セレネでお茶しませんか?

このブログをご覧の皆さまへ セレネから愛をこめて・・・

は ん な り

2018年09月25日 | 雑貨・クラフト

 

数日前、こんなに繊細なアクセサリーがセレネに入荷しました。

 

金沢の工芸品です。

金箔の製造に使われる極薄の和紙(女性のお化粧直しに使うあぶらとり紙といった方が

分かりやすいですね)、「箔打紙」を鶴の形に折って、そっと、そっと樹脂でコーティング。

まるでガラス細工のようですが、ちゃんと折ってあるんです。

アクセサリーを染める色にもこだわりがあり、「加賀五彩」黄土、臙脂、草、古代紫、藍が

彩色されています。

ストラップや、ピアス、イヤリングなどがあります。

こんな繊細なピアス、イヤリングが耳元でゆれてると貴方も私も は ん な り美人

 

次にご紹介するはんなりグッズはこれぞ「はんなり」の本家、京都で作られた

「胡粉ネイル」です。

京都で260年以上続く顔料屋「上羽繪惣」が爪に優しい胡粉ネイルを作りました。

ホタテ貝の微粉末から作られているので、通気性もいいそうです。

それぞれ日本の伝統色の名前が付けられており、魅かれる色ばかり。

どれも試したくなります。

歴史ある顔料屋さんを彷彿とさせる独特の白狐のマークも素敵です。

 

最後は自己申告 は ん な り

美術館カウンターの後ろにある本の中に挟んであった朝顔の押し花

(和楽という雑誌から出てきました)

毎年、夏にセレネで朝顔展を開催してくださる朝顔博士の中村氏に

数年前に、開ききった朝顔を頂いて押し花にしてたんですね。

時を感じさせるこの色合い、は ん な り

 

宇奈月国際会館セレネ
富山県黒部市宇奈月温泉6-3
TEL0765-62-2000 セレネHP

 

 

 

 


「魔笛」の世界

2018年09月19日 | スタッフ独り言

湯の街ふれあい音楽祭モーツァルト@宇奈月、終了いたしました。

ご来場いただきましたお客様、演奏者の皆様、モーツァルトスタッフの皆様、

本当にありがとうございました。

モーツァルトを通し様々に関わり合い、モーツァルトや時には、

この宇奈月のことを考えていただきましたことを、

重ね重ね、御礼申し上げます。

たくさんの感動と活力をいただきました。

スタッフ一同、また気持ちを新たに、音楽や美術、

宇奈月という町を通し、人と人とが結びつき感動を共有する場を作り出せるよう、

頑張っていきたいと思います!

 

 

 

 ようこそ「魔笛」の世界へ‼

8月に実施した「魔法の木を描こう」で描いていただいた作品を、

9月15日「魔笛」公演にあわせ、展示しました‼

 

出演者や魔笛に来られたお客様、ボランティア・スタッフの方々には、喜んでみていただきました‼

制作していただいた方々、本当にありがとうございます‼

残念ながら展示は、9月15日限り。

みたかったけれど、みれなかったかたもいるかと思います。

写真ではありますが、作品と展示風景をご覧ください。

 

作品は、2メートルもある大作。二時間という短い制作時間の中、描いていただきました。

ポーズを考え、木炭で体のラインをなぞり、三原色(赤、青、黄)による混色で着彩。

 体を木にみたて表現。葉は、シャボン玉の絵の具を作り、シャボン玉をとばして、表現しています。

この作品は、ポーズや、リズミカルな手や足の形の繰り返しが、弾むように描かれています。

構成された手や足は、他の体の部分に近づいたり、重なっていたり。

リズミカルな中に、緊張感のある作品となっています。

 

 

作品の仕上げは、金紙をカットしていただき、作品がよりよくなるように構成し貼り付けます。

最後に、自分自身のサインをデザインし、サインを描いて完成。

これだけ、盛りだくさんの表現を取り入れていますが、みなさん時間内に完成しました。

もうほんとスゴイです!!

