・ 家族みんなで楽しめる西部劇。
アンドリュー・V・マクラグレン監督、ジェームズ・スチュアート、モーリン・オハラ共演による、牛を巡ってセントルイスからテキサスへの旅を描いた西部劇。
原題は、ずばり「レア・ブリード」で、英国から持ち込まれた角のないハーフォード牛を米国で広めようとした母娘と輸送を担ったカウ・ボーイの物語。雌牛は安く買い叩かれ、テキサスの牧場主から牡牛1頭だけが高値の2000ドルで買われる。無事テキサスへ到着し種牛として子孫を残すことができるか?が粗筋だ。
この牛は娘ヒラリーからビディという名を付けられ、まるでペットのように可愛がられている。つぶらな瞳でフワフワなアフロヘアがとても愛くるしい。
現在ならおそらくそのままの題名で公開されたと思うが、邦題は牛の集団暴走シーンを連想させる「スタンピード」。地味すぎると感じた配給会社の思惑でこのワンシーンから命名されている。
主演のJ・スチュアート57歳、モーリン・オハラ45歳の共演は恐らく2回目で、2人を見慣れたファンにとても異色の取り合わせ。
荒々しいセントルイスの牛売買に現れた美しい英国未亡人と晩年を迎えようとしている善良なカウボーイという役柄がぴたりとハマって、観客は悲劇が起こらないことを願いながら見守ることに。
敵役が悪徳牧場主から雇われたジャック・イーラムとハリー・ケリーJrで、根っからの悪ではないためJ・スチュアートがガンマンでなくても恐怖感は感じさせない。酒場での派手な殴り合いがあっても撃ち合いがあってもコミカルなシーンとして観られる。
むしろ怖いのは大自然の脅威。邦題となったロングホーン牛の暴走や馬車の疾走など、西部劇ならではのシーンが3人を襲う。因みに馬車のシーンではスタントマンが犠牲となっている。ようやく辿りついたテキサスはハーフォード牛にとって、零下30℃の過酷な冬を越すことは至難の業だ。
2人の関係に割って入るのが買主のボウエン牧場主。顔中髭を生やした牧場主の前身は意外な人物だった。ブライアン・キースが楽しそうに演じている。
<アメリカの正義 J・スチュート>にとって何の違和感もないこのカウボーイ役は、彼のキャリアでは埋もれがちだが<夏休み家族揃って観るにはもってこいの作品>だ。
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