宮崎市内を抜けて南へはしります。
目的地は青島自然休養村です。
ナビに宮崎市加江田と入力しました。
椰子並木の国道をはしり、運動公園が近づくとジャイアンツ球団の旗が並んでいました。
春季キャンプが行なわれているようです。
色とりどりの花が道路脇を飾っていました。
やがて、「こどものくに」の付近で、ナビが「目的地に到着しました」と告げました。
道路際の生垣越しに「こどものくに」を覗くと、寒桜が満開の花を咲かせていました。
しかし、梅園は何処にあるのでしょう?
とりあえず青島に渡ってみることにしました。
青島亜熱帯植物園のパーキングに車を停め、海岸に沿って青島を目指します。
青島に渡る弥生橋のたもとには、綺麗な砂浜が広がっていました。
ウインドサーフィンの帆が2月上旬を忘れさせます。
そういえば、青島には何度も来ていますが、島で梅の木を見た記憶がありません。
しかし、島に行けば何か分かるかもしれないと、取り敢えず島をめざしました。
島に渡り、目につく限りの掲示物を確認しましたが、梅園の文字は見当たりません。
神社に梅園はつきものなので、青島神社の境内に初めて入ってみました。
拝殿の右手の絵馬掛けの下に、島の奥へと通じる道が伸びていました。
青島全島を覆う、国指定特別天然記念物のビロー樹の解説を読みましたが、ここにも梅の文字は見えません。
そもそも、天然記念物が覆う島へ梅を持ち込むはずはないし、変だな~
その先に祠があり、「元宮」の掲示が見えます。
元宮の周囲はビロー樹に囲まれ、道はそこで途絶えていました。
祠の横に、貝殻が積み上げられていました。
後ろの「真砂の貝文」の説明によると、
「ここ青島は、二千四百年前の隆起海床に貝殻が堆積してできた島である。・・・」
と記載されていました。
えー! そうなんだ。
そんな所に梅が育つはずはありません。
狐に摘ままれたような、半分諦め気分で、車に戻りました。
帰りは、入場無料の植物園の中を通り、門の前までやって来ますと、観光客にアンケート調査をしている小母さんがいたので、
「この辺で梅の花が咲いている場所をご存知ないですか?」
と聞いてみました。
すると、「子供の国」駅の裏手の山の中に「好隣梅」という梅園があると教えてくれたのです。
アンケートにも答ながら、雑談をしていますと、
手に持っていた保温瓶の甘酒を「今朝家を出る時に作ってきたから、飲みませんか」と勧めてくれました。
混ざり気のない、程好い甘さの甘酒でした。
「美味しいですね!有難う御座います。
実は、私は旅のブログを書いるのですが、写真摂らせてもらっていいですか」
と言いながら、レンズをむけると、
「いやー、恥ずかしい」のお言葉が返ってきました。
そうそう、お嬢さんが一人、ニューヨークのマンハッタンに暮らしているそうで、そのことがとても嬉しそうでした。
甘酒の程よい暖かさが、何処に居ても変わらぬ親心そのもののように思えました。
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