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青い空の日の夜祭

2015-08-29 00:03:21 | 東北漫遊 花の旅

 

 男鹿半島の南海岸に沿って気ままなドライブ続け、入道岬にやってきました。

 

 何処の岬も、その先は空と海が広がるばかりなのですが、それぞれの岬ごとに、こんなにも印象が異なるのは何故なのでしょうか。

 

 いつも見るのに、いつも見果てぬ空と海の広さ、いつも見るのに、いつも移ろう空と海の青さが岬の印象を違えるからなのでしょうか。

 

 

 入道岬は北緯40度の天色のピアノ線上にありました。

 

 赤道がドならば、入道岬はファ♯を奏でるはずです。

 

 目の前の海と空に響く音色は豊かな音域へと広がる旋律を予測させます。

 

 振り返れば、北緯40度の緯線に沿って、世界を巡る旅へ誘うかのようなモニュメントが木立の中へと続いていました。

 

 誰かが「片雲の風にさそはれて 漂白の思いやまず・・・」と呟く声が聞こえてきそうな、そんな気がする岬の風景でした。

 

 

 

 男鹿に来ると寄らずにはいられない場所が寒風山です。

 

 寒い風の山とは、何とシュールな名前でしょか。

 

 寒風山は木が殆ど生えない、表面の大半を草に包まれた標高355mの低山です。

 

 しかし、低山でありながら頂からは360度のパノラマを楽しむことができ、目の前に浮かぶ白い雲を眺めながら、爽やかな風に吹かれていると、心の底まで、草原の空色の緑に染められてゆくような安堵感に満たされます。

 

 

 

 頂上には回転展望台や売店などがありますが、その横にユーモラスな表情のなまはげ君を見付けました。

 

 しかし、なまはげ君が「わるいごはいねが~」と叫びながら家々を巡ったとしても、こんな美しい環境に、悪い子が育つ筈はありません。

 

 

 

 寒風山でどれほど、風に吹かれていたでしょうか。

 

 青年よりも年嵩が増したと思える風貌の若者が、麓から自転車で登ってくる姿を眺めながら、何とか頂上まで辿り着ける様子に安堵して、再び秋田市内を目指すことにしました。

 

 もう少しで午後4時になります。

 

 ほど良いタイミングで寒風山を後にすることができました。

 

 

 

 

 

 今日は秋田港に、豪華客船のダイアモンド・プリンセスが入港していました。

 

 秋田市内の道路には観光バスが列をなしています。

 

 県庁前から続く山王大通りに、闇夜を照らす竿燈が連なり揺れます。

 

 この夜の竿燈は279本を数えたそうです。

 

 4種類ある竿燈のうち最も大きなものは高さ12m、重さ約50キロで、46個のちょうちんに飾られています。

 

 

 

 竿燈の横で、はっぴとはんてん姿の御嬢さんがバチを両手に大太鼓を精一杯叩く音が響き、笛の音と共に「ドッコイショー、ドッコイショー」の掛け声が通りにこだまします。

 

 差し手が額や腰で竿燈を支え、片手に持ち上げる妙技を披露すると、沿道から大きな拍手が沸き起こります。

 

 

 

 目の前で、○○幼稚園と記した竿燈を園児達が差し上げました。

 

 そうなのか!

 秋田では幼稚園児が竿燈を差すのです! 

 

 竿燈祭りは国の重要無形文化財ですから、次の世代へと伝承する工夫が為されているようです。

 

 このような土地にはきっと、「わるいごはいね」はずです。

 

 

 祭りは更に盛り上がり、大きな竿燈を撓らせて、見せ場を演出する名人芸が次々と披露されました。

 

 広い道路の中央にはスチールパイプを組んだ特別観覧席が設けられ、目の前へ倒れ掛かりそうな程に揺らぐ竿燈に歓声が上がっていました。

 

 

 20年以上も前に初めて竿燈を見た時は、風のある日だったので、竿燈が次々と倒れましたが、この日は風もなく、昼の暑さも和らぎ、絶好の祭り見物の夜となりました。

 

 

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