無明長夜もかくばかり…

食のこと、家族のこと、ペットのことや日々の雑感… 
手探りをしながら、書き綴っていきたいと思います。

A long time ago…

2005-07-31 | 映画
…in a galaxy far,far away…
遠い昔、遥か彼方の銀河で…



何度観てもこのテロップは熱くなる。
ようやく「スターウオーズ シスの復讐」を観てきた。
まだご覧になっていない方もいらっしゃるだろうから
ストーリーについては触れないが、やはり期待を裏切らない面白さだった。

第1作目の「エピソード4 新たな希望」の公開が1978年。
これでようやく物語が繋がった事になる。
前3部の「トリロジー」は、まだビデオなど無い時代だったので
もちろん劇場で観たし、新3部作も劇場で観ることができた。
前3部作の頃だったと思うが、この作品はエピソード9まであり、
その当時、非公式かも知れないが、制作公開のスケジュールも発表されたのを
何かの本で読んだ気がする。
2000年以降など、気が遠くなるような先の話だと思った記憶がある。
どうやらエピソード7~9の制作は中止となったと聞く。



場所はいつもの「ワーナー・マイカル・シネマズ板橋」
最近は席を取るのも便利になったもので
「e席リザーブ」というシステムで、前日からネットで席が予約できる。
上演時間に合わせて、映画館に行けばいいので並ぶ必要もない。



クレジットカードで入場券を引き換え、やや時間があるので
ソフトクリームを喰いながら上映時間を待つ。

映画館でもお楽しみは、やはりポップコーン。



ところがオレは歯の治療中で、細かくて歯ごたえがあり、
歯に詰まりそうなものは控えることにした。



いつもは↑こういうバケツのようなポップコーンを「持つ」と言うより「抱えて」
コイツを頬張りながら、映画を楽しむのだが今回は仕方ない。



ナチョスのチーズソースで我慢。



ところがこれがチーズソースをタップリとつけて喰うと、また旨いのよ。

満席でも全席予約、しかも今日の席は通路の前なので
ゆったりと足を伸ばしてみることができた。

ネタバレしない程度に映画のことを話すと…

「ああ、なるほど。そう繋がりますか」という感じ。
ヨーダの強さは前回「クローンの攻撃」ですっかりお馴染みとなったが
今回も相変わらずの勇姿を見せてくれる。
それにしてもR2D2ってあんなに機能が豊富だったのか?
あれって殆ど無敵じゃん!

当然の事ながらエピソード4以降は既に公開されているので
ここでオビ・ワンやアナキンが死ぬはずないのにハラハラしたり
「ああ!あぶない!」とか「アナキン!そいつを信じちゃダメだ!」とか、
まるで「ドリフ」の『志村、うしろ!うしろ!』状態。
バカだねぇとは思いつつも、すっかり映画の中に惹き込まれてしまった。
子供らも「アナキンってバカじゃないの!」とか言っちゃってるし…

で、やっぱり最後は泣いちゃいましたねぇ…
スターウォーズシリーズで泣いたことなどかなったのに。

終了後は、家族揃って「築地 銀だこ」をパクつきながら
映画の話しで盛り上がる。


↑「銀だこ」のノーマルたこ焼き


↑新メニュー「和風キムチ」

やっぱり映画は誰かと一緒に観たいもの。
「あのシーンでさぁ」とか「あそこのシーンが面白かった」などと
ディスカッションするのが、映画の楽しみでもある。

早速家に戻ると、ビデオやDVDを引っぱり出しての鑑賞会。
あらためてみると、エピソード4での
オビ・ワンとダース・ベイダーの闘いって、おっそろしくテンポが遅い。

ちなみにオレが一番好きなのはエピソード1「ファントム・メナス」。
クワイ・ガン・ジンとダース・モールがお気に入りのキャラクターなのだ。
両方ともこの1作で死んじゃったんだけど、惜しいキャラクターだなぁ。



