「来年」を失わないために。

……来年があるってことは、ものすごく幸せなことやねんで。

ライブドア騒動に思うあの夏

2006年01月19日 | ノーモア2004年
ライブドアに強制捜査が入ったということで、連日報道されているわけですが、その時にいちいちあの2004年7月4日のホリエモン映像が流れるもので「どさくさまぎれに人の傷に粗塩塗りこむような真似しやがって」と暗~い気持ちになりつつついまたその頃の日記などを読み返している今日このごろ。

2004/06/30 ライブドア近鉄球団買収交渉正式表明
 全体的に無理に平静を装った空気に溢れていますが、冒頭で言いたいことを全部言っちゃった感じの記事です。

もー買ってバファローズが1チームとして残るんだったら
大阪ライブドアバファローズでも全然いいです~(泣)
藁をも掴みたいのよ。ライブドアが藁でもいいのよこの際。



今回のことで、「やっぱりライブドアに売らなくてよかった」とか「新規参入を認めなくてよかった」みたいな流れは必ず出てると思うんですけどね。
でも、私は「堀江貴文」本人ははどうしても好きにはなれないけれど、ライブドアがこの時期に球団買収の意思があることを表明してくれたことを今でもずっと感謝しているのですよ。

6月13日の発表からわずか3週間ほどですんなり決定されていたはずの、そして世間もすっかり「しょうがないんじゃない?」みたいな空気になっていた「球団合併」にとにかく一度は待ったをかけるキッカケになってくれたのだから。
「買うっていう企業があるのに何故合併を強行するのか?」
「何故売却ではいけないのか、本当に売却先はないのか?」
しょうがないんじゃない?と思っていた人にも疑問を持ってもらう隙間を空けてくれた。

パフォーマンスだろうがなんだろうが、赤シャツ着て外野席で北川の同点ホームランにファンと一緒にバンザイする、それを実際に体験してくれたのは事実だもの。


そりゃ、現実問題としてもしライブドアがバファローズを買ってくれていたとか、イーグルスではなくてフェニックスが参入していてこんな問題が起こっていたらものすごいおおごとになっていただろうから。「やっぱりライブドアでなくてよかった」と言われても仕方ないのだろうけど。
そのどさくさ紛れに「やっぱり合併して正解だったでしょ?」みたいな流れだけは勘弁願いたいものです。

てゆうかヒルズ族狙われてるっぽいので、楽天は大丈夫でしょうか…。それも心配だが。

というようなことをいつものようにぼつぼつ書いていたら、いつもお世話になってるこちらのブログでど真ん中の記事が上がってましたのでご紹介。

『Livedoor騒動』を出汁に球団合併を美化しないでほしい…(なにわっち's Weblog)
ロッテが「ライブドアスポーツ大賞」とやらを受賞しましたよ(Starless and Bible Blog)

合併は「成功」してしまった(一部追記あり)

2006年01月12日 | ノーモア2004年
ご挨拶が遅れましたがあけましておめでとうございます。
無事2006年を迎え「来年」を「今年」に出来たプロ野球ファンの皆さま、本年もなにとぞ宜しくお願い申し上げます。
更新頻度は遅いですが、これからも気になることには目を注いでいきたいと思います。


さて、年明け一発目からブルーになるような記事ですが……
普段、一般の新聞のサイトまで見て回っていないので知らなかったのですが、巡回先のマリンブルーの風さまで、讀賣新聞のこんな記事が紹介されていました。

これぞ統合効果 赤字が大幅減
 近鉄と統合したプロ野球オリックスの初年度の赤字が、当初試算した34億5000万円より大幅に少ない19億円台に収まったことが、29日明らかになった。清原和博選手、中村紀洋選手という“大砲”獲得に動いた背景には、こうした収支改善もあったようだ。

 一昨年に約37億円の赤字に苦しんだオリックスは昨年9月、統合初年度は34億5000万円の赤字という試算を公表していた。ところが、年間観客動員はリーグ3位の約135万6000人で、入場料収入が昨年の2・8倍となった。

 その理由について、ある球団幹部は、スカイマーク球場と大阪ドームのダブルフランチャイズ制を挙げ、「それぞれの球場の年間試合数が半減し、ファンの飢餓感が生まれて、1試合あたりの有料入場者が増えたのでは」と説明する。また、交流戦導入による巨人、阪神戦のテレビの放映権料も大きかった。

 支出では、岩隈久志投手ら近鉄に在籍していた高額年俸選手の何人かが楽天に移り、日本人選手の年俸総額は約1億円減少。大阪ドームの使用料も、近鉄時代の年間6億円から半分以下の3億円弱に抑えることができた。

 オリックスは日本一になった1996年に赤字幅が10億円を切ったが、最近は年間30億円を超えていた。大幅な赤字減らしで、47年ぶりの球団統合は一定の成果を上げたといえる。


