無明長夜もかくばかり…

食のこと、家族のこと、ペットのことや日々の雑感… 
手探りをしながら、書き綴っていきたいと思います。

知ってしまう恐怖、知らないでいる不安、診断の結果に、締まりのないオトコ、白く燃え尽きる

2009-05-23 | 雑感


先月の健康診断
とっくにわかっている結果なんだけど
なんか、ここで発表しにくくて黙ってた。

診断結果は概ね良好。
判定は、ほとんど「A」。メタボ健診は「非該当」。
「B」は血圧で、これも拡張期…いわゆる「下」の数字が
正常値が89以下のところ、94と若干高めだった。
もう一つは「胸部」で、これはタバコの影響もあるのかな、で「B」

ところが、その中に「E」という結果があった。
上部消化器官である。
検査結果の欄にはこうある。

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胃角部 小弯 粘膜集中
胃角部 小弯 変形
胃角部 小弯 アレアの不整

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また、総合所見には

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E:精密検査を必要とします
 紹介状と健診結果表をお持ちになり、専門医を受診して下さい。
 判定Eの項目については主治医または近医で二次検査をお受け下さい。
 便潜血反応陽性です。消化器系の検査をお受け下さい。
 判定Eの項目については必ず受診して下さい。

二次精密検査
 胃部内視鏡
 大腸注腸法

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なんか、聞いたこともないような専門用語がオソロシイ…

で、紹介状にはこうある。

「胃角小弯のヒダ集中を伴った凸凹不整な粘膜」

な、な、な、なんのことだよ!

「凸凹不整な粘膜」って、すげーコエーじゃねーかよ!

診断結果と一緒に送られてきた小冊子
「健診結果の見方と活かし方」を見てみる。

「粘膜集中」
潰瘍が形成され、これが治癒する過程で、粘膜のひきつれが起こり
これがしぼりの様に画像上描出されます。これを粘膜集中と表現します。
これは過去に潰瘍が形成されてたことを示唆する所見です。したがって
潰瘍の既往のない場合は、ニッシェ・バリウム斑が認められない場合でも
精密検査が必要となります。

「アレアの不整」
胃粘膜組織から、胃酸や粘液などの消化液や分泌物が放出されますが
この組織は規則正しく並んでおり、ここにバリウムが付着すると
きれいな編み目模様が描出されます。これをアレアと表現します。
炎症やただれなどがあると、このアレアが乱れます。
特に、乱れが大小不同など不揃いが目立った場合を、アレアの不整と表現します。
したがって、アレアの不整が認められた場合は精密検査が必要となります。


ううむ…

で、この2つの項目の最後には

(精密検査必要とは、悪性の診断ではありません。
良性・悪性の鑑別が必要との意味です。
あまり心配せず、まずきちんと検査を受けましょう)


あまり心配すんなったって、心配でしょ?普通は。
検査の結果「悪性」だという可能性だってあるわけだし。

まぁ、このことを話すと、周りがうるせぇのなんのって。

「いつ、検査に行くの?」
「名古屋から帰ってきたら行くよ。緊急手術とかになって
名古屋に行けなくなったらイヤだし」

で、名古屋から帰ってくると

「もう行ったの?」
「GW明けに行くよ」
「どうせガンになったら同じなんだから、早めに行ったら?」
「うるせぇな」

で、会社の女の子に話すと

「会社の健康診断で見つかる程度のガンなら、すぐ治るって言ってましたよ」
「いや、まだガンだとは…」
「家族や親戚にガンの方っているんですか?」
「いや、いないんだよね」
「じゃーダイジョーブですよ~ハハハ」
「ハハハ…」

で、さすがにもう逃げられないっつーことで、
比較的時間の取れる、土曜の午前中に行くことになった。
それが先週の話。

「明日、病院に行くからお金ちょうだい」
「自分のお小遣いで行けば?」
「もしガンとかになったら、自分の小遣いで治療しろってのか?」
「じゃ領収書貰ってきて。ガンって保険効くんだっけ?」
「だからガンって決まったワケじゃねーし!」
「○○社長はガンになって、新しい車を買ったんだって!」
「だからなんだ!」
「そのお金でスペイン行こうよ」
「だからガンじゃねーってば!」