↑「エピソード1」公開当時に買っちゃった
ダース・モールのダブルブレード・ライトセーバー
「エピソード2」でのドゥクー伯爵のライトセーバーもカッコ良かった。
やっぱり悪役のキャラが強烈だと、話しも断然面白くなる。

う~~ん、前3作の「トリロジー」もDVDで欲しいなぁ…



新宿でちゅらかじ

2005-07-30 | 


さてお楽しみの土曜日。
実をいうと、今日は会社に来てもやることがない。
家にいても何もすることがない。
パソコンは子供らに占領されているし
する事と言えばテレビを観ることくらい。
さて仕事が無いということになれば、遠慮はいらぬわ!
今日は前々から喰いたかった「くじら軒」に決めた。

この店もマニア垂涎、行列必至の店である。
本店は横浜。もちろん「さぁ」といって簡単に行けるところではない。
そのあまりの人気ゆえ、その後色々なところに支店ができた。
オレのが行ける範囲で一番近いのが、新宿駅の「MY CITY」内にある支店だ。
早速、暑い中をバイクを飛ばす。

ところが、靖国通りから新宿通に左折しようとすると「通行止め」
なんだ?事故? まさか歩行者天国?
バイクを降り、押して歩いていくと「新宿エイサーまつり」とある。



そういえばてんもりさんのブログで
「糸満エイサー」という記事を見たことがあった。

いわば本土でいう「盆踊り」のようなものかも知れない。
勇壮な大太鼓の音、女性の艶やかな手踊。
偶然とはいえ、いいときに来た。

しかし…

となると、ここ新宿で以前迷いに迷った「沖縄そば」が喰いたくなった。
でも今日は「くじら軒」と決めちゃったし…

あ、そーか
両方とも喰やぁいいじゃん、両方とも。
答は簡単だ。

幸いまだ踊りは始まっていない。
「MY CITY」の7階に向かって、案の定行列となっている
「くじら軒」に並ぶのだが…
思った通りカップルや家族連れが多い。



ガラス張りになった店内の様子では、小さなお子さんを連れた
二組のご家族が、行列など余所にまったりとされているご様子…
嗚呼…おとーさんなんかビール飲んじゃってるじゃん!
こりゃヤバイかな。諦めて「沖縄そば」一本に絞るべきか…
ところが案に相違して、その二家族が退店されると
サクサクと回転し始め、結局15分ほどで席に着けた。



メニューも結構豊富だ。
オレは「支那そば」に味玉をトッピング。



もちろん「沖縄そば」を見込んで普通盛りにするところなんざぁ我ながらエライ。

魚の香りが強めで、醤油のキリッと際だつスープ。
旨い!
隣にお座りの二人のご婦人は「塩ラーメン」。こちらも旨そうだ。

大満足で「くじら軒」を後にする。
新宿通では、やがて踊りが始まる。
このエイサー、男衆の衣装が実に格好いい。



太鼓の音も迫力満点、女性陣の踊りも素晴らしい。
ひとしきり見た後、路地に入って「沖縄そば やんばる」へ。



メニューを見て、一番腹に負担のなさそうな「やんばるそば」にした。



店内のメニューを見ても、「ゴーヤチャンプルー」や「足てびち」など
一通りのメニューが揃っていて、なかなか楽しい。

本場の「沖縄そば」への馴染みが薄いこともあり
これが「本物」かどうかはともかく、充分に旨い。
ただし、「麺」に関しては、数年前に沖縄の空港で喰った
「ソーキそば」のほうが格段に旨かった。
さらに欲を言えば、肉がもう少し柔らかいと文句はないところだが
次回は「ラフティそば」や「ソーキそば」にしてみよう。