この作品は、ポーズに対し、腕と手をたくさん配置したのが、特徴的。

葉や体など、全体の配色計画も考えられていて、手の色の変化、アクセントが美しくみえるように表現されています。

切り抜いた紙も再利用し、構成されていて、足し算と引き算の表現をうまくとりいれています。

 

 

ギリシャの彫刻のように構成された、動きがありつつも安定したポーズに、

意外性のあるポーズが組み合わさり、独特の雰囲気ある作品となっています。

足の部分は、根っことしてとらえることもでき、イメージが豊かに広がります。

薄く描いた色の上に、また色が合わさり(これを重色といいます)、

品がありながら、深みのある配色表現となっています。

描かれた葉や、大小の変化がある金紙によるりんごが、ここちよく配置されています。

 

 

混色、配色、形、構成などの作業を大変丁寧に行いました。

人よりも時間がかかった分、作業が遅れ、焦りがでるものですが、

こつこつと、根気強く仕上げました。

シンプルでありながら、鑑賞者の心をとらえるポーズ。

シャボン玉は、配色と配置を考えながら構成され、

シャボン玉の大きさも制御しながら表現しています。

「繰り返し」も美の造形要素。リピテーションといいます。

丁寧にリピテーションを行い、我慢強く描いた表現は、

実直でみるものにうったえかけるものがあります。

 

 

いままさに、何かがおこりそうなポーズ。

よく考えられたポーズは、鑑賞者を魔笛の世界へといざないます。

体のラインをうつしとりながらも、手や腕には、

「距離」を感じさせるようなポーズが表現されています。

体に手と腕がそえられ、「影」としてみてとったり、

「後ろから腕がのびている」と解釈することもできて、

鑑賞者のイメージを刺激します。

体のラインは、一気に上から下へというように、はけで塗られています。

2メートルもある画面を、手・腕・腰を使って、

大きくブラッシュワークをしているのも見事ですが、

「あっ!」と驚くのは、はけにつけた絵の具は、

あらかじめグラデーション状に混色されているところ。

これを短時間の中で、考え実行するのは、なかなかできないし、勇気がいります。もうお見事!!

しゃぼん玉も、はらはらと落ちてくるように、構成されていて、雅な感じ。

美しいサインも、作品に華をそえています。

 

 

ごくわずかに後方にさがるようなポーズがあり、

余白に安定と広がりを与えるような構成になっています。

シャボン玉とともに、描かれた葉や抽象的な形のドローイング、花などの切り絵の表現が軽快で、

さわやかであたたかい魔法のイメージを、鑑賞者に与えます。

おそらく木の根をイメージしたような足の組み合わせには、

並列の中にも抑揚がつけられ、

作り手が明確なイメージをもって表現したことが、

リアリティーをともなって、伝わって来ます。

 

 

両手をあげたポーズには、ふんわりとしたおおらかな印象をうけます。

シンプルでありながらも、おもいきった構成。

切り絵は、上部と下部で趣が違い、みるイメージの世界を大きく揺るがします。

体にはグラデーション。イメージにもコントラストを設けており、

わずかな時間の中で、美の造形要素を取り入れながら、

よりよく表現しようとしたことが伝わって来ます。

サインも抑揚をつけ、爽快感のある作品となっています。

 

 

2メートルの紙をめいいっぱい利用し、ポーズを考え構成した作品。

シャボン玉は、普通にとばすとはじけてわれてしまい、うまくシャボン玉の跡が残りません。

だから、ふきかたを調整したり。偶然性のある表現ですが、構成も考え制御していきます。

表現する感動がありつつ、実は、根気と体力がいる表現です。

 

これだけのシャボン玉を、わずかな時間で作り出し、

構成と配色を考えながら、表現することは大変であったかと思います。

苦労した結果、作品は明快でインパクトのある表現となっています。

「木目?」と解釈してもおもしろいような模様と、太陽の切り絵が、

鑑賞者のみるイメージを楽しく刺激します。

木の固有色に、青系統の寒色系の色をいれたところがおもしろく、

シャボン玉も補色を意識しながら、描いているところに、

配色の心配りが感じられます。

 

