登山道へ入ると、小さな沢に杉の丸太橋が掛かっていました。
手作業で作られたことがよく分かります。
この橋を掛けるのに、どれ程の方々が携わってくれたのでしょうか。
遊びで登る山への道に、多くの方が汗を流してくれていることに、足が竦むような思いがします。
これだけのおもてなしを受けるのですから、今日は存分に楽しまなくては勿体ない。
振り返れば、杉木立の中に奥多摩の峰が優しい曲線を描いていました。
清々しい杉林に続く、明るい沢の中に登山道が分け入って行きます。
小石川後楽園のような大名庭園の趣で、山水画の題材になりそうな風景が続きます。
ここが都心からわずか3時間ほどの場所なのは、感嘆すべきことかもしれません。
そんな山道の脇で、興味ある掲示物を見かけました。
この森は、昭和42年43年にオリンピック記念事業として、スギ・ヒノキ・カラマツが植栽されたことが表示されていました。
昭和42年といえば、私は高校生で、ラジオで深夜放送を聞いていた頃のことです。
あれから46年・・・
感無量です。
植松や渡辺は元気にしているでしょうか。
川苔川に沿って続く登山道には湧水が流れ、新緑のカツラが目を和ませてくれます。
沢に幾条もの滝が現れます。
山道は沢の右岸と左岸を、おもてなしの橋で繋ぎながら、高度を上げて行きました。
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