それにしても苦しい…
親父の遺言を守って、どちらも意地になってスープまで残さず完食したものの
喰えなくなったなぁ。

はからずも新宿で吹いた「ちゅらかじ」

「がちまやぁ」への道は遠い…




病院嫌い

2005-07-29 | 生活


金四郎の検診のため、病院に行った。
家から表に連れ出すと、散歩だと思ったのか
いそいそと着いてきたが、車に乗せられる事がわかると
急に怖じ気づいたように尻込みをし始めた。
助手席では暑さもあるのか、ハァハァと息づかいが荒い。
心なしか少し震えているようだ。
余程先日のことが怖かったらしい。

病院に着くと、ご夫婦の獣医さんが金四郎を見てすでに半笑い状態だ。
こちらも余程印象に残る、変な犬だったようだ。

「じゃ、こちら(診察室)にどうぞ」

金四郎は足を踏ん張って動こうとしない。
無理矢理引っ張って、診察台に乗せる。
傷口の絆創膏をはずし、傷口をチェック。
化膿止めの薬を塗るだけの作業だ。

無事に診察も済み、抜糸は8月の3日。
鬱陶しいエリザベスカラーも、もう少しの辛抱だ。



金四郎を家まで送り、夕方には今度はオレが病院に行く番だ。
今までのは医者を見限り、その前まで行っていた歯医者に変えた。
オレは、歯医者というところが実は嫌いじゃない。
もちろん虫歯もないのに行きたがる程好きではないが
歯医者での苦痛よりも、痛みでものが満足に喰えない方が辛いので
手っ取り早く、早く治してしまいたい。
以前、歯を削る際に医師に聞かれた。

「ちょっと痛いですが、麻酔しますか?」
「いや、しなくていいです」

医師の言う「ちょっと痛い」がどの程度なのか知らないが
“面倒くさいので手っ取り早くやってくれ”と言う意味で言ったのだが
医師は驚いたような顔をして

「いや、麻酔した方がいいと思いますよ」

だったら聞かなくていいじゃん。
「麻酔します」と言やぁ済むじゃん。

別にオレは痛みに強いわけでも、辛抱強いわけでもない。むしろ逆だ。
ただ面倒くさいのが嫌いなせっかちな男なだけ。

今回の医師は、その点計が行く。

「削りますが、痛いので麻酔しますね」

そうそう、手っ取り早くやっちゃって!

麻酔が効いているから、全然痛くねぇや ハハ
「もっと派手に威勢よく削ってくんな!」
心の中でインチキな江戸っ子みたいな口調になりつつ、身を任せていた。
ああ、治療に3回くらいかかるなら3回分一遍にやってもらいたいくらいだ。

とっとと歯を治して、金四郎のようにバリバリ囓りつきたいぜ。



煽り煽られ…

2005-07-28 | 


鬼のようなスケジュールがようやく一段落した。
となると、悪い虫がムクムクと動き出してくる。
歯医者の予約を入れたのだが、治療は金曜日の夕方だ。
昨日などは、歯茎が腫れてろくに飯も喰えない有様。
昼メシ時、ニョウボに聞く。

「どう?オレの顔、腫れてるだろ?」
「もともと膨らんでるからわからない」

言うと思ったよ…

その痛みの腫れもいくらか治まった。
ニョウボは昼から出かけて、帰ってくるのは夕方だ。
よし、出かけるべ。

先日「神名備」のことを書いた際に、てんもりさんからコメントを頂いた。
てんもりさんのブログは、毎回旨そうな沖縄そばが掲載されていて
夜中なんぞに覗くと、悶絶必至である。
麺好きの「悪いお友達」ができたものだ。
そのコメントは、秋葉原にある「山彦(やまひこ)」に関することであった。

実は「神名備」に行く前に予定していた「塩ラーメンの旨い店」が
この「山彦」だったのである。
しかもよりによって、ご自分が行かれた際の記事のリンクまで貼っておられる。
どこまでも“憎い御方”…
仕事が忙しく、出るに出られないこんな時に。

よし、行くぞ!山彦へ!