 

大きく手をふったようなポーズ、木を半分にわけて、

スカートのような形をいれたところが素敵です。

シャボン玉は、葉をイメージして表現しているわけですが、よく見ると

手がスタンプされていて、みる人を楽しませます。

木の部分にも手があり、

『「枝」と見るか「葉」とみるか。それとも。。。』とイメージが広がります。

切り絵の「葉」が左から、右へ。木の葉が舞うように配置され、

画面にさわやかな風がふくような、爽快感を与えています。

 

 

 順番に制作していく表現を、丁寧につなげ、完成にまでもっていきました。

ポーズ、木、シャボン玉、切り絵などの表現に説得力があります。

一生懸命行った表現を、ひとつひとつつなげ、1つの表現として完成させるのは、

実は大変難しいのですが、統一感のある作品となっています。

絵具を画面に落とす表現をドリッピングといいますが、

シャボン玉がわれて、絵の具が落ちていくドリッピングの表現を、

上手に制御しながら、表現しています。

切り絵も「線」の形になっていて、おもしろい。

日本画では、箔を「線」のような形に切って貼る、「野毛(のげ)」という技法があります。

この「野毛」が、変幻自在に空間やモチーフの上に舞うことで、質感や幻想的な表現を生むのですが、

そのような日本画の伝統技法のように、表現ができています。

上からふりそそぐ様々な表現が、美しい作品です。

 

 

講師作品。

「静寂」をイメージしました。

ポーズをシンプルにしつつも、右と左の手のポーズを変え、

きわだたせました。

枝や木の中に、「葉」を描くことで、幻想的な表現になるよう工夫しました。

見どころになる所に、りんごの実をおき、明暗や彩度の対比がおこるように、

配色計画をおこなって表現しました。

いかがでしょうか?

「静寂」と魔法の木という不思議なイメージが、表現できたでしょうか。。。

 

 

 

作者が想い描く、「魔法」はそれぞれ。

どんな魔法であるのか、じっとみていると心からイメージがあふれてきます。

 

 

   

 

「魔笛」公演をご覧になったお客様には、

「魔法の木」の展示はどのようにみえたのでしょうか。

考えるとドキドキします。

 

 

「魔笛」カーテンコールは、フェースブックで映像でみれたりするので、

ぜひ、こちらもチェックしてみて下さい!!

 

黒部市宇奈月国際会館・セレネ美術館

富山県黒部市宇奈月温泉6-3

TEL0765-62-2000 セレネHP

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


モーツァルトとお箏

2018年09月17日 | スタッフ独り言

「モーツァルト@宇奈月」、今日が最終日です。今日は晴れましたね

一昨日、昨日と残念ながらの雨で、演者の方々もギャラリーの皆さまも

移動が大変でしたでしょう。

 

今日はセレネ4階大ホールで、10時から、横島勝人プレミアムトーク

「モーツァルトの交響曲」がありました。

そして同じ会場で午後3時から「宇奈月アマデウス祝祭管弦楽団合唱団」による

音楽祭スペシャルコンサートがあります。

人気が高いコンサートなのでお早めにお出掛け下さいね。

 

セレネのスタッフはそれぞれの持ち場で忙しくしているので、「あれが聴きたい

と思っても、お目当ての会場に赴くことはできませんが、

思いがけない素敵な演奏に遭遇することはよくあります。

私は初日に1階のフロントが担当だったため、

1階ロビーで演奏された「瀬音の会」のお箏の演奏をじっくり聴くことができました。

お箏とモーツァルトの相性っていいんですね。

演者の皆様、お着物での演奏なんですが、「先生」と呼ばれている方の着物の色薄~いピンク

薄墨桜の色とでも形容すればいいんでしょうか。

後ろでまとめられている白髪との相性もよくとってもお似合い。

そしてお着物に大ぶりの真珠のイヤリングです もう見惚れました~

「トルコマーチ」などの力強い演奏にも感動しました。

一見優雅にみえるお箏の演奏ですが、きっと体力もいると思います。

 

