分岐点を過ぎて、背後に標高1353mの滝の沢岳(姫岳)を見ながら登っていくと、
登山道に、マルバノノイチヤクソウが俯きながら花を咲かせていました。
イチヤクソウの仲間は似たものが多いのですが、マルバノノイチヤクソウはロゼット状の葉に長い柄があり、花茎はやや赤みを帯び、花は赤みを帯びた白色、三角状の萼片は5裂し、柱頭は突き出て湾曲すること等で見分けます。
右手の、前岳から南西へ伸びる稜線上に小さなピークが見えていました。
20代後半に冬山に登り始めて以降、このような小さな地形の特徴を無意識にチェクするくせが付いてしまったようです。
登山路は斜度を増し、岩に手を掛けて登るほどになってきました。
空沼岳でも見てきた、面白い形の果実を付けた低木に、ここでも出会いました。
この木がウコンウツギだと判るのは、帰宅してから図鑑を捲ってのことです。
そして、こやつ。
実は、空沼岳へ登った時に万計沼の下の滝近くで同じものを見ていたのですが、これも帰宅するまで、シラネアオイだと判りませんでした。
エゾノレイジンソウ(多分)にハチが蜜を求めています。
エゾノレイジンソウはトリカブトの仲間ですが、黄色いエゾノレイジンソウには黄色い花を好むハチが呼び寄せられるのかもしれません。
見渡せば、ダケカンバが美しいモニュメントになって輝きを放っています。
そして7時22分、標高1250mの石原平(せきげんだいら)に到着しました。
相棒の森さんとお互いのカメラで記念写真を撮り合いました。
一人旅の多い私が、レンズの前に立つのはなかなかに久しぶりです。
石原平からは、北の方角に芦別岳や崕山の雄姿を望むことができました。
そして、石原平を少し進んだ先の望岳台からは、あの麗しきトムラウシ山が雲海に浮かぶ姿を認めることができました。
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