とまぁ、こんなチョーシですわ、うちの家族は。

以前、血圧が高かった頃に行っていた病院。

「なにか痛みとかありますか?」
「いや、別になにも」
「ふ~ん、じゃ胃カメラで見てみますか」

例えば何らかの病気が発覚したとして
もしそれが不摂生の罰か、もしくは抗いようのない運命なら
厳粛に受け止めるしかないわけだが
仮にガンとか、そこまでいかなくとも
手術が必要な病気だったりしたら
せっかくダイエットしたというのに
なんとも皮肉なものだと思う。

古今亭志ん生師の小咄にもあったが
「酒をやめて、タバコをやめて、
やれ、丈夫になったって喜んだ途端、自動車にぶつかって死んじゃった」
なんてね、人間、明日には何があるかわかりません。
悲観的になるつもりはないが、楽観的にもならない。


で、今日
いよいよ胃カメラの日

「まさかガンなんてこたぁないよな」
「でも、もしガンだったらどうしよう…」

ま、いきなり「ガン」っていうもの考えすぎなのかも知れないが
もうこの年になってくると、健康のことが一番の関心事であり
一番の不安になってくる。
最近では、忌野清志郎、またつい先日は
元アナウンサーの頼近美津子さんが
どちらも50代の若さでガンによって亡くなっている。

昨日の晩は、家族がハンバーグとか、食後の羊羹とかを
旨そうに喰っているのを横目で見ながら
一人ズルズルと雑炊なんぞをすすっていた。
朝8時からの検査である。
仕事も休みなので、ニョウボも遅い。

「自分で起きて行ってよね!」

冷たく言い放たれ、まんじりともしない一夜を過ごす。


昨日の夜は、久しぶりに髪をブリーチした。
年々白くなり、後退する頭髪を隠すためであるが
今日の夜は久しぶりに、高校の時の美術部の連中とも会うし
ま、心機一転というか、験直しのようなものだ。

が、ちとやり過ぎた。
マッキンキンだ…

ま、いいさ。



8時10分前に病院の前に到着すると
程なくシャッターが開かれ、医院の中に招き入れられる。

知らないでいる不安は、もうたくさんだ。
知ってしまう恐怖は、覚悟もできるし、
それに対処することでいくらか軽減される。

胃カメラを飲むにあたり、喉に局所麻酔をするという。
上を向いて、舌を長く出すと、そこへドロリとした液体を落とされた。
次第に舌の感覚が麻痺していく。
点滴でブドウ糖を打たれ、いよいよ胃カメラ初体験だ。
局所麻酔をしているとはいえ、やはり管を入れられると
少しではあるが痛みもあるし、何度かオエッを嘔吐いてしまう。
それでも胃の中に到達すると、腹の中に何かが入っている感覚がわかる。
無事にカメラを取り出され、麻酔のようなものを打たれると
昨夜も睡眠不足も手伝ってか、そのままスッと眠りに落ちてしまった。
時間にして二時間程すると、先生に起こされ、一旦、待合室に。
改めて診察室に通される。

「紹介状に書かれていたような所見は見あたりませんでした」

つまり、一番の不安であった「潰瘍」「ガン」はなかったらしい。

「逆流性食道炎というのが見つかりました」

逆流性食道炎?

またなんかイヤな名前だなぁ…

パソコンで自分の内臓を見る。
妙な気分だ。



「まず、紹介状にあった“胃角小弯のヒダ集中を伴った凸凹不整な粘膜”
 大体、バリウムっていうのは大袈裟に見えるものなんです」

パソコンの画面を見る。

「これが“小弯のヒダ集中”という箇所です。
 普通の人はツルンとしてるんですが
 ちょっと皺が寄ってますが、全然心配はありません。
 また、赤い点がいくつかありますが、これは“びらん”という
 炎症ができているので、これも大したことはない」

「逆流性食道炎っていうのは?」

「食道から胃袋への入口は、普通は閉じているんですが
 やや締まりがないようで、胃液が食道に逆流し
 何カ所か炎症ができていますね」

これも、いわゆる「胸焼け」が起きる程度のもので
特に手術だの、薬だのという問題ではないとのこと。

つまりワタシ、「締まりのないオトコ」ってこと?