「先生」のしなやかに、そしてある時は気丈に送ってこられたであろう人生を

想像してしまいまいた。

 

女性のお手本、一人見付けました。ブラボー

 

 

宇奈月国際会館セレネ
富山県黒部市宇奈月温泉6-3
TEL0765-62-2000 セレネHP

 

 

 

 

 

 


((((;'Д')))) そうだったのか‼ドライブラシによる質感表現

2018年09月13日 | スタッフ独り言

 

10月6日(土)に行う月イチ美術部の見本作品を作りました。

 

美術部の活動内容は、

「((((;'Д')))) そうだったのか‼ドライブラシによる質感表現」です。

西洋東洋問わず、絵を描くうえで、大切にしていることの一つとして、「質感」表現があります。

「つるつる」とか、「ざらざら」とかを、実は描きわけるんですね。

「質感」を出すことによって、ものの存在感が深まり、絵が豊かにみえてきます。

では、「どうやってだすの?」というところを美術部では、

「ドライブラシ」という表現を紹介しながら、描いていきます。

 

 

今回のモチーフはこれです。

レンガかブロックかをモチーフにしようと思っています。

 

 

まずは、十字を引くところから。今回は、遠近法についても紹介します。

単純な立体ですが、描き方があります。

例えば、形がかけてしまっている部分は、

みたまま描くと立体感を失って表現されてしまいます。

みかた・捉え方があって、「補助線」という線を活用して表現します。

 

 

明暗を思い切って描き、形や質感の印象を出していきます。

余白の落書きの様な線は、仕上げのためのもの。仕上げ段階には、消えます。。。

モチーフは意外に重くて、テーブルに置くだけで、異様な緊張感があります。

この様なみえない雰囲気や自分が感じる感覚も表現としては、描くことができます。

 

 

少しずつ着彩。

 

 

意外性のある色も置いてみます。

デッサンを活かしながら描くので、形がくずれることはないです。

 

 

 

限界まできたところで、ドライブラシ。

 

仕上げをして、完成。

 

 

「質感表現」ができると、ワンランク上な気分!嬉しいですね。

 

さて、どんな風に表現するのかを、

ドライブラシの技法を一緒に楽しみながら、描き方の幅をひろげましょう!

10月6日(土)9:30~11:30 参加費1000円 ワンドリンク付き

〇定員25名 事前申込みが必要です。

〇もちもの スケッチブック、鉛筆、

      水彩画セット(アクリル絵の具なども可。お好きなものを持って来て下さい)

 

講師 セレネ美術館スタッフ おおにし ゆーじ

主催・会場 セレネ美術館

 

お問い合わせ

黒部市宇奈月国際会館・セレネ美術館

〒938-0282

富山県黒部市宇奈月温泉6-3

Tel 0765-62-2000  Fax 0765-62-2020

Mail info_selene@unazuki.org


第6回 おらがふるさと写真展 ふるさとの宝をさがして・・・

2018年09月12日 | オープンギャラリー

現在、黒部市宇奈月国際会館セレネ美術館、2Fオープンギャラリーにて、

「第6回 おらがふるさと写真展 ふるさとの宝をさがして・・・」を開催いたしております。

 

毎年回を重ね、今回で6回目となりました。

黒部の方や、旅行でおとづれた方にも、大変人気の展覧会です。

 

 

テーマは、「ふるさとの宝をさがして・・・」。

黒部の美しい風景を中心に、その中で繰り広げられるイベントやお祭りを、

広く県内外の皆様に知っていただきたいと、写真で紹介しています。

出展作品は、ふるさとをこよなく愛する黒部のアマチュア写真家で構成する、

NPO法人黒部町づくり協議会「おらがふるさと写真展」ワークショップのメンバーが、

一年間撮りためた写真から、ふるさとの宝と自慢できる作品を選び、

毎年工夫をこらして展示しています。

今回は、写真展の趣旨に賛同して、新たに3人のアマチュア写真家の出展もあり、

また一味違った展示になっています。

 

 

 

