子供が二人揃って麻疹（ハシカ）にかかった。
麻疹のおかげで、休校になる大学が多いというのも驚く。
オレ達が子供の頃は、大抵この手の病気にかかったものだが
ここ最近は予防接種棟の普及によるものなのか
とくに長男は、麻疹も水疱瘡もおたふく風邪もかかっていない。
子供が通るべき通過儀礼を経験していないわけだ。
ニョウボが麻疹の二人をほったらかして、出かけるというので
仕事を早めに切り上げ、途中のスーパーで食材を買って帰宅した。
今朝、二人とも病院に行ったのだが、薬さえ貰えない。
治す方法は、ひたすら安静にしているだけらしい。
案の定、二人とも部屋に篭もって寝ていた。
白飯が余っていたので、味噌仕立てのオジヤにする。
病気には、消化のいいものの方が喰いやすいだろう。
オジヤなら体も暖まるし、多少食欲が無くとも腹に流し込める。
タップリと汗をかいて、ビタミンCを補給し
とっとと寝かしてしまおう。
リビングではリタが有り得ないような恰好で寝ている。
子供らが居ないし、静かでイイやってなもんだろう。
やや味噌を濃いめにして、冷や飯を放り込む。
程良く煮上がったら、溶き卵を回し入れて味をまろやかに。
スーパーで買ってきた豆腐の団子を入れて、さらに一煮立ち。
寝ている子供の様子を見る。
「メシ、喰えるか？」
モソモソと二人とも起き出してきた。
どうやら腹は減っているらしい。
「ああ、旨い」
顔色の悪い長男だが、どうやらお気に召した様子だ。
オレもオジヤを一緒に喰ったが、それだけでは物足りないので
一緒に買ってきたキムチをつまむ。
茶碗1杯のオジヤを平らげた二人。
「まだお代わりあるぞ」
「うん、もういいや。寝る」
よいよい。
とっとと寝て、とっとと治せ。
誰でも通る道。
まさしく「麻疹にかかったようなもの」だ。
「ごちそうさま、おやすみなさい」
おそまつさん、お大事に。
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