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文科省と外務省の怠惰で中韓に媚びる歴史教科書 自国の主張教えなければ国益守れない

2017-06-15 19:36:11 | 歴史
文科省と外務省の怠惰で中韓に媚びる歴史教科書 自国の主張教えなければ国益守れない


http://www.zakzak.co.jp/soc/news/170615/soc1706150008-n1.html




 最近、『世界と日本がわかる 最強の世界史』『日本と世界がわかる 最強の日本史』(ともに扶桑社新書)という拙著を刊行し、売れ行き好調だ。「世界が納得し、中国や韓国も黙る日本国家の正史」という触れ込みである。日本国家の外交的主張を、リベラルな人たちも含めて世界で通用するように論じた史書がないことを、憂いて書いたものだ。


 子供たちが学ぶ歴史教科書を見ると、推古天皇以前の天皇の名前は書かれていない。やや保守的と言われる一部の教科書だけで、仁徳天皇の名が大仙古墳(かつての仁徳天皇陵)の中で紹介されたり、神武天皇の名が歴史でなく「神話」として登場するにとどまる。



 今年2月ごろ、聖徳太子の名が一時抹消されると話題になった。後世になって使われた固有名詞や用語を、統一方針として排除して当時の名称にこだわるなら、太平洋戦争をやめて大東亜戦争にしなくてはならないから、首尾一貫しているわけではない。天皇の名前などは、宮内庁が使っているようにすべきだ。


 古代日本は朝鮮半島南部を支配し、任那(みまな)と呼ばれていた。中国や韓国の史書にも記述があっても、「韓国が嫌がるから」と教科書に書かれなくなってきている。



 社会主義国家の中国でも、建国の経緯では三皇五帝を紹介している。逆に、中国の皇帝が周辺諸国の国王を任命した「冊封(さくほう)体制」など、中国の教科書にすら登場しないのに、「媚中学者」の意見に従い、東アジアの国際関係の基本秩序だと強調されている。


 外交史については、どこの国でも自国の政府がとっている認識を国民が共有するよう教科書は書かれている。中国や韓国の意見に同調する学者や、逆に東京裁判などについて政府より否定的に見る保守派の意見も、異論として紹介するに留めるべきだ。



 外務省が、中国や韓国に媚びて、領土など外交関係につき「正史」的な考え方をまとめていないのはおかしい。島根県・竹島など、記述をためらうべきではない。文部科学省が、専門分野ごとの学者の気ままな縦割り論理に従うのも、根本的に間違っている。



 日中韓がともに、お互いの立場も教えるのなら一案である。だが、中韓の国民は自国の主張を子供のときからたたき込まれる一方、日本人は教えられたこともないのでは、国益は守れない。


 中韓の地名や人名について、「現地読み」か「日本語読み」か、地理と歴史でも、各分野の学者の気まぐれでバラバラの扱いがされている。政府が方針を決めるべきであり、文科省も外務省も怠惰と言うほかない。





 ■八幡和郎(やわた・かずお) 1951年、滋賀県生まれ。東大法学部卒業後、通産省入省。フランス国立行政学院(ENA)留学。大臣官房情報管理課長、国土庁長官官房参事官などを歴任し、退官。作家、評論家として新聞やテレビで活躍。徳島文理大学教授。著書に『世界と日本がわかる 最強の世界史』(扶桑社新書)、『蓮舫「二重国籍」のデタラメ』(飛鳥新社)など多数。








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