写真の中には、ひょっとすると、いつも見慣れた景色があるかもしれません。

しかしながら、他者の視点で撮影された風景は、どこか違った景色に見える。。。

あるいは、全く違う景色、私が抱く「ふるさと」とは、異なるどこかでありながら、

親近感を抱くということもあるかもしれません。。。

 

それが何か考えるうちに、他者や自分自身、自然などの豊かさを知って、「ほっ」とします。

 

 

作品を眺めていると、「ここはどこで撮られたんだろう?」

という疑問がわいてきます。

黒部のマップも展示されているので、撮影者がどの場所で撮ったかもわかるようになっています。

どんな風に撮ったかや、撮影した理由などは、キャプションに丁寧に書かれてもいます。

 

   

  

 

 

 「ふるさと」という共有できるキーワードでみる景色。黒部の自然。

一枚のふるさとの写真に、あなたは何を想うのでしょうか。

 

 

 

展示は、9月22日まで。入場無料。

開館時間は、9時~17時30分(入館は、17時まで)。

 

黒部市宇奈月国際会館・セレネ美術館

富山県黒部市宇奈月温泉6-3

TEL0765-62-2000 セレネHP

 

 

 

 


みんなのジュノーム

2018年09月09日 | スタッフ独り言

月イチ美術部で制作した「ジュノーム」の作品を紹介したいと思います。

 

ジュノーム」は、1777年、モーツァルトが二十歳の時にザルツブルグで作曲されたピアノ協奏曲第9番。

フランスの女流ピアニスト「ジュノーム」嬢がザルツブルグを訪れた際に、献呈された曲。

彼女の名前からとって、「ジュノーム」という愛称で呼ばれています。

彼女に触発され、それまでのピアノ協奏曲から大きく飛躍をとげることになった曲と言われています。

 

9月8日の美術部では、この「ジュノーム」を聴きながら、

音を色や形にかえて、表現しました。

 

「音を描く」ことが、はじめて。

とまどいもあったかと思いますが、

わずかな時間で豊かな表現ができました。

同じ曲を聴きながらも、個々にアプローチが違う所が、おもしろい。

みなさんも、ぜひ鑑賞してみて下さい。

 

音の形。形にも違いがあり、色も違う。

曲全体のイメージを集中して聴いて、伝えようとする姿が浮かびます。

 

音に形があり、質量があったとすれば。。。

 

ときどき音に出会った時に、衝撃や感動を受けますが、その際、ないはずの質量や存在感なども、

リズムと混じりながら感じているような気になるのですが、

みなさんはどうでしょうか。

この作品をみていると、そのような質をともなった音が伝わってきます。

 

とても広い空間。わずかな波紋。

浮かんでいる形、色。

煙がすーっとでて。

すごい緊張感。

モーツァルトがはじめて耳で聴いた「ジュノーム」は、きっとこのような感じ。

 

水と絵の具が混ざりあって、ふわっときれいな色が広がっていく。

にじみや点をはずむようにうった形は、動作も感じさせ、演奏者をおもわせる。

 

表現には、「かた」があって、「美の要素」とよばれるものもあります。

リピテーション、グラデーション、リズム、アクセントなどなど。

音楽とも共通する部分があります。

余白を超えていく、形や色に、楽しさが広がります。

 

 

様々な表現が折り重なって、豊かな印象を受けます。

抽象的な形に具象的な形が、結びついて、

はなやかで繊細な「ジュノーム」を感じさせます。

 

 

抽象的な表現に、また種類の違う表現が重なっています。

描くパートがわかれていて、美しい音を写し取ったようです。

寒色、暖色の使い分けや、明暗の変化に、丁寧に音にむかっていく姿勢が浮かびます。

 

クレヨンなどの油分のある表現上に、水彩で描くとはじく表現ができます。

「バチック」といいます。

水彩による地塗りの上に、バチック?あるいは、逆?

