今回の旅の主な目的はシンガポール植物園とペナン植物園を訪問することでした。
ペナン植物園では熱帯石楠花を期待していたのですが、その姿に廻り合うことはできず、石楠花は幻と終わってしまいました。
ペナン植物園では来園者に植物を分かり易く展示するという方針はないのでしょうか。あるいは、人件費が十分ではなく、職員不足なのかもしれません。
私は日本で、10年以上に亘って200ヶ所以上の植物園や公園を訪れ、花の写真を撮り続けてきましたが、日本では殆ど全ての植物園において植物に名札が付いています。
それが当たり前だと思っていたのですが、上海、シンガポール、そしてペナンにおいても、日本程には丁寧に植物にラベルが付されてはいませんでした。今回もまた、日本では当たり前なことが、他国ではそうではないことを、改めて認識させられたのです。
もっともこれで、全世界が同様だろうと考えるのは危険です。元々植物分類学などというものはヨーロッパで発達してきましたので、欧州では更に様子が違う筈です。
10年以上も昔のことですが、オランダで植物園を覗いたときは、確かに個々の植物にはラベルが付されていました。
残念なことに、ペナン植物園では期待していた通りの成果は得られませんでしたが、しかし、それでもやっぱり植物園廻りは楽しいものです。
熱帯植物初心者の私にとっては見るもの全てが初体験でしたし、何と言っても花や木が植栽、整備された場所を散歩することだけでも、とっても気持ちが良い。
坂道をゆるゆると下ると、上循環路と下循環路の合流地点に出ました。そこから更に進むとお猿さん達が木陰で遊んでいました。
この辺りではキャノンボール・ツリーが名札を付けて花を咲かせていました。
当然に、私は三脚を立てて、気のすむまで花の姿をフィルムに収めたことでした。
ペナン植物園を出て振り返ると、正門横の高木に紅紫の花が咲いているのが望めました。背後には豊かな森も横たわっています。
正門前の広場には見慣れた車体に10番の路線番号を表示したバスが出発時刻を待っていました。
私はワンマンバスの運転手に2リンギを払い、車中の人となりました。
タクシーとは違って、バスは長閑にあちらこちらの町を廻りながらジョージタウンの町へと帰っていったのです。
※他の記事へは マレー半島 花の旅 index をご利用いただくと便利です。
他の旅の記事へは 旅の目次 をご利用下さい。