所見としては、「慢性胃炎」程度のものらしく
食道、胃、十二指腸には特に著変はない、とのこと。

はぁ…

なんかムショーに腹が減ったよ。

一旦、帰宅

「ええ~~~?どうしたの?その頭」
「ガンと聞いて、一気に白髪になった…
 ウソウソ、なんでもなかったよ」

ニョウボは既に出かけていたが(薄情だ)、
子供らが二人で笑ってオレを迎えてくれた。

金四郎の散歩に表に出る。
まるで真夏のような温かさだ。
なんか昨日までの不安が一気に吹き飛んだような気分だ。
腹が減ったが、やっぱりラーメンが喰いたいや…
コーヒーで繋いで、仕事場にやってきて
神保町に新しくできた『麺祥来』のいう店にやってきた。



今日は「中盛り」にしようっと!




ともかく、お騒がせいたしましたが
取りあえずはダイジョーブでした。



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9 コメント

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Unknown (しの)
2009-05-25 17:23:32
さとしさーん、良かったですね。

あっ、からだログの「しの」です。
なんとなーくコッチにコメしてみたくなりました。
いっつも読み逃げでゴメンなさい。

ご家族もホッとされたでしょうねぇ。
ニョウボ殿も心配のあまりの言動だったんじゃないかな?
私もその立場なら同じようにしそうです。

うちのツレも「締まりのないオトコ」で
しょちゅう胸焼けしてます。
そういうヒトは食べてすぐ横になったらいけないそうですよ。
逆流しやすくなって炎症ばっかり起こしていると
食道ガンになりやすいんですって!
(脅してどーするっ!Σ(ノ∀`)ペシッ)
すぐ横になると牛(豚?)になるしね!(笑)

ますますダンディーなさとしさんでいてくださいね~。
今度はログのほうでお邪魔しまーす♪
Unknown (さとし)
2009-05-25 20:29:19
しのさん

食べてすぐ寝ると牛(豚?)になるっていうのは
やはり「太る」というだけのことではないんですね。
太っていた頃の僕は、何を食べても胸焼けがして
サクロンが手放せないような人間でした。
今考えると、本当に不健康の極みですねぇ…
ホッ (だんなちゃん)
2009-05-25 20:52:59
大事に至らなくてよかったですねえ。
「逆流性食道炎」
ボクもこれなんですよ!
胸やけが辛くて

そうそう
後輩で、まだ30代なんですけど
食道がんを患い、手術で一命を取り留めて抗がん剤治療中のやつがいるんですけど

いつそうなってもおかしくない歳になっちゃってるんですよねえ。
Unknown (さとし)
2009-05-26 01:23:31
だんなちゃん

皮肉なものですよねぇ。
ま、こればかりはどうしようもない部分もあって
例えばタバコを吸う人のすべてが肺ガンになるわけじゃなし
もちろん予防可能には違いないのですが…
若い頃というのは、いかんせん「聞く耳」を持たないもの。
年をとってからではどうしようもないのに
実際に、自分がそうなってみないとわからない。
若い頃は「長生きなんかしたくない」などと粋がってましたが
やっぱり「健康第一」だと思います。
勝手なモンです(笑)
Unknown (ライチ!)
2009-05-28 23:19:44
悪い結果じゃなくて、安心しました。
さぞかしラーメンがおいしかったことでしょうなあ。
私もつくづく思います、健康第一だって。
Unknown (さとし)
2009-06-06 17:46:59
ライチ!さん

もうこの年になると、格好云々じゃありませんね…
といいつつ、やっぱりカッコよくありたいと思うんですけど(笑)
それでも、やっぱり健康が一番だとつくづく思います。
ありがとうございました (匿名)
2012-09-03 19:14:46
胃の精密検査を待つものです。
検査がすぐにできず不安でインターネットでいろいろ探すと良くない話がいろいろありますます怖くなり気分も悪かったのですが、このページを読ませていただき、そういうこともあるとわかりものすごくホッとしました。ありがとうございました。
これからもお元気で過ごされますように。
ありがとうございます。 (さとし)
2013-01-04 18:52:41
匿名さん

返信が遅れて申し訳ございませんでした。
健康診断で一番怖いのは「再検査」ですね。
こういうときは、まず覚悟を決めるとこが大事です。
雨上がり決死隊の宮迫さんのこともありますし
例え大きな病気でも、初期ならそれほど心配はいりません。
医学の進歩に感謝しつつ、日々、自分の体を知っておくことが大事です。
匿名さんもお大事になさってください。
今はどうですか? (通りすがりのもの)
2017-02-28 10:01:01
胃角部の事で調べてたら偶然こちらに来ました
慢性胃炎の事ですがその後いかがですか?自分も似た症状だったので参考にしたいのですが病院帰りにラーメンってw
食生活困りものですよね

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