場所は末広町。ちょっと路地を入った分かり難い場所である。

※ ここでてんもりさんに私信。
 「山彦」を出した鳥料理の店は「鳥よし」ではなく
 「鳥つね」です。正式には「鳥つね自然洞」と言います。

ここのお店は、行ったことはないのだが名古屋コーチンを使用した
極上の「鳥なべ」が絶品だそうで、ランチ時間には「親子丼」も喰えるという。
画像を見ただけでヨダレが溢れてくるような逸品である。

これもいつか“やっつけ”なくてはなるまいて…

さて、山彦
実はここ、以前は足繁く通ったものだ。
上等の鶏で取ったスープは、まさに絶品。
見ると随分とメニューも豊富になった。



「つけ麺」をはじめたのは知っていたのだが
「白山彦そば」「担々麺」「山彦辛ラーメン」…
これはイカン… この「白山彦そば」「担々麺」なんざぁ煽られまくりだ。
それでも今日は久しぶりということで「山彦そば」にした。



鶏の出汁がタップリと出た至高の黄金スープ。
麺は細麺のストレート。

あれ? つくねは?

そう。以前は鶏のつくねが具として乗っかっていて
その旨さと言ったら無かったのだが…

つくねの替わりに「ワンタン」が入ってらぁ…

残念だなぁ、コスト的に折り合わなかったのだろうか。

もう一つのお楽しみが、最初から半個入っている味玉である。
つくねにガッカリしてないで、この黄身の色をご覧なさい!
オレンジ色と言った方がいいくらいで、味の濃厚さもハンパじゃないのだ。
この味玉はトッピングでも追加できるので
この旨さを、是非とも堪能して欲しい。

煽られまくって久しぶりに行った山彦。
てんもりさんも仰っていたが、
「行きたい」と思ったら「日常的に行ける」場所にいる事の幸せ。

しかしながら、オレだって「沖縄そば」を喰いたい…
おあいこだよね、てんもりさん…

と、思っていたら9月に社員旅行で沖縄に行くことが正式に決定した。
ムフフ… さんざん煽ってくれてありがとう。
9月は「沖縄そば」を喰いまくりたいと思っております。


寂しがり屋

2005-07-27 | 犬猫


朝、ニョウボに叩き起こされた。

「病院から電話があったよ。金四郎が大変だって!」
「えっ?」

一気に目が覚めた。
昨日、何も連絡がなかったので大人しく無事に済んだのだろうと
安心していたのだが…

午前中、病院に向かう。
玄関を開け、受付の女医さんに
「あの、金四郎を…」と言いかけると
オレの顔を見て笑いだした。

「いや~、いいコなんだか悪いコなんだか…」

詳しく聞くと、手術後は痛みもあったのか大変大人しかったらしい。
夜になっても、他の犬とトラブルも起こすわけでもなく
至極静かで「大人しいワンちゃん」だったという。
ところが、夜の10時くらいに突然吠えはじめた。
「引き取ってもらおうか」と思われたそうだが
それも30分ほどで治まり、静かになったらしい。

明け方、首に巻いた『エリザベスカラー』を自力でひっぺがし、
ガリガリに囓ってダメにしてしまった。



おまけに胴に巻いていたハーネスもはずして、こちらも壊してしまった。

朝方の電話は、もう使えなくなったエリザベスカラーの買い取りと
壊れたハーネスの替わりを持ってきて欲しいとの事であった。

「よくこういうことがありますか?」
女医さんが聞く。

金四郎は寂しがり屋である。
深夜、一人にしておくと寂しがって吠えこそしないが
オレ達や子供らの寝室のドアをガリガリと「開けてくれ」と引っ掻く。
初めての場所での夜の寂しさに、耐えきれなかったのだろう。
伺うとエサもまるで口にしなかったらしい。

