用、快適仕様⋯⋯⋯

数十台分のチューニングデータが残っています。
ショックアブソーバーの構造自体も何種類かトライしたので相当な数をやったことになります。

ニ十年程前からなので当たり前といえば当たり前なんです⋯が飽きもせずいつまでやってんだろうと自分でも思います。

なのでロードスターのショックアブソーバーの「脱着」は素早くできるようになりました。

肝心の足のできはどうかって?⋯⋯⋯それがね〜








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ポロGTIの場合 その7

2017-11-21 11:19:13 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
いよいよ車両に組み付けて走行確認です。

「フランス車風の乗り心地」でお願いします、ともポロのオーナーは言ってました。

それが自在にできればいいのですが⋯

一般道をフツーに走らせて乗り心地の確認をしていくのはもちろん、
ロール姿勢、コーナーリング前後の繋がりなども見ていきます。

Gコントロールがドライバーの手の内になければ快適なドライブは望めません、助手席の人にとっても同じです。

車両が持ち込まれた時、車高が低く(GTI純正)縮み側のストロークが明らかに不足していました。

そこで、伸び側ストロークと縮み側ストロークの比率を修正したのと、
ビルシュタインショックを新たに仕立てて減衰値の仕込みもやりました。

同時に「適正車高」にした事でロワーアームに下反角がつき、ロール剛性が上がってハンドリングも向上。
(本来の性能に戻ったということです)

この逆をたどること、つまりチョットぐらいは平気だろうと考えて車高を下げる行為は、
クルマを改造した、いじったという小さな満足感を得られるかもだが、乗り心地とハンドリングに必ず影響があるということです。
もちろん良くない方向です。

今回のポロに関しては日本に入ってくる時点で車高が下げられていた可能性があります。

車高を低く見せることでイコールスポーティなクルマと思わせる⋯何でもかんでも。

サスペンションの機能を理解していない人の考えることです。

ローダウンを許容するクルマも一部にあるのですが、ポロはそうではなかったということです。

ほとんどの乗用車は空車時と2名乗車時とで約15mm車高が変わります。
(2名乗れば15mm下がると言うことです)

乗り込む前の車高を基準に考えてイニシャル車高を低くしてしまうと、乗り込んだら(誰か乗らないとクルマは走りませんから)
さらに下がって今回のようなことが起きるのは容易に想像できるはずです。

さて仕込みの減衰値はどうだったかと言えば。

フロントリヤ共に手直しが必要なことが分かったので、ショックアブソーバを取り外してチューニングです。

綺麗なバウンシング姿勢にするのにあと少し前後のタイミングを合わせたい、というのがそれです。

ただし狙いの乗り心地に遠くないことがわかって一安心。

フランスまであと少し。

続く⋯⋯





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