視人庵BLOG

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科学技術インタープリター養成講座修了証

2008-08-08 02:20:20 | 星望★雨読
4月から7月まで受講していた科学技術インタープリター養成プログラム社会人講座の修了証が送られてきた。

全7回の講義。
1) 黒田 玲子(大学院総合文化研究科教授)
  『医療の進歩と社会』
2) 松田 良一(大学院総合文化研究科准教授)
  『「羊水」は教えられているか?-日本と諸外国の生物教育比較』
3) 嶋田 正和(大学院総合文化研究科教授)
  『科学技術の社会的受容:GM作物の開発と許認可体制をめぐって』
4) 石浦 章一(大学院総合文化研究科教授)
  『意識を分子で語る』
5) 廣野 喜幸 (大学院総合文化研究科准教授)
  『脳科学と社会-脳科学リテラシーの観点から』
6) 村上 陽一郎(本プログラム特任教授)
  『物質・生命・意識』
7) 藤垣 裕子(大学院総合文化研究科准教授)
  『生命科学における科学の公共理解の市民参加モデルについて』

生命科学や遺伝子操作技術について漠然とした知識しかなかった小生にとって,その進歩の速さについていけない自分と、その社会的影響力の大きさに愕然とした次第。
と、同時に生命科学研究や遺伝子操作技術開発の政府の政策へ、市民の側からどのように関われるかの事例(例えばイギリスにおける市民陪臣員制度:注)も知ることが出来、ある種の絶望感のみで終わらなかったのはよかった。
だが昨今騒がれている"食の問題"と密接な関係があるGM作物に関しては国際経済・政治の問題だと思う。
これは日本国民の科学リテラシー向上だけで解決する問題ではない。

ひとつの国の中のみでは解決出来ない問題。
過去の例でいえば、当時の日本の対外政策の良し悪しはとりあえず棚にあげて、太平洋戦争前の英米による石油封鎖や、第一次大戦直後のドイツ、ワイマール共和国への戦勝国の政策による、ドイツ経済の貧窮、国民の不満の鬱積。
世界の「GM作物」政策の動向は、
実は世界の食料生産高は、現在の地球上の人間を飢えさせないのに充分な量が確保されているという状況での、食料分配の不平等という現実への、国際政治、社会への不満、幻滅感の増大に結びつくような気がしてならない。

 文科省振興調整費採択課題の事業である、この講座を受講出来、そして終了証をいただいて、さて小生が社会になんの貢献ができるかと考えると、現状ではまったく思いあたらない。
とりあえず還暦を迎えた一老人の意識を変革したことで良しとしていただこう。
ご教授していただいた諸先生、レポートを添削していただいた先生、ありがとうございました。

注:
社会人のための東大科学講座 科学技術インタープリター養成プログラム 講談社 2008年刊
 P159 わかりやすさとは何かー「科学の公共理解」論より 藤垣裕子
参照 

社会人のための東大科学講座 科学技術インタープリター養成プログラム
長谷川 寿一,黒田 玲子,村上 陽一郎
講談社

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資料:
公開資料
「公共技術のガバナンス:社会技術理論体系の構築にむけて」


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