病院に来る前、近所のペットショップで急遽ハーネスを購入。
それとお揃いのリードも「罪滅ぼし」だ。

「今、連れてきますからね」

でっかいカラーをつけられた金四郎。



オレの顔を見ると、まだ傷が痛むらしく
それでも笑ったような顔をして、尻尾を振っている。

「ワケのわからないワンちゃんね、金ちゃん!」

女医さんがポンと金の肩を叩く。



寂しかったんだよな、金四郎。
ごめんな…
でも無事に済んでよかったな。



痛々しい金四郎の手術痕。

リタの奴は、敏感に察知したらしく
今までだと金四郎が同じ部屋にいるだけで、
カーテンの裏に隠れてしまっていたのに、金四郎の様子をジッと見ている。
復讐の機を狙っているような「悪い目つき」だ。

深夜、金四郎を散歩に連れていくと
心なしか大人しくなったようだ。
まだ慣れないエリザベスカラーを、ボコボコといろんなところにぶつけつつ。
もうちょっとの辛抱だ。
いつかきっと、リードを放して広いところを走らせてやりたいものだ。




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臆病者

2005-07-26 | 犬猫


金四郎は臆病な犬である。
他のオス犬に対する反応があれだけ凶暴なクセに。
オス犬の本能だろうか。
伺うと、柴犬は特にその傾向が強いらしい。
とにかく散歩の時、細い道で向こうから犬が来ると緊張する。
リードを放そうものなら飼い主の言葉なんぞに耳を貸さず
一直線に飛んでいってしまうのだ。
相手がどんな大物だろうがお構いなし。

以前、自分の5倍くらいありそうなアラスカンマラミュ-トという
シベリアンハスキーの一回りでかいような犬に無謀にもケンカをふっかけた。
その犬、普通でもでかいマラミュートを、さらにでかくしたような
志ん生師の噺で言う「馬の弟」みたいなヤツ。
飼い主は中年の女性であったが、散歩中警察官に
「この犬が一緒なら安全ですね」と言わしめたほどの犬である。
当然、ケンカにはならない。
最初は相手にしなかったが、あまりにも金四郎が鬱陶しかったのだろう。
「ウォン!」と一声で、戦意喪失。
当然と言えば当然だが、そういうヤツだ、金四郎は。

かと思うと人間に対しては大変大人しい。
犬というのは敏感なもので、自分のことを好いてくれる人をよく知っている。
逆に「あ、コイツはオレのことが嫌いだな」と感じると一気に緊張する。
ある晩の散歩中、先方の曲がり角から若い女性が出てきた。
余程犬が苦手なのだろう。金四郎の姿を見るやいなや立ち止まり、
歩道の植え込みを挟んだ道に逸れた。
それを見た金四郎は唸りはじめた。
「自分を嫌いな奴」=「自分に危害をくわえる奴」と認識するようだ。
普段は決して人間に対し、敵意を剥き出すような犬ではないのだが。

さて、前置きが長くなったが今日は金四郎の手術である。
日曜日、浅草に行く前に金四郎を綺麗にシャンプーした。

浴室の戸を開けると、察知したのか「水嫌い」の金四郎は
さっと玄関の方に逃げ出した。
狭い家の中、逃げられるわけはないのだが
無理矢理ダッコして、浴室へ連れ込む。



まずは、ザッとシャワーで身体を湿すのだが
こういう短毛種の犬は、水を弾くので丁寧に身体を濡らしてやる。



シャンプーを何回かに分けつつ、丁寧に洗っていく。



どうやら観念したらしく大人しい。




問題はシャワーが済んでからである。
決して大人しくドライヤーなどをさせてくれない。
夏場のこと、タオルでよく拭いてやり、ベランダで自然乾燥だ。
濡れた身体をベランダの床にこすりつけ、ひとしきり暴れると
窓辺ではリタが不思議そうな顔で見ている。



