ピークへ向かう尾根道の周囲はササで覆われ、
登山路の左右に、名も知らぬ尾根が幾重にも連なる眺望が楽しめます。
そんな道でナナカマドの木を目にしました。
北海道の山地にはナナカマド、タカネナナカマド、ウラジロナナカマド、ミヤマナナカマドが生えます。
この木はどれだろうか?と、頭をひねりながら尾根道を進んで行きます。
目の前にピークが見えてきました。
多分これが最後の登りとなるはずです。
右手は、松前の方角ですが、襞の様に重なる尾根の先に、海は姿を見せてくれません。
そして、この辺りから道脇に、美しい花が姿を見せ始めました。
まずはコガネギク、そしてミヤマウツボグサ。
コガネギク ミヤマウツボグサ
ハイオトギリが、雲の上に顔を覗かせた太陽の光を浴び始めました。
イブキトラノオも、やわらかい陽の光を浴びながら、微笑むような柔らかい表情を見せています。
お花畑の中に続く、散策路のような道を登ってゆきました。
オオバギボウシやハクサンシャジンが穏やかな表情で出迎えてくれます。
オオバギボウシ ハクサンシャジン
そして、ミヤマシシウドなどが咲き広がる斜面を登りきった先に、
大千軒岳のピーク(1071.9m)が待っていてくれました。
ゆっくりしたリズムで歩いても、1時間20分程の行程でした。
そうそう、頂上で面白いものを目にしました。
一等三角点測量開始百年記念碑です。
「北海道の三角点は1896年(明治29年)7月に選定された千軒岳、古都岳、八幡岳が最古です」
1996年(平成8年)6月、と記されていました。
でも、千軒岳と書いてあります。
大千軒岳との違いは何なのでしょうか?
大雪山というピークがないように、千軒岳とは、この辺り一帯の山域を指し、ピークは大千軒岳かな?と推測しますが、自信はありません。
ちなみに、古部岳(ふるべだけ)は渡島半島南東の亀田半島に位置する山で、標高691.06m。
八幡岳(はちまんだけ)は渡島半島の、上の国町と厚沢部町の境界線上に位置する山で標高664.61mです。
一等三角点の選定は古部岳が最も古く、明治29年7月4日、千軒岳が明治29年7月18日、八幡岳が明治29年7月23日だそうです。
最近、こんなトリビアなことが、とっても気になります。
そして明治29年、アテネで第一回の夏のオリンピックが開催されています。
そんなこんなで、何だか、大千軒岳から予期せぬお土産を頂いたような気分です。
短い距離で、楽ちんな割には、ほんと、印象深い山行となりました!
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