クレヨンも縦と横の描きわけがあり、層をなしています。

表現として複雑で、これもまた、繊細な「ジュノーム」の表現のひとつ。

 

同じ旋律が繰り返されているように感じる。

ところが、細かく聞いていると、変化に気づき、驚きを感じる。

その巧みなやりとりが、色と形をなして表れている。

「このような形でしょ」とおもいきや、よくみると違う。

「音をみて感じる」楽しさが、表現されています。

 

水彩による地塗りの上に、パステル。それをぼかしている。

ぼかす表現は、指でこすってできる。

レオナルド・ダ・ヴィンチは、

この指でこする「スフマート」という技法で、形を輪郭でとらえる表現に革命をもたらした。

ぼかすことで、輪郭をなくし、輪郭にあったわずかな空間の広がりを解放した。

 

音の形が、指でこすってぼやけると、なんだか深みのある表現としてみえる。

 

 

線は、筆圧をコントロールすることで、強弱を作り出し、見える印象をかえることができる。

ピアノもまた同じ。

形と、色、そして線の変化によって、「ジュノーム」を表現している。

 

 

 

音を視覚的にとらえるということは、いつもと違う感動を生んだかと思います。

 

これら美術部の作品をみていると、いかにそれぞれが豊かに「ジュノーム」の曲を聴いているかがわかります。

しかもそれは、個々によって感じ方が絶妙に違う。

では、演奏者にとっては、どうなのだろうか。

感じ方が違う、たくさんの演奏者が、ひとつの音楽を作り出すこととは。。。

 

 

 

想像するに、それはすごい。

また、それを聴く聴衆も。

 

 

 

黒部市宇奈月国際会館・セレネ美術館

富山県黒部市宇奈月温泉6-3

TEL0765-62-2000 セレネHP


9月15日(土)、16日(日)、17日(祭)はワークショプはお休みさせていただきます

2018年09月08日 | セレネ美術館

 

誠に申し訳ありません

 

「モーツァルト@宇奈月」の期間中9月15日(土)、16日(日)、17日(祭)は

ワークショップはお休みとさせていただきます。

 

「モーツァルト@宇奈月」も残すところ1週間を切りました。

セレネのスタッフも何やらソワソワ、ソワソワ、動き回っています。

1度でも音楽祭を見にいらっしゃった方はご存じと思いますが

音楽祭が開催されている3日間は、宇奈月はモーツァルト一色になります。

人が歩けばモーツァルト演奏会に当たります

 

セレネの1階ロビーでも2階ギャラリーでも

3階小ホールでも、4階大ホールでも、演奏は繰り広げられています。

(コンサートガイドもご用意してありますのでそれをご覧になると動きやすいです)

 

言い訳が長くなってしまいましたが、ワークショップをやるスペースもないので

宜しくお願いします。

今度の連休はセレネへ行ってワークショップをしようと思ってたのに~

とガッカリされた方、

「モーツァルト@宇奈月」に是非お出掛けください。

かなり満足度は高いはずです

 

宇奈月国際会館セレネ
富山県黒部市宇奈月温泉6-3
TEL0765-62-2000 セレネHP

 

 

 


私・ジュノーム

2018年09月06日 | スタッフ独り言

9月8日に行われる美術部のために、見本の作品を作ってみました。

 

「音が色と化す!感情が形を成す!!ドローイングによる抽象画の世界」

が美術部の活動内容です。

 

美術部では、課題として二つの作品を作っていく予定です。

テーマの1つは、「私」。

もう1つは、モーツァルトの「ジュノーム」。

 

抽象画や表現方法はどのようなものかという話をしながら、

表現の仕方を学びます。

実際に「私」をテーマに、抽象的な形を表現していきます。

講師作品 「マイ、マイ、マイ!!」 水彩の他に、木炭やパステルを一緒に使いました。

 

 

「ジュノーム」については、音を絵にした画家、表現を紹介しながら、抽象画を描きます。

モーツァルトの「ジュノーム」を聴きながら、音を色や形にかえて描きます。

 

