エリボール湖(Loch Eriboll)が海に口を開けた場所を回り込み、西へと向かいます。
右手に海を見ながら、坂道を登って行きます。
エリボール湖では水の青さに息を呑みましたが、この高台から見下ろす大西洋の碧さにも言葉を失うものがあります。
振り返れば、エリボール湖から、青い水塊が北の海へ流れ広がっていました。
このような場所に暮らすうちに、人々の瞳が青くなるのでしょうか。
ここに、どんな暮らしがあるのでしょう。
今になって思えば、B&Bにでも泊まって、地元の人々とコミュニケートすればよかったかな、と後悔しています。
その先にスムー・ケイヴ(Smoo Cave)という、石灰岩の地層へ海水と地下水の侵食作用が複合してできた洞窟がありました。
駐車場に車を停めて、崖を下りますと、3~4階建てのビルの高さ程に洞窟が口を開けていました。
入口へ近づいてみると、ゴムボートを使った洞窟内ツアーがあるようです。
二人の女性がヘルメットを被って、参加者が増えるのを待っていました。
周囲にオオイヌノフグリや、始めて見るピンクの野草が咲いていました。
私の興味は洞窟よりも花なので、周囲の崖などの植物を眺め歩きました。
このように、羊が入り込まなければ、多彩な植物が生育することが明らかです。
羊が入り込めない所、放牧に使えない場所には樹木が育っています。
先程見てきた、エリボール湖の麓に民家があった断崖には、樹木が茂っていました。
私は「ヒースという地形も、人が家畜を数百年、数千年という歳月に亘って放牧すること等で作り上げたのではないか?」と考え始めていました。
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