晴れ、ときどき映画三昧

『ガン・ファイター』 80点





ガン・ファイター


1961年/アメリカ






R・アルドリッチ、D・トランボがK・ダグラスの魅力を際立たせた





プロフィール画像

shinakamさん


男性






総合★★★★☆
80



ストーリー

★★★★☆
80点




キャスト

★★★★☆
85点




演出

★★★★☆
85点




ビジュアル

★★★★☆
80点




音楽

★★★★☆
80点





ハワード・リグスビーの原作を「スパルタカス」の脚本を描いたダルトン・トランボが脚色、「ヴェラクルス」のロバート・アルドリッチが監督した西部劇。2人の共通点は<赤狩り>でハリウッドを追われ苦労しながら名誉回復して蘇り大活躍したこと。そのキッカケとなった両作品に出演していたのがカーク・ダグラスである。
主演はロック・ハドソンで、妹の亭主を殺した男を追ってメキシコへきた保安官。そのお尋ね者をK・ダグラスが演じている。
元南軍兵士のジョン・ブレッケンリッジがメキシコからテキサスへ牛1000頭をつれて行く途中トレス・サントスの酒場でトラブルに巻き込まれ射殺されてしまう。雇われていたストリブリング保安官とお尋ね者オマリーの2人が町に向かったが間に合わなかった。
2人は国境を超えるまで互いの因縁を抑え牧童たちを従え未亡人ベルと16歳の娘ミッシーを助けながらテキサスへ向かう。
決着を付けなければならない2人はベルを巡ってもライバルだった。娘のミッシーはオマリーに想いを寄せ、レディを装う。4人の複雑な関係が、骨太な作品が真骨頂のアルドリッチにしては極めてオーソドックスに進んで行ったのはトランボの脚本に忠実だったためだろう。ミッシーの意外な事実もさり気なく描写してドロドロした感じではない。感心させられたのは砂嵐のなか牛が疾走する迫力ある映像で、さすが本格西部劇を思わせる。
アルドリッチは主演のR・ハドソンよりK・ダグラスを魅力的に仕立てていて、恋人ベルを訪ねるが夫がいて想いを打ち明けられず、未亡人になってもライバルに奪われそうになる設定。衣装も黒ずくめでスタイリッシュなベストもお洒落。主題歌「黄色いドレスの少女」まで唄わせている。長身で正義漢溢れる保安官役の2枚目R・ハドソンが、まるで敵役のようだ。
2人に愛されるベル役のドロシー・マローンも美しいがミッシー役のキャロル・リンレーがとてもキュート。
リオグランデ河のほとりでの終盤は見応え充分なこれぞ西部劇ロマンで、かつて<陰鬱な西部劇>と批評されたアルドリッチらしくない作品だった。アルドリッチ、トランボのファンにとっては<らしくない物足りない作品>ともいえる。




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