「ジュノーム」は、1777年、モーツァルトが二十歳の時にザルツブルグで作曲されたピアノ協奏曲第9番。

フランスの女流ピアニスト「ジュノーム」嬢がザルツブルグを訪れた際に、献呈された曲。

彼女の名前からとって、「ジュノーム」という愛称で呼ばれています。

彼女に触発され、それまでのピアノ協奏曲から大きく飛躍をとげることになった曲と言われています。

モーツァルト自身もお気に入り。よく演奏されたそうです。

女性への贈り物ときくと、華麗なものかと思いますが、とっても革新的。目がシャキッとします。

 

  

ジュノームを聞いて浮かんだのは、カチッとした形が空間を浮かぶようなイメージ。

定規を使って、形を表現します。

  

画面を大きな色の面でわけました。リズムの中にも、大胆さがある曲の感じを表現してみました。

曲に合わせるように、ドローイングの線をいれます。

指でこすったりして、楽しみながら描きます。

 

 

講師作品 「ジュノーム」 完成。

 

完成した作品は、ブログで発表できたらと思っています。

いよいよ、モーツァルト音楽祭もはじまりますね。

9月15日から18日までの期間。宇奈月の町中で、モーツァルトの演奏が行われます。

美術部でも、モーツァルトを盛り上げていけたらと思います。

 

他にも、9月15日、「魔笛」にあわせ、4F展望ホワイエにて8月に制作した「魔法の木」を展示いたします。

「魔笛」のお客様は、美術部個々に作った魔法の木の森を抜けて、劇場へ。

もちろん、「魔法の木」だけをみることも可能です。無料です。

ちなみに「魔笛」は、14:30開場、15:00開演。料金は1000円です。※全席自由・未就学児は入場できません。

また、展示された様子は、ブログやフェースブックにものせたいと思います。

講師作品 「魔法の木」

体のラインをうつして、木にみたてて描きました。

葉っぱは、シャボン玉の絵の具を飛ばして、制作しています。

みなさんで作った作品は、それぞれいろいろ。

表現の違いも、楽しんでいただけたらと思います。

 

 

 

セレネ月イチ美術部

「音が色と化す!感情が形を成す!!ドローイングによる抽象画の世界」

9月8日(土)9:30~11:30 参加費1000円 ワンドリンク付き

〇定員25名 事前申込みが必要です。

〇もちもの スケッチブック、鉛筆、色鉛筆、クレヨン、パステル、水彩画セット、ペンなど

      (あわせて使うのがおススメ)

 

 

 

黒部市宇奈月国際会館・セレネ美術館

富山県黒部市宇奈月温泉6-3

TEL0765-62-2000 セレネHP

 


セレネ美術館開館25周年記念 宮廻正明展ー無極ー

2018年09月03日 | オープンギャラリー

道の空 2004年(今井美術館所蔵)


セレネ美術館開館25周年記念 宮廻正明展―無極―

Exhibition of  MIYASAKO Masaaki  みやさこ まさあき ―むきょく―


セレネ美術館の開館25周年を記念し、現代日本画壇を代表する画家であり、

1993年の開館当初より黒部峡谷を取材し、作品を制作されてきた宮廻正明画伯の個展を開催します。

画伯は日本美術院の同人として、創意に満ちた多彩な作品を生み出されてきました。また、芸術と社会、

芸術と科学の関わりに積極的に取り組まれ、クローン文化財に代表される新たな分野を開拓されるなど、

画期的な成果をあげておられます。

そうした画伯の描き出す作品からは、常に人の営みや自然をみつめる暖かな眼差しが感じられます。

人の手が生み出すものへの限りない愛情と、それに対する深い好奇心が、

一貫した活動の原点になっていることが伝わってくるようです。

今回の展覧会では、画伯の初期から近作にいたる代表的な作品によって、その世界を紹介します。


〇期間 2018年 10月13日(土)~11月25日(日) 休館日11月中の火曜日

〇料金 一般1000円/高校・大学生800円/中学生以下無料

 

学芸員の解説付き作品鑑賞会

11/4・11/11・11/18・11/25の毎日曜日 ①10:30~ ②14:00~(約30分)

美術館入館料が必要です(申込み不要)

 

