写真は先月行なわれた完成見学会の建物
先日の記事でもちらっと触れたのですが、平成19年6月20日から「建築物の安全性の確保を図るための建築基準法等の一部を改正する法律」(平成18年法律第92号)が施行されました。
先の構造計算書偽装問題を受け、建築確認が厳しくなったという認識でいいと思います。
具体的には確認申請・検査にかかる費用や期間が変わりました。
建築確認の際、1級建築士や大学教授ら「適合性判定員」による構造計算書の「再審査」を義務付けせられ
改ざん防止機能付きの計算プログラムも導入し
審査期間も21日間から最長70日間に延長
書類に不備があった場合、原則修正を認めず再申請しなければなりません。
つまり確認申請・検査の内容及び提出図書、審査機関とのやり取りについて業務の追加及び期間の延長が考えられますので確認申請に時間がかかるようになったのです。
2005年11月に発覚した姉歯問題(構造計算書偽装事件)により建物の構造に対する審査が強固になりました。
建物の安全性に関わる事で、人命にも関することですから法律を強化することは重要なことです。
あれから1年7ヶ月、政府(行政)としての対処としては早い方ではないかと思いますが、見切り発車で内容が吟味されていないように思います。
変更内容と問題点を簡単に解説します。
1 構造計算ソフト
構造計算ソフトが改ざんできるということで、今回は大臣認定ソフトの使用を求めるようですが、そのソフトがまだ完成していない。
(完成しても正しいのか検証できていない、また正しい根拠が解らない。)
2 確認申請の時間
民間指定機関(当時のイーホームズ)による確認申請審査の不備が問題になったが行政のそれも同じである。
しかし民間のスピードが手抜き審査、商売主義と言われ今後は必要以上に時間をかける事が当然となった。
3 確認申請の受付
確認申請の受付より許可までが最長70日間と定められているが、時間工作のため受付を行なわない。
4 計画の変更
計画(平面等)の変更を原則認めない。
以前は構造に関しない変更は軽微な変更として図面訂正を認めていたが、軽微事項の定義がハッキリしておらず、全て最初からやり直しになっている。
間取りを変更しようと思うと最初から申請をやり直さなければなりません。
大変なことです。
従って考えられる問題点として以下が挙げられます。
① 施工者は工事が先にすすめられない。(変更時点「申請提出時より」で工事中止)
② 施主は施工ストップ分の負担金がかかる。
③ 確認申請費用が高くなる。
④ 着工後の途中変更に時間とお金がかかる。
⑤ 住宅着工件数が前年比23%ダウン、仕事が減り、経済が低迷する。
⑥ 仕事が減る事で、業者の下等競争が起こり悪徳業者がはびこり手抜き工事が頻繁になるという危険性がある。
(さらに住宅の価格に関しては、品確法により住宅の保証が問題になっていますので、保証金の供託、保険等の義務化により住宅コストは上がると予想されます。)
建築業界はいまだ制度改正に適応できず、日本建設業団体連合会によると、改正法施行後の7月の受注実績は、前年同月比16.3%減の7320億円。
建材メーカーなどへの悪影響も懸念され、国は相談窓口設置など対策を取っているということですが、どうも今回の改正ではお客様(国民)に迷惑がかかり、行政には責任がないやり方を行なっているだけのように思えて仕方ありません。
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