早朝の優しい大気の中でスイレンの花を満喫した後、国道4号線を北へ向かいます。
ナビに次の目的地、三春町法蔵寺を入力してありますが、この辺りは何度も来ているので、見覚えのある光景の中でゆったり気分のドライブを続けました。
途中で牛丼屋を見付けたので、ミニ牛丼に生卵掛けで朝食を済ませました。
普段の生活は、朝食は小さな茶碗のご飯と納豆や前夜の余り物で済ましているので、ミニ牛丼でも量が多く、花の旅から帰ると必ず体重が増えます。
三春町の法蔵寺は1289年(正応2年)の開山と伝わる古刹で、本尊の阿弥陀如来坐像の胎内に、鎌倉期の阿弥陀如来坐像が収められ、本尊、胎内仏ともに町の文化財に指定されています。
法蔵寺の境内では、鉢に植えられたハスが花を咲かせていました。
108種類のハスが200鉢育てられ、毎年7月最後の日曜日には蓮まつりが催されます。
三春町では大正11年に、国の天然記念物指定を受けた「三春滝桜」が有名で、花の季節は観光客で溢れかえりますが、今は静かな佇まいの町に、僧侶が庭を掃き清める竹箒の音が響くばかりでした。
三春町から県道を抜けて、二本松市へ、そこから福島市飯坂町「平野まるせい果樹園」のヒマワリを目指しました。
しかし、果樹園に着いてもヒマワリの姿が見えません。
果樹園の方にお聞きすると、今年は除染作業が入った為に播種が遅れて、ヒマワリの花は8月末の予定だそうです。
猛暑の中、市内のあちこちで、かげろうに揺れる仮設住宅姿を見かけました。
仙台市野草園に、12時を少し過ぎた頃に到着しました。
定年を迎えた年、月に一度は仙台で業界の定例会議があり、東京から出張していましたが、会議の後は、些細なことで目立ちたがるお山のボス猿対策などの打ち合わせで、仙台の社員と居酒屋で過ごす時間を持つことにしていました。
週末金曜日に会議があった時は、休日土曜日の午前中に野草園に来て、野の花を見ては英気を養ったものです。
200円の入園料が申し訳なく思える程に、野草園は四季毎の彩りと豊かな緑に包まれています。
当時は気付かなかったのですが、園内に入るとすぐに、大きな木の化石が目に入りました。
昭和48年に仙台市内の団地造成で掘り出された、セコイアかメタセコイアの化石だそうです。
メタセコイアのメタはギリシャ語で「~の後に」という意味です、と解説にありました。
そうか、知らなかったな~。
以前は花にしか目が向かなかったのですが、最近は樹木も見えるようになってきたので、野草園の景色が今までになく新鮮に思えます。
入口近くにモミの林がありますが、そこに「このモミの木は、野草園を造りはじめ(1951)のころ、高さ1~1.5mでした。それがこんなに成長したのです。モミは日本特産の木で、仙台地方が北限地帯となっています。」と掲示されていました。
1951年って、私が生まれた年なんですよ。
思わず見上げたモミは、十分な存在感を示しながら空を覆っていました。
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