『おや、翁さん、その格好はゴルフの帰りだな、いつもの歯科医師と？。陽気が良くなってきて、ゴルフも楽しいだろう、ハハハハ。昭和５０年頃のブームの頃に、里山に多くのゴルフ場が、車で３０分以内に１０数カ所？、ゴルフ銀座、手近でプレーが出来ていいわ。今日は田圃の取水堰と水路の清掃、いよいよ水田が始まるよ。まあ、皆さんが忙しく立ち回るのを楽しみに、ギャハハハ』
『おう、勇作さん、こんちわ、暫くです。春になり皆さんが動き出して元気な姿が見られるわ、恥ずかしながら、俺は昨年から無耕作者の仲間入り、でもね、農協の組合員だよ、ファハハハ。・・・・面白い話？、格別にないよ、毎日が刺激の無い日々、ここ数年は半径１５キロ以上は出たことがないな、７０年前の暮らしさ。電車の乗り方を忘れて、多分このままでお陀仏だよ、ギャハハハ』
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『行ってはみないが、翁さんの花木苑が綺麗だそうで、皆さんに楽しんで貰えれば無耕作地でも、ハハハハ。この頃はいろいろな仲間とバス旅行を、先日は草津温泉、その前は伊豆・熱川温泉、地理不案内で一人で出かけることはほとんどなく、こうした遊山が出来るのも６０を過ぎてからだよ。怖くて飛ばす新幹線には乗る気がしない、ギャハハハ。富士山を見たのは３度かな、ハハハハ』
『勇作さんの話は冗談半分だろうが、ビジネスには新幹線や飛行機も、旅には “狭い日本そんなに急いでどこに行く” だよ。俺は鈍行の夜行列車で旅をしたし、婆さんと一緒の温泉旅行も大半が一般道を走って、現代版膝栗毛だわ、ガハハハ。・・・・俺は田植えや稲刈りの経験もあるが、早苗が風にそよぐ水田が好きだな、時期には車を止めて眺めることがしばしば。俺の田圃は４０年前に町の保育園用地にだ』
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あとがき＝＝季節を追いかけ、季節に追いかけられ暮らしが動いている、自然に寄り添ってだ、ガハハハ＝＝放念の翁