さて、今日はいよいよ病院に行く日である。
ニョウボの運転で病院の前まで乗せてもらう。



車の中でも、やや不安そうな面もちだ。

案の定、病院に着くとソワソワしはじめた。
受付を済ましている間「おすわり」をさせていたのだが
ちょっと目を離すと、玄関のドアから逃げ出しそうな勢いだ。
「病院は痛いところ」という思いがあるようだ。
先生に導かれ、診察室に入る。
体重計の付いた診察台に乗せ、先生と問診。
見ると、金四郎が小刻みに震えている。
よほどコワイらしい。
なんだか急に愛おしくなってしまった。金四郎の首を抱き
「大丈夫、大丈夫、怖くないからな」と頭を撫でてやるが
あまりの震え方だったので、このまま連れて帰りたいくらいだった。

「手術はすぐに終わります。麻酔も昼頃には覚めるでしょう。
今日は一晩泊まっていただきますが、あまり鳴いたりするようですと
今晩引き取ってもらうかも知れません。
その時は電話をしますから」

大丈夫だろうか。心配になってきた。
一気に良心の呵責に苛まれた。

辛抱してくれよ、金四郎。



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クリーンヒット

2005-07-25 | 


昨年の暮れ、歯の治療を開始したのだが
どうもこの歯医者、ヤブなのか丁寧すぎるのか
治療後に穴に詰めた石膏がすぐに取れてしまう。
今までいろんな歯医者に行ったが、こんなことはかつて無かった。
痛みはないのだが、穴の空いた歯では旨いものも不味くなる。
今年の始め、スキーに行った際、ガムを噛んでいたら
治療中の歯の一つおいた歯の銀が取れてしまった。
どうもあの歯医者には行く気がせず、騙し騙し噛んでいたら
今度は反対側の奥歯まで欠けてしまった。
これでは固いものは全く噛めない…
子どもの頃、歯磨きをちゃんとしなかった罰が当たったのだろう。

夜、友人に誘われて近所にお好み焼きを喰いに行った。
この店のママさんは京都の出身で、以前はスナックをやっていた。
このママさんの娘さんが、ニョウボと子供の保育園時代の友達なので
以前はよく呑みに行っていたのだが、一昨年辺りだったか、
お好み焼き屋を始め、この店が実にうまい。
オレ達家族4人と、友人とその娘さんとで
久しぶりに落ち合い、お好み焼きを堪能した。

実を言うと、オレは仕事がメチャメチャ忙しい。
とてもお好み焼きでビールなど呑んでいるバーイではないのだ。
ニョウボもそれを知っていながら

「どうせ晩ご飯食べるんだから、お好み焼きだけ食べに来れば?」

お好み焼きを前に、ウーロン茶を呑めと言うのか?
こんな残酷な話しはあるまい。
とかなんとか言いつつも、ノコノコと仕事を抜け出して店に。

ま、ビール一杯くらいならいいんじゃない?

いいよね?いいよね?!

自分で自分に言い聞かせ、ビールを注文してしまった…トホホ

まずは、オレの一番好きな「牛すじの煮込み」



青唐辛子が乗って、ピリ辛だがこれが実に旨いのだ。
で、このおつゆがまた旨いのよ。
飯にぶっかけて喰ったら最高だろうな…

嗚呼…仕事なんてうっちゃらかしてしまいたいぜ!



本場京都の「九条ネギ」をどっさり入れた「ネギ焼き」



焼きそば入りの「ベタ焼き」



「じゃがいも&チーズ」



「そばめし」



「もちバター」

アッと言う間にビールの一杯はなくなり
ウーロン茶にチェンジする悲しさよ…

ニョウボと友人は、旨そうにサワーを呑んでいやがる。
じゃ、オレはウーロンハイに…と言いかけると

「え~、この後仕事じゃないの?」

クソッ!

