3月8日
カメラに三脚を携え、ゴレパニの宿を朝5時過ぎに出発しました。
村のGH(ゲストハウス)に明かりが灯ります。
手にしたライトの僅かな明りを頼りに、闇の中へ歩を進めました。
北の空では、アンナプルナ・サウスとマチャプチャレが影絵となって、空と大地を隔てています。
目指すのはプーンヒル3210mです。
標高2858mのゴレパニから350mほどの標高差を登ります。
何時の間にか、私の前後にプーンヒルの頂きを目指すトレッカー達の列ができていました。
木立に挟まれた登山道を登って行きました。
周囲の山々が夜の闇から目覚め始めました。
急がなくては。
ゴレパニを出発してから約40分、展望塔の建つプーンヒルの頂きに到着しました。
見渡す限りの空に雲一つ見えません。
夜明け前の微睡みを楽しむかのようなダウラギリが西の空にたたずみます。
コンデジ(コンパクトデジカメ)のズームを利かせましたが、ダウラギリの青白い顔に、表情を読み取ることはできませんでした。
北の空に微睡むアンナプルナ・サウスも同様でした。
逆光の中のマチャプチャレは、コンデジのオート機能ではピントを合わすことすらできません。
しかし朝は確実に秒を刻み、微睡みの時を刻々と過去へと消し去り、空の青さに光が加わります。
そんな空に突然、何かを予兆するかのようなスペクタクルが現れました。
ピークに集うトレッカー達に静かなどよめきが広がりました。
そしてまさにその時、地球生誕後46億年目の朝が、ダウラギリの頂きから始まったのです。
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