トレッキング手続きを行ったネパール観光局は、宿泊しているGH(ゲストハウス)から2km程の距離があり、タクシーを利用するのが一般的です。
しかし今回、私は自転車でネパール観光局を訪ねました。
と云うのも、昨日のうちに市内中心部の観光をほぼ終えていたので、今日は周辺部へ行動範囲を広げるつもりでした。
ガイドブックには、市街周辺部への情報として、タクシー料金の目安が記載されていますが、私はネパールのタクシー交渉が苦手です。
ネパールのタクシーは、必ずと言っていいほどに吹っかけます。
分かってはいますが、相手の言い値を鵜呑みにすれば愚かですし、さりとて不当に値切るのは気持ちの良いものではありません。
日本人は殆ど私と同じらしく、ネパールのタクシードライバーに「みんなとても良い人達ばかり」と思われているようです。
日本語で「カモ」と評されるに似た状況のようです。
バスは、路線や停留所が分からないので、ネパール語が理解できない私には手が出せません。
そこで、嫌な思いをせずに、気ままに効率よく移動することを優先し、レンタサイクルを選択しました。
GHのオーナーに仲介してもらい、近所の貸自転車屋さんで、変速ギア付きのサイクリング車を、1日500Rsで借りることができました。
ネパール観光局は10時から受付なので、9時半過ぎに、貸自転車でGHを出発しました。
ネパールの交通は日本同様、車は左側通行です。
カトマンドゥ市街の道路は相当混雑していました。
車線規制などはなく、右折する時は、後ろから来る車やバイクに細心の注意が必要です。
しかし、トップギアにセットした自転車で、バイクと競うように市街を走り抜ける爽快感は格別でした。
ふくらはぎに心地好い張りを感じながら、風を切ってカトマンドゥ市街を駆け抜けました。
レンタサイクルを他者にも勧めるかと問われれば、誰にでもお勧めできるとは思いませんが、反射神経に自信のある方は、是非試してみて下さい。
自由気儘に、ネパールの風を感じてペダルを踏む心地よさは、言葉に尽くせぬ想い出が残るはずです。
ネパール観光局に10数分で到着しました。
先のブログにも書いた通り、トレッキング手続を恙なく終わらせ、自分の部屋に書類を保管するため、GHへ一度戻ることにしました。
既にカトマンドゥ市街の概要が頭にありますので、ホテルへ向かって、適当に自転車を走らせました。
しかし、昨日歩いて知った街と、自転車で移動する距離感に相当のギャップがあったようです。
気付くと見知らぬ坂を下り始めていました。
「変だな! 市内に坂道などなかった筈なのに?」と訝りながら進むと、橋に出ました。
橋の中央に立って周囲を見回すと、右手奥に雪を被った山が見えました。
と云うことはあっちが北です。
ガイドブックの市街地図で現在地を推測しました。
どうやらタメル地区の南側を突き抜け、街の西を流れるヴィシュスマティ川に出たようです。
正面の丘の頂に何やら白い仏舎利のようなものが見えています。
多分あれがスワヤンブナートでしょう。
よし、「このまま行ってしまおう」と、自転車をローギアに変えて坂道を登り始めました。
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