「来年」を失わないために。

……来年があるってことは、ものすごく幸せなことやねんで。

ちょっと明るめのイーグルスの話、二題。

2005年07月15日 | 新規参入とか
いつも気が滅入るよーな記事ばっかりでもしょうがないので今日はちょっと軽め(だけど長い…)のお話。
day by dayの方ではゴールデンイーグルスの試合結果やら主に「チーム」の話題を書いておりますがこちらでは選手とか試合と離れた話題です。

実はあんまり経済の話はよくわからないのですが(笑)
楽天参入経済効果、宮城161億円 球場改修分加わる
「楽天」が新規参入で宮城県に本拠地をおいてから半年あまり。
それが宮城県にもたらした経済波及効果の再試算では、観客動員などの面で下方修正はあるものの全体では参入時点の試算を上回ることになったという記事です。

まず下方修正したという観客動員の件。
昨年9月時点では1試合平均18000人の動員を見込んでいたらしいですが、球場も出来上がる前の時点の話。
実際始まってみれば、18000人といえば現実問題ほぼ満員です。
フルキャストスタジアム宮城は本来22000人だか23000人(←調べろよ…)収容という話ですが、実際にそれだけの人数を入れると「座席」のない芝生席が満員電車状態になるのだとか。
だから開幕当初は「収容可能人数が2万2千人」にも関わらず入場券は1万7千枚ほどしか販売しなかったそうです。その後、当日券の販売や少しずつ「販売する入場券数」を増やしたんでしょうか、交流戦の巨人戦や阪神戦で続々と最高動員を塗り替えていました。
今季、先日の北海道日本ハム戦19800人あまりが最高動員だそうですがそれでもかなりギュウギュウだっただろうと思います。
ということで下方修正とはいっても、つまり参入時点のハコの大きさや拡販の方法など全く机上の計算だけで出していた読みの甘いものが基準になっていたわけですし。
で修正後は平均1万4千だそうで。あのキャパシティとあの成績でこれは立派でしょうね。

面白いのは、その「読みの甘い」筈の試算より、客単価が上回っているんですね。
フルスタに来たお客さん、楽天野球団が思ってた以上にお買い物してるようです。
私も行った時ちょっと貢献しました(笑)
グッズなどは初めて行った人は買うだろうけど毎回買うというわけではないだろうから今後も…というわけにはいかないかもしれないけど、カラスコグッズなど新製品が出れば欲しくなるのも人情です。
多彩なテナントや、手を伸ばし易い値段に抑えた軽食類など、食べ物持込禁止も気にならないくらい充実していますからそこで食べ物をちゃんと購入する人も多いのでしょうね。
他にも地方色豊かなテント売店など、お客さんが目移りしてお金を落とし易いようになっています。
そういう工夫が客単価の向上に繋がっているのかもしれませんね。

また、入場料ですが。
ご存じない方もいらっしゃるかもしれませんが、イーグルスは入場料のFC割引がありません。
(ファンクラブ会員の割引くらいつけてくれてもええやんかと思うのですが。ファンクラブのメリット少な杉)
ということは、せいぜい前売り割引くらいの正規入場料でお客さんは入場しているのですね。
確か、他の割引サービスといえば「おばんですチケット」くらいです。これはナイターで7時半以降は子供料金で入場できるというものですね。類似のサービスを実施している球団はけっこうあるのではないかと思いますが。
他の球場のことをあまり知らないのでついオリックスとの比較になってしまうのですが……
「もうすぐ100万人動員!」とはしゃいでいるオリックスですが、無料招待やどこででも手に入る割引チケットがなければいったいどれくらいのお客さんが来てくれているのだろうか、知りたいところです。

先日から始まった「フル天」などは効果的なのかどうかはわかりませんが、あれは千葉マリンスタジアムのライブステージなどを参考にさせてもらったのかもしれませんね。いかんせん敷地が狭いのでちょっと中途半端な気もしますがw
なにもかも手探りで始まった楽天野球団、実績や他球団のいいところをどんどん吸収して少しずつでも居心地よく、しかも地域にいい影響を与えるように工夫を重ねてほしいと思います。

来年は東北他県の試合も増やして東北全体にもいい影響を与えるようになって欲しいですね。


もういっちょ。
TV観戦は首位独走 宮城でCS放送契約数が急増
私は巨人戦の視聴率の低下が取りざたされ、それを「野球人気の低下」と見なすのはいいかげん時代遅れだろうと事あるごとに言っています。
で、地上波の視聴率の話ではなく、宮城でのCS契約件数の話題です。以下抜粋しますと。
スカパーは個人向けに2種類のプロ野球セット(月額3570円と2940円)を用意。県内の契約件数は6月末現在、計約2700件と前年比49.6%増となった。
 プロ野球人気の低迷などを反映し、前年を上回る地域は少なく、昨年、日本ハムの本拠地移転でプロ野球人気が高まっている北海道でも16%増。宮城の伸び率は突出している。
 ケーブルテレビでは、仙台市内の仙台CATVと宮城ネットワーク(キャベツ)の2社がCSデジタル放送を実施している。
 仙台CATVは楽天戦が見られる月額5040円のコース契約が、「毎月50―60件増えている」という。
 2コース(月額3990円と4515円)で観戦できるキャベツも「新規と他コースからの移行を合わせ、月500件ペースの増加」という好調ぶりだ。

大阪にあってケーブル導入してない私が言うのもなんですがorz
「地元」での関心度が非常に高いということですね。
まぁ、イーグルス主催試合のネット配信が、無料なのは音声だけで動画はアホ高いというのも関係してるんでしょうけど(笑)
もともと宮城での契約件数が他県に比べてどうだったのかは知りませんが、「今まではCSで見ようというプロ野球の試合はなかったけど、有料チャンネルででも見たい」という人がこれだけ増えたということですよね。

まー新規参入で「うちの地元」に球団がやってきたのにこんな反応でなかったら真剣に「野球人気はダメかも」と思うところですがw
「地域密着型」が浸透してきたんでしょ、とこの部分に関しては楽観的に嬉しく思えたりします。

そういえば、讀賣の滝鼻オーナーが、ジャイアンツ再建に関してこんなことを発言してました。

「てこ入れというか設計図というか、決めて何とかしないと野球人気自身がおかしくなっちゃう」


だから、「野球人気」じゃないでしょ。
おかしくなっちゃうのは「巨人人気」でしょ、と何度言えば。


【関連エントリ】
◆野球人気のジレンマ◆ day by day 3/4記事