視人庵BLOG

古希(70歳)を迎えました。"星望雨読"を目指しています。
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「羊水」は教えられているか?

2008-05-11 20:57:05 | 文化
東京大学科学技術インタープリター養成プログラム
第2回は松田良一先生の『「羊水」は教えられているか?-日本と諸外国の生物教育比較』

某若手歌手のラジオでのコメントが一時世間を騒がした事件から、今の高校生は高校で「羊水」のことを教えられているかをキーワードに日本の高校生物教育について講義した。

以下メモ書き

1.中学卒業生の9割は高校に進学する
2.「羊水」は学習指導要領にのっていない
3.市販されている高校生物Ⅰの教科書(検定教科書)6種類のうち
  「羊水」の記述を人体から説明しているのは1種類のみ
4.海外の高校生物教科書内容との比較
   以下配布されたパワーポイント資料から
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高校生物教科書内容の国際比較
米、英、仏、蘭、中国、韓国、ギリシャ、チェコ、は
・ヒトの健康にかかわる問題を生物学的に記述している
 (例)がん、妊娠、避妊、感染症、環境問題
  ー>生物を学ぶ動機になる

日本は
・ヒトの健康にかかわる問題を極力避け、純生物学的
 記述に終始ー>生物を学ぶインセンティヴに欠ける

・生物と保険体育の分離ーHuman Biologyは保険体育の管轄
  ー>保険体育には科学的説明がすくない

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5 講義中に回覧された日米の教科書比較
  日本の教科書は軽く持って歩ける(内容は乏しい)
  米の教科書は重く内容も豊富
  (ただし生徒は学校のロッカーにいれっぱなし)
  日本の場合は生徒が購入するため低価格にする必要
  があり、米は教科書は学校の備品というシステムの
  違いもあるようだ。

6 日本以外の教科書には人間の性に関する事項、妊娠、
  避妊、感染症等、高校生の非常に関心のある事項を
  写真、イラスト等を豊富に使って説明している

7 松田先生は教科書に記述されているレベルまで各国
  の授業で教えているかは疑問だが、生徒たちは
  教科書を渡された時、自分たちのもっとも関心ある
  ページ(性に関するページ)は必ず視る、
  それが大事と話されていた

  確かに教師が教えなくても教育効果はありそうだ。
  
  
今まで高校の生物教育のことなど知りたいとも思わなかったし、考えたこともなかった。
今回のテーマも悪戦苦闘しそうだ。

参考資料:
高校生は何のために生物を学ぶのだろうか(松田良一著)
「遺伝」別冊21 P219

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