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地の果ての最初で最後

2012-07-04 16:13:39 | イギリス一周 花の旅

 イギリス南西部のコンウォール半島を西へ向かう幹線道 A30を走り続けました。

 

 前方にフラットな地形が広がっていました。

 

 

 

 しばらく走ると樹木茂る地域に入り、小さな街が現れました。

 

 イギリスでは、人が暮らす場所に、樹が茂っていました。

 

 樹々が育つような、居心地が良い場所に街を作るのでしょうか。

 

 いや、もしかするとイギリスでは、数百年に及び、街の周囲の木々を切り倒して、森や林を牧草地に変えてきたと思います。

 

 多分、後者のほうが真実に近い気がします。

 

 車はペンザンス(Penzance)の街に入りました。

 

 

 こじんまりとした街で、人はのんびりした雰囲気を漂わせ、車もスピードを落として、遠慮がちに通り過ぎます。

 

 

 

 あっと言う間に街を通り過ぎました。

 

 

 道路はその先でどんどん細くなり、しばらく草原を走ると、教会に続いて、数件の民家が建ち並ぶ村に入りました。

 

 セネン(Sennen)村のようです。

 

 

 

 教会の隣の、白い家は「イギリス最後の宿(Last inn in England)」の看板を掲げていました。

 

 つまり「この先にもう宿はないよ」とアピールしています。

 

 「コンウォール地方の地ビールが飲めます」とも記されていました。

 

 教会の入口に、この教会は西暦520年に建立された、と記されています。

 

 この建物が西暦520年に建てられたかどうかは別にして、紀元前1世紀に、コンウォール半島の付け根のバースにローマ人が渡来していますので、根拠のない話ではない筈です。

 

 宿の玄関に「名所 最初で最後(First & Last)」と記されていました。

 

 いいですね、こんな表現。 

 

 「海からの人には最初の地、そして陸からの人には最後の地」

 

 至極当前の内容ですが、同一事象を常に前後左右から見定める意識、とでも言うのでしょうか、

 

 民主主義の基本理念に通じる、自己と他者の目を常に意識する思考態度から出た言葉、と思うのですが如何でしょうか。

 

 私の中に、共鳴するものがあります。

 

 

 そして視線を巡らせれば、セネン村の周囲に獏とした平原が広がっていました。

 

 

 

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