取り合えず腹イッパイになったので、金四郎の散歩をニョウボに頼んで
一足先に会社に戻る…と

右上の穴の空いた奥歯が痛み出した。
おそらくは「牛すじの煮込み」の筋のコリコリがまずかったらしい。
痛み止めの薬を飲んで、明け方に家に戻り
明日は金四郎を手術に、朝早く連れて行かねばならないので
取り合えずベッドにもぐずりこんだのだが…

うう…
歯が痛てぇ…
眠れない…

虫歯にクリーンヒットした牛すじのおかげで
一時間も眠れなかった。

金四郎の手術が終わったら歯医者に行こう…



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メッカへ

2005-07-24 | 雑感


かねて懸案の寄席に行こうということになった。
うちでは今更ながらドラマ『タイガー&ドラゴン』ブーム。
昔はそれこそ一町内に一件ずつの寄席があったと言うが
現在、都内に常打ちの寄席はもはや片手で数えられるくらいである。
だったら、ドラマの舞台でもある「浅草演芸ホール」へということになった。
浅草なら仲見世もあるし、せっかくだから江戸情緒を堪能しようというわけだ。



地下鉄を降りると、人力車が走っていたりして
いやがうえにも気分は盛り上がる。
デジカメを持って撮影をしながら歩いていると
まるでこちらまで「御上りさん」である。
昼飯を喰わずに出てきたので、小腹が空いた。
寄席が跳ねるのは9時を回るであろうということで
仲見世を冷やかして歩きながら、いろいろなものを喰おうじゃないかと決まった。



まずは「人形焼き」
お土産用の詰め合わせもあるが、食べ歩けるように一個から買える。
鉄板から出したての、火傷するような熱さのヤツを頬張る。

旨い!



さて次は「揚げまんじゅう」だ。
色々な種類があるが、一番シンプルな「白」。
冷たいお茶とのセットで100円。



仲見世を抜け、観音様でお参りを済ませると、露店が建ち並ぶ。
長男は早速大好きな「チョコバナナ」を目敏く見つけた。



オレとニョウボは、焼き鳥と牛の串焼きを肴にビールを流し込む。



いい気持でフラフラと歩いていると、
やがてドラマでお馴染みの風景が目に飛び込んできた。



もう20年以上前になろうか、一番落語を熱心に聞いていた頃
TBSラジオで、土曜日の早朝に「早起き名人会」という番組をやっていた。
落語の音源収集では有名であった、TBS(当時)の川戸貞吉さんが
パーソナリティを勤める番組で、昔の貴重な放送を
ゆかりのある噺家さんや、評論家などをゲストに呼び
当時の思い出を語りながら、懐かしの名人芸を聞くという番組だった。
毎週土曜日の朝、5時頃からの放送だったが、
オレはこの番組が大好きで、いつもタイマーをセットして録音していた。
何度か、公開録音もし、一度抽選に当たったオレは喜んで出かけていった。
そこで同じようにテープの収集をしている人達と親しくさせていただき、
時々、集まっては情報を交換したり酒を呑んだりしたものである。
その仲間と一度だけ、この浅草演芸ホールにも来たことがある。

オレが一番よく通ったのは、今は建て替えられてしまったが
当時の「池袋演芸場」であった。
ここは唯一の畳席で、座布団を敷いて落語を楽しむ。
中入りには売店で、小盆に乗ったお茶を買うと、煎餅がつく。
こいつを啜りながら中入り後の話しを楽しむわけだ。
この席では、年に何度か談志師匠がトリを勤める。
談志師匠のトリの興業は、通える限り通い、
カセット持参で、噺を録音したりしたものだ。
本来寄席では、というより音楽や芝居、ライブなどでの
撮影や録音は禁止であるが、談志師はご自分もテープの収集かであるためか
そういうことには理解があり、「録音してもいいよ」などと言ってくれたものだ。
いまでも、当時の録音がカセットに残っている。オレの宝物だ。

