ミズーリ植物園の中に北米最大級の日本庭園があります。
この庭は1972年に日系アメリカ人市民同盟が、ミズーリ植物園に日本庭園を設けることを提案し、全米芸術基金やミズーリ州、日本万国博覧会記念協会などからの財政支援を得て、1975年にミズーリ植物園に寄贈したそうです。
私は予備知識を持たずに訪問したのですが、思いがけずにアメリカで純和風の庭園に出合うことができました。
水を巡らせた情景の中に、花や木々の緑を調和させる造園技術は本当に素晴らしいと感じました。
それは決して、身贔屓ではないだろうと思えます。
ハナミズキが満開でした。
枯山水の庭にツツジが鮮やかでした。
池に面した四阿では、アメリカ人の老夫婦が、移ろい行く春を味わうかの様に、水面を眺め続けていました。
日本庭園の枯山水のように、無駄を削ぎ落とす手法で、想像力を惹起させる庭に、アメリカ人も日本人同様に心を動かされるようです。
静けさを味わう感性に、アメリカと日本の人々に違いは無いのだとも思えました。
セントルイスブルースに日本人が心動かされるように、津軽三味線に感動するアメリカの人々もいるようです。
美しいものや、感動できるものに触れ続けて、「美の普遍」が判断できる目が持てるようになれば嬉しい限りです。
それが可能であるなら、今から10年や20年の歳月を掛けても、ちっとも惜しくない気がします。
宗教や慣習などの呪縛から逃れ、美しいものをそのままに、フィルターなしで判断できるようになりたいものです。
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