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ランズ・エンドは風の岬

2012-07-05 05:32:53 | イギリス一周 花の旅

 ランズ・エンド(Land's End:地の果て)に到着しました。

 

 

 強烈な風が、休みなく海から吹き付けていました。

 

 まともに立って居れないほどです。

 

 見下ろす海に立ち尽くした岩へ、容赦ない白波が叩きつけます。

 

 そのあまりの激しさに魅せられ、私はしばらく岩と波から目を離すことができませんでした。

 

 ランズ・エンドの崖の上の白いホテルが風に晒されていました。

 青い空と海に白壁が映えます。

 

 

 何の目的でしょう、円形の小屋が海崖ギリギリに建てられていました。

 

 風が強すぎるので、崖の縁の小屋へ近づくのがはばかられます。

 

 

  穏やかに晴れ渡った空の下で、風と波だけが荒れ狂ったように吠え続けていました。

 

 振り返れば、遮るものもない、獏とした草原が広がっています。

 

 

 ホテルの左手にグリーブファーム(Greeb Farm)と標された門があって、その先に建物が見えます。

 

 簡易舗装された路を歩いてみました。

 

 

 わずかに凹んだ谷に透明な水が溜められています。

 

 石小屋の前で雄鶏が風を避けるように、陽を浴びていました。

 

 母屋では皮のベルトやメダルなどの記念品を手作りしていました。

 

 

 

 海に沿って伸びる小さな尾根に、柵囲いした放牧場があり、牛や羊がのんびりと草を食んでいました。

 

 

 今来た路を振り返ると、ホテルが海風の中で、岬にへばりつくような姿を見せています。

 

 

 

 谷横の尾根へと続く、踏み分け道を歩いてみました。

 

 尾根の上は、とてつもない風が体ごと持って行きそうに吹きすさびます。

 

 尾根の下では、白波が怒りをあらわに岩を洗っていました。

 

 

 そんな小路で、アサツキが愛らしいピンク色の花を咲かせていました。

 

 

 

 地の果てには花が咲きます。

 

 

 昔、若かりし頃、雷雨の中で登攀した北の岩壁で、ピンクのタカネバラが風に揺れた姿を想い出しました。

 

 木や草や人は、厳しい風の乏しい糧の中でも、美しい花を咲かせられるようです。

 

 

 ランズ・エンドの風の中で、若い二人が肩寄せ合いながら歩む姿を見かけました。

  

 

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