しろくま日記

読んだ本の感想を記録してみたいと思います。
なんだか忘れてしまうので。

エンダーの子どもたち上・下 オースン・スコット・カード著 田中一江訳 ハヤカワ文庫

2013-08-05 | 海外SF
エンダーシリーズ4作目、正編の完結編でもあります。
オールタイムベストでは....ランキングに入っていない。

ネット上の評価もあまりよくなかいですが、「ゼノサイド」読了後どうにも欲しくなり、本書も他のカード作品同様絶版中のためamazonで探して購入しました。

上下とも100円以下+送料250円/冊です。

内容(裏表紙記載)
上:
スターウェイズ議会に対して叛旗をひるがえした植民惑星ズジタニアを殲滅し、同時にデスコラーダ・ウィルスが銀河に蔓延することを防ぐべく、議会は粛清艦隊を派遣した。艦隊の到着まであと数週間となり、ルジタニアに住む三種類の知的生命体-人間、現住種族ペケイニーノ、窩巣女王ひきいるバガーたちは、それぞれの形で生き延びる道を探ろうとするが・・・・・・「エンダーのゲーム」にはじまる壮大なシリーズ、待望の最新長編
下:
惑星パスでハン家の召使いをつとめていたシー・ワンムと、エンダーが<外側>のアイウアから生みだしたピーターのふたりはスターウェイズ議会に働きかけて粛清艦隊を阻止しようとする。さらにはアンシブルの停止により抹殺されようとしているジェインはもちろん、エンダーの子どもたちもそれぞれ問題に立ち向かおうとするが・・・・・・ヒューゴー賞とネピュラ賞二年連続受賞に輝いた、カードの壮大なシリーズ、待望の完結編。

読了後のとりあえずの感想。
「カード、ちょっと疲れちゃっあったかぁ...」なんだかとても淡泊に感じました。
この程度なら昭和の二線級日本SF長編と同程度か?などと失礼なことも感じました。

思い出したのが筒井康隆の七瀬シリーズ最終作「エディプスの恋人」、「家族八景」は面白かったんだけれど...超時空とか超存在的なものに逃げ、いや流れて解決してしまっているところが似ているかなぁ。

カードがあとがきで大江健三郎や遠藤周作の「深い河」に影響を受け「純文学」を試行していると書いていますが、なんだか高級そうな概念を出して登場人物にいろいろ語らせれば純文学になるのでしょうか...。
(勢いでブックオフで「深い河」かってしまったがいつ読むことやら)

SF的な仕掛けを丁寧に説明するという点が弱く雑な感じがしました。
正直エンターテインメントとしての出来はいまいちですが、さすがカード一応読ませはします。

舞台の一つに日本人が移住した惑星「神風」なるものも出てきて、都市は名古屋...。
ヤマト魂を語る哲学者が「オボロ・ヒカリ」、「あいまいな光」の意味だそうです、ノーベル賞効果でしょうか?

出てくる実業家がツツミ・ヤスジロウ...、その財閥の総帥がツツミ・ヨシアキ=セイジだそうです。
(先祖があちこちにゴルフ場を創って財産貯めたそうです...)

日本人には受け入れにくくなる要因かもしれませんね。
フィクションと思って気にしなければまぁいいんですが...まぁちょっと気になります。

ポリネシアの聖人も出てきたりしますが、「カード」の考える「東洋風」は「感じる」とか「直感」で物事が進んでいくのか、展開の説明やら動機づけやらが不親切に感じました。

というようなこともありながら、三千年の永きに渡った「エンダー」の存在は終わりを迎え、ある存在がそれを受け継ぎます。
無精生殖というか..無卵生殖というか...ねぇ...。

まぁとにかくすべてを円く収めて大団円になりまのでこのシリーズを読み出して肌にあった人はここまでたどり着くんでしょうね。
いまひとつシャッキリしませんがまぁ...。

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