グランドキャニオンを東西に見歩き、想定した場所に足を運び、満足した思いで時計を確認すると17時20分でした。
次の予定地はモニュメントバレーです。
しかし、ここからの距離は凡そ230キロ、東名高速で東京ICから浜松ICほどの距離があります。
日没に間に合うでしょうか?
取りあえずエンジンをスタートさせました。
グランドキャニオンの南側は、緩やかに傾斜した丘陵地帯で、鬱蒼と木々が茂っていました。
遠くに雪を被った山が見えています。
何山でしょうか。
正面は多分河岸段丘でしょう。
スケールの大きな、気持ち良い光景が続き、北海道の狩勝峠辺りの風景を思い出していました。
キャメロンで左折してステートハイウエーS64からS89に入ります。
すると突然、左手の砂漠に何やら大きな溝のようなものが見えてきました。
何だろう。
相当にスケールの大きな地形で、しかも、かなり深そうです。
広く平らな砂漠に忽然と出現した溝。
どんなに先を急いでいても、黙って見過ごす訳にはいきません。
舗装された道路を外れて、砂利道に入って行きました。
車の底にゴリゴリと岩が当ります、20センチほどの深さに、水の流れた跡が砂利道を横切り、無理をすれば車が嵌りそうです。
舗装道路から100メートル程の場所に車を止め、谷が見える辺りまで歩いてみました。
標識とか解説らしきものはありませんが、グランドキャニオン同様の構造と思われる砂漠の中の渓谷です。
谷は一体どれほどの深さがあるのか見当も付きません。
後で調べて分かったのですが、これはリトルコロラド川がペインテッド砂漠を削った渓谷のようです。
リトルコロラド川はコロラド川の支流で、全長507キロメートル!
アリゾナ州東部に源を発し、グランドキャニオンの北でコロラド川に合流しています。
ちなみに、日本最長の信濃川は367キロ、利根川は322キロです。
余談ですが、帰国後、筑波実験植物園へ行くときに利根川を渡りましたが、あんなに大きく感じていた利根川が小川のように見えたので「人の価値観や見方などは簡単に変わってしまうものなんだな~」と痛感した次第です。
リトルコロラド川の渓谷に驚かされた後、再び砂漠の中の道を走り始めました。
写真が代わり映えしなくて退屈でしょうか?
実は、私はこのように何もない場所に魅力を感じます。
そう、「こんな景色が好きなんです」
日常では見られない、異次元の光景に、絵画を見ているような思いがします。
ちょっと贅沢をしているような、感慨が胸の中に広がります。
しかし、そんな荒涼とした砂漠の所々で小さな小屋、キャンピングカーらしきものを目にしました。
地図を確認すると「インデアン居住区」と記載されていました。
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