昨日、私が所属する総務厚生常任委員会がありました。
いろいろ質疑したのですが、今回は、相楽東部広域連合の問題についてのやりとりを紹介します。他の質疑は後日にします。
とにかく呆れました。
まさに「聞く耳もたず」です。
町長は、9月議会に広域連合の規約を提案し、何が何でも来年4月に相楽東部広域連合をスタートさせようとしています。
しかし、連合の規約案が議員に示されたのも最近で、今回の連合の「目玉」である、教育委員会の統合についての検討の最終報告を見たのも、ついこの前。議員の多くが「拙速すぎる」との意見をあげていますし、今の段階で、到底、責任ある判断をできる状況ではありません。
ましてや、肝心の住民には、まだ何も説明もされていません。
とにかく、住民にわかるように説明をし、意見をよく聞きなさい!という話を町長に何度もしました。
町長は「住民の声を聞くのは大事だが」「心苦しいが」と言いつつ、
「説明は決まってからします」
そして、「住民に聞いて、聞いて、聞いて、・・・そしてそうします、しません、は無責任だ」と。「聞いて、聞いて、聞いて」と言うが、あなた一回も住民に聞いてないじゃないの?
さらに、「私らは専門的な観点から検討している」・・・まるで住民は何もしらないかのような失礼な言い方。町長の言う「専門的な人」は、京都府や国のようで・・・。「専門的な観点から検討して、政治判断する」・・・。
その政治判断はいつも正しいとは限らないし、より正しい政治判断をする上で、一番耳を傾けるべきは、和束町長であれば和束町民ではないの?
「いったい、あなたは誰に選ばれたのですか?国や府から任命されたのではないでしょう」と思わず言いました。さすがに、「住民から選ばれている」とは言われたけれども、選んでくれた住民の意見を聞くことは、やはりしないとの事。
町長が1期目に就任した年に策定した「第3次総合計画」という、和束のまちづくりの計画書があるんです。町長が自ら作った計画書の中にこんな言葉がある。
「いつまでもしあわせに生涯を過ごせるまちづくりを、すべての住民参加のもとに進めてまいります」
「住民がまちづくりに深く関わりや役割を担う事のできる、住民と行政の強いパートナーシップが何よりも重要です」
「今後は、情報公開の推進を基本として、計画段階から実施、評価に至るプロセスへの住民の参画のしくみを構築していく必要があります」
「計画から実施、点検、見直しに至る、まちづくりのプロセスを、住民と行政とのパートナーシップによって進めるしくみを築き、全員参加のまちづくりを・・・めざします」
この言葉と、今やっている事は矛盾しないのか?と聞くと町長は・・・
「執行体制については、行政がやること」だから、矛盾しない。
広域連合は、まちづくりを進める「執行体制」の形態だから、これのあり方に対しては、住民参加は必要ない。行政が決めた事に協力してくれれば良いという事らしい。
広域連合の立ち上げは、これからの和束のまちづくりをどうしていくかの方向性に関わる、そして、実際に住民生活に影響を及ぼす、まさに、まちづくりに深く関わる問題であり、まちづくりの主役である住民が主体的に関わり、声を反映していく事は当然のことではないのか?でも、町長にとっては違うようです。
住民自治というものを、町長が決めた事に、ただ協力してくれさえすれば良い、と、大変狭くお考えのようです。
教育委員会の統合についての「最終報告」で指摘されている問題点、特に、「教育現場と教育委員会が連絡、相談等を密に行えない場合がある。事件、事故、災害時等の緊急時において、きめ細かな対応が出来ない場合がある」との指摘は、子どもたちの命や安全にかかわる重要な指摘です。これらの問題への対策はあるのか、きめ細かい対応が確保される保障はどこにあるのか・・・について町長は・・・
「分室を置くことにしている」
「分室を置いても、そこにどれだけ人を置けるのか。今までどうりに体制を確保できるのか。そんな事できるはずないし、きめ細かい対応はできなくなるのは明確だ」と返すと・・・
「子どもの安全に責任を負っているのは学校であり、校長であるのは当然のこと」
と言う事は、教育委員会がどうなろうが、学校が責任持って子どもたちの安全を守れば良いって事?責任を学校と校長先生にふったわけだ。
子どもの命や安全について、教育委員会の果たす役割は大きいし、実際、教育委員会の職員の方が、夕方にパトロールしていただいたりしている。統合して、職員数が減れば、そんな事をする余裕さえなくなるし、ましてや分室なんかでは無理。
教育委員会が統合して、きめ細かい対応ができなくなる恐れという大事な意見を、「学校が責任持てばそれでよい」で切り捨てるとは・・・。
さらに、先日の新聞報道で、観光の事務も連合事務に入れる予定だったが、各町村のきめ細かいとりくみを進めるために、外したとの記事があったが、教育委員会の事務には、きめ細かさは必要ないのか、せめて慎重に検討すべき事ではないのかと聞くと、町長は・・・
「観光は、笠置が花火とか力を入れているなど、それぞれ取り組みにも違いがあるが、教育は共通する事が多いから1つにした方が良い」と。
これまでそれぞれの町村で努力されてきた「特色ある教育、学校づくり」を否定するのでしょうか。最終報告でも、「各町村の特色を生かした学校運営が損なわれる恐れがある」との指摘があったが、まさに現実味を帯びている。
結局、町長の頭にあるのは、「国や府の動向」と「お金」です。住民や子どもたちの姿はどこにもありませんでした。
こんな考え方で、広域連合を立ち上げても、決してよいものにはならないのは確か。
府や国にはほめられるかもしれませんが・・・。
とにかく「9月議会で提案は拙速すぎる。再検討を」と最後まで要望しましたが、何とか阻止しなければと思います。
近日に、この問題での「わづか民報」を出しますので、ぜひご意見をお寄せください。