僅かな時間でしたが、山頂で寛いだ時間を過ごしました。
登った以上は下りなければなりませんが、帰りも同じルートを下ることにしました。
谷の中で、見落とした花でもあるかなと思ったのですが、特段に目新しいものは見つけられませんでした。
林の縁では慎ましくコアジサイが花を咲かせていました。
雨に咲く花にも風情を感じますが、やっぱり天気の良い日に、花を愛でる方が気持ちは落ち着きます。
下山路では、多くの登山者とすれ違いました。
電車とバスを利用すると、皆が同じ時間帯に山へ入ることになるようです。
狭い山道で、小さなスペースに身を寄せて、登って来る人達に道を譲りますが、20人近い団体が三つ、四つと続くと、このような大きな団体で山へ来ることに、不思議な印象を持ちました。
高齢の方が多いようでしたが、前の人に遅れないように、必死で山を登っているように見えます。
気ままに花を愛でたり、木々の声に耳を傾けながら、自分のペースで山歩きを楽しむのとは別の楽しみ方もあるようです。
沢の道へ入ると、涼しい風が木々の梢にそよぎます。
清らかな水が、岩の間に白いしぶきをあげ、谷の底では蒼い淀みが神秘的な表情を見せています。
奥多摩は都心からの距離も近く、林道も良く整備され、緊急時の安全性も担保されていますので、足腰さえ鍛えておけば、80歳になっても、山遊びができるかもしれません。
そんな思いを胸に、楽しかった一日に感謝しながら、緑へ溶け込みそうな足取りで、川苔山を後にしたのでした。
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