関連イベント 

10/14(日)10:30~ 宮廻正明先生のギャラリートーク (展覧会入館料が必要です。申込み不要)

10/21(日)10:00~15:00 宮廻先生の技法―裏彩色―で日本画を描こう

講師 荒木恵信(東京藝術大学大学院にて宮廻先生に師事・金沢美術工芸大学准教授・日本美術院院友)

定員 20名(小学4年生以上ならどなたでも参加できます) 

参加費 3,000円(要事前申込み)


〇主催 黒部市宇奈月国際会館/セレネ美術館

〇協力 足立美術館/今井美術館/ウッドワン美術館

〇お問合せ 

セレネ美術館 富山県黒部市宇奈月温泉6-3 tel 0765-62-2000 セレネHP

 

火焔奏楽 2000年(今井美術館所蔵)


  

三希月廻(愛本刎橋) 1996年(セレネ美術館所蔵)


二人展Ⅲ うつろう光 色鉛筆 関吉和明 素敵な出会い 写真 高橋健一  

2018年09月02日 | オープンギャラリー

現在、黒部市宇奈月国際会館・セレネ美術館では、

「二人展Ⅲ うつろう光  色鉛筆  関吉和明 素敵な出会い  写真  高橋健一」

を開催いたしております。

 

高橋健一は、「素敵な出会い」をテーマに写真作品を展示しています。

高校生から、写真をはじめ、常にカメラを携帯しながら、日常を撮り続けてきました。

 

誰もが、日常のふとしたものに対して驚いたり、感動したりすることがあるかと思います。

日常は以外に、流動的に動いていて、普段から見慣れたものも違って見えたり、突然な出会いがあったり。

ありきたりだと思えるかもしれないものも、よくよく観察してみると、感慨深い。

そんな時に誰しもでるのが、「いいね」という感情だったりします。

 

高橋健一は、この「いいね」を「素敵な出会い」ととらえ、すかさずシャッターをきります。

  

「いいね」は思わず、ほがらかになったり、緊張するものであったり。

  

地元の横浜や鎌倉で取材した、「いいね」たち。

「素敵な出会い」をみなさんは、どのように感じるでしょうか。

 

 

 関吉和明は、「うつろう光」をテーマに、色鉛筆による作品を展示しています。

写実画家である磯江 毅(いそえつよし)やフェルメールの作品などに感銘を受け、

独学で色鉛筆による表現を行っています。

絵画において、「光」は常に追い求められるテーマ。

関所和明は、色幅の少ない色鉛筆で、「ほのかな光と影」を表現できないか。

常に模索をしながら、描き続けています。

小学校の頃使っていた子供用バイオリン。

60年ぶりにケースからあけたものは、作家にとってどのようにうつったのか。

単純に美しいつやのあるバイオリンとして、みえるというだけではなさそうだ。

  

ほのかな光と影。

時間や空間、存在の重みなど、光と影とともに感じることができる。

名品の模写。ただの模写とは呼べない、緊張感が作品にはある。

  

引いて眺めた後は、ぜひ細部の描写も眺めてほしい。

紙と色鉛筆の顔料が、やわらかく結びつき、美しい質感と上品な趣を出している。

 

写実的な作品に出会うといつも息をのみ、その存在の重さを感じ取ると思うが、

関吉和明の作品は、そのような重みを感じつつも、どこか穏やかで、温かい。そして、心が和む。

他の作品にはない不思議な存在感を出している。ぜひ、鑑賞してほっこりしていただきたい。

 

 

お二人の作品は、それぞれの視点で表現され、違うものでありますが、

日々を表現するという点では、つながるものがあります。

同時に、作品を鑑賞している私たち自身にも、つながっていく。

とても素敵な展覧会です。

 

展覧会は、2Fセレネ美術館オープンギャラリーにて、9月7日金曜日まで開催しております。

オープンギャラリー入場は、無料です。

開館時間は、9時~17時30分までです。お待ちしております。

 

 

黒部市宇奈月国際会館・セレネ美術館

富山県黒部市宇奈月温泉6-3

TEL0765-62-2000 セレネHP