不思議とこの記事そのものには腹が立ったりはしません。
あくまでも、人の心というものを考慮に入れなければ(ここに登場する数字が正しいものなのか特に検証はしていませんが)ごく客観的に見て確かに「合併は成功」したのです。
もっとも、合併に伴う効果のほかに交流戦やマリーンズの躍進によるビジター客の増加、巨人戦の放送権料なども含まれているのですから、赤字改善を即「球団合併の成功」と結びつけるのもおかしな話です。
けれど、この記事を読んだり記事を読んでいなくても単純にオリックスの赤字が大幅に改善と聞けば、するりと「合併は成功」したのだと判断するでしょう。
【追記】
非常に言葉足らずになっていて申し訳ありません。
最初にこれを書いた昨日の時点で、この記事の内容についてあまり詳しく検証したり讀賣新聞でわざわざこんな記事を書いていることの意味についてはむしろ深く考えることを避けていたような気がします。
もともと球団が自分で言ってる「赤字額」がどうせいい加減なものだという前提が頭の中ではできていたのですが…
そのあたりについてはなにわっちさんのエントリをご覧下さい。
この記事の主題はここから下に書いていることです。
【追記ここまで】


ただそれは、あくまでも経営上の話です。
それ以上に私の気持ちを重く重くさせていること。

あの合併球団は2年目を迎えます。
関西マスコミは記憶にないほど紙面を割いて清原や中村紀や谷の記事を掲載するようになりました。
また、仰木彬監督の死が球団のイメージアップに繋がったことは言うまでもありません。
(この表現は「良くない」かもしれませんが、実際にそうなのだから仕方ありません)
仰木さんの死を免罪符や美しい宣伝文句にしてるのは球団やマスコミや能天気なタレントOBだけではないのです。

「仰木さんのために優勝して欲しい」
「オリックスが強くなれば関西も盛り上がる」(本当か?)
「今年のオリックスは楽しみだ」
そんな言葉が浮かれたマスコミだけでなく一般の野球ファンの間からも聞かれるようになりました。
着実に「オリックス・バファローズ」は市民権を得始めているのです。



これが「合併成功」でなくて何でしょう?

どんなにファンが泣き叫んでも、とにかく押し切って実行してしまえばファン心理というのは結局選手を応援せざるを得ない。
そんな「合併成功例」にとうとうなってしまった。

歯痒い。もどかしい。腹立たしい。そして哀しい。

私のメインブログ「day by day」の記事で「合併が風化していくのが悔しい」ということを何度か書いたのですが、最近はこれは「風化」とは言わないと考えるようになりました。

風化とは忘れ去られること。

そうじゃない。
「合併したのは良い結果をもたらした」と考える人が増え始めているのです。
結局、合併して強くなって赤字も減ったなら良かったじゃない、と。

「風化」より全然悪いじゃないか。

※念のため言っておきたいのは、昨シーズン迷いながらBsを応援することを選択した人にはその人なりの葛藤があり、親会社を許したわけではないということは承知しております。でも、経営者たちは応援しているファンの心の葛藤などまるで見ようとしないで、ただ応援しているファンがいれば「許してもらえた」と判断するというのも確かだと思います。



私は先日、野球とは関係なしに大阪ドームで開催されていたとあるイベントを見に足を運びました。
ベンチの奥やブルペンにも入れたのですがその時は私の頭は完全に2004以前に戻っていたようで、ただブルペンに入れたのが嬉しくてはしゃいでいました。
けれど。
内野の通路の、2004年まではバフィの顔が描かれ近鉄の選手の顔写真が並んでいたコーナーが、オリックスのスローガンとBsの選手の顔写真に変わっているのを私は初めて見て───2005年の観戦時にはそこを通らなかったので───

これを私は直視できなくて、目を逸らして足早に通り過ぎました。
無理。絶対無理。

いまだにです。
イーグルスファンだと胸を張って言えるようになった現在ですら。



通路なので何度かこの前を通ったのですが、帰り際にやっと気付いてとにかく仰木監督のユニフォームの写真だけは撮影してきました。
尊敬する大好きな監督だからこそ、文句を言わせてください。

なんであんなにうまくやっちゃったんですか。
それでいなくなってしまうなんて、ずるいよ…。

なお、土曜日ですがスカイマークで催されるという追悼セレモニーには私は行きません。
福岡の方になら行きたいけど、そこまでも出来ません。
ところで同じ1/21にやるのは何か意味のある日なんでしょうか?
意味のある日なのだったら家で静かにご冥福を祈っていたいと思います。



さて、合併成功例が出来てしまいましたので………

今後、また経営不振などの問題が起こった時に「合併」という手法を使ってもなんとかなると経営者たちは学習してしまいました。

あなたの愛する球団は、大丈夫ですか?