里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ニッコウネコノメソウ 沢縁に自生

2017-03-27 | 日記
大和町吉田地区、根古川の南側にある枝沢に入ると、降雨の翌日ながら濁りのない
きれいな水が流れています。雪解けで増水した際に、泥や落葉を流したからなのでしょう。
数十メートル遡ると、流れの畔にネコノメソウが群生しています。
宮城県内には四五種類のネコノメソウの仲間が自生していますが、まだ識別ポイントを
十分に把握していないので、写真を持ち帰って種の同定をすることになります。
ちょっと見て気付いた点は、群生の密度が粗いことと、葉が少し細長いこと。
現地で小さな株を見るのと、パソコン画面で大きく拡大して見るのとでは、
後者の方が細かな部分まで観察できますからね。




                             二枚とも2015.4.16撮影

初めはイワボタン(ミヤマネコノメソウ)かと思ったのですが、これは分布域が関東以西
となっていますから、違うでしょう。
ニッコウネコノメソウもそっくりで、分布域が東北南部~中部地方の太平洋側とあります。
これなら矛盾がありませんし、花や葉の特徴が合致するので決まりですね。

茎頂の黄色いのは葉(包葉)で、花はその上に載っている黄緑色のチマチマしたもの。
小さな花びら状のものは萼片で、花びらはありません。
写真はまだ萼片が開く前の状態で、茎頂には花が3~12個付いています。


                                 2015.4.16撮影

ユキノシタ科ネコノメソウ属の多年草で、東北~中部の太平洋側に分布する。
イワボタン(ミヤマネコノメソウ)の変種。
草丈10~30cmで、山地の沢沿いの水湿地に自生し、日陰~半日陰を好む。
茎は紫褐色を帯び、茎に付く葉は対生し、茎・葉ともに無毛。
葉身は三角状楕円形で長さ5~15mm、葉脈には緑白色のかすれた斑が入る。
縁には尖った鋸歯があり、基部は楔形で2~10mmの葉柄がある。
花期は4~5月、萼片は淡黄緑色で花時にほぼ平開し、卵形で先は尖らない。
葯は若いときは暗紫色、後に黒色に変る。
花後は長さ30cmほどの走出枝をだす。


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