寄席の興業は10日間である。
月の1~10日、11~20日、21~30日を「上席」「中席」「下席」とわけ
10日間、同じ番組が続く。大の月の31日は
独演会だったり、若手の会やバラエティ番組を行う。
オレは談志師のトリの席を、毎年楽しみにしていた。

寄席というのも自体、来たのも随分と久しぶりだ。



夜の部の主任(トリ)は古今亭志ん五師。
今は亡き名人、志ん生師の最後の弟子で、与太郎噺を得意とする。

因みに、噺家の位は「前座」「二つ目」「真打ち」
前座で3~5年、二つ目が10年、約15年の修行の後、「真打ち」となる。
真打ちになると、寄席でトリを勤めることができ、弟子も持てる。
トリとは、その番組の最後に出る演者のことで
「客を取り(トリ)込む」から「トリ」という。

さて、久しぶりの寄席。



場内は撮影禁止なのだが、とりあえず誰もいない高座のみをこっそりと撮影…

ドラマ「タイガー&ドラゴン」の舞台ではあるが、あれは外観のみ。
ドラマでの高座はセットである。本当の高座は、
はっきりいってもっと汚い…いや、年季が入っていて狭い。

出演者は17~18組、もちろん落語ばかりではない。
漫才があり、マジック、太神楽などが落語とほぼ順繰りに出てくる。
落語以外の芸人を「色物」と言う。
寄席の番組表で、噺家は黒、その他の芸人は赤い文字で名前が書かれている。
それが為に、「色の違う文字」で書かれている芸人を「色物」と呼ばれている。

日曜日ということもあって、結構な入りである。
若い人も多い。やはりドラマの影響も強いのであろう。
番組は順調に進み、中入り(休憩)を迎えると
案の定、子供らが「帰りたい」と言い出した。
それでも「せっかく来たんだから」となだめすかし
中入り後の番組が始まる。
当然の事ながら、出番が遅くなってくると実力者が続き、
俄然客席も活気が出てくる。
ニョウボも子供らも大きな声で笑っている。
もちろん楽しんでくれれば、それに越したことはないが
「寄席」の雰囲気を知って貰えれば充分であったのだが
やはり家族が楽しそうに笑っているのはいいものだ。

そうなんだ。
やっぱり笑わなきゃ。
「笑うかどには福来たる」というがまったくだ。
ドラマの中で、こんな台詞があった。

「どんなに辛いときでも、平気で笑っていられるヤツがホンモノなんだ」

そうかも知れない。

トリの志ん五師の出し物は「蜘蛛駕籠」
笑いの多い噺である。
大満足で寄席を後にした。




帰りの仲見世は、殆どの店が閉まっていたが
一件だけ開いていた店で「人形焼き」をお土産に買って
駅前の「神谷バー」で晩飯。



時刻は既に9時を回っている。
10時閉店のため、ラストオーダーまで20分くらいしかない。
あわてて食事を頼み、オレとニョウボは串カツに生ビールで乾杯。
オレはその後、楽しみにしていた『電気ブラン』を。



僅か20分くらいの時間で生ビールと電気ブラン2杯を
あわてて呑んだ為、かなり酔っ払ってしまった。
今度はゆっくりと呑みにきたいものだ。

ドラマのおかげでブームとなった落語…

江戸情緒のメッカで堪能した一夜。

寄席が跳ねて、外に出たとき口々に皆が言う演者や出し物のうわさ話。

「面白かったねぇ」の一言。

心地よい酔いと疲れ。


明日からも、また忙しくなりそうだが
いつでも笑っていられる余裕を持ちたいものである。


日本一美しいラーメン

2005-07-23 | 


「毎日ラーメンばかりでよく飽きないわね」
ニョウボが言う。
そりゃオレだって、同じ店で同じラーメンばかりだったら飽きるわさ。

醤油、塩、味噌、とんこつとスープがあり
仕込む材料によって、当然味も違うし
麺も太かったり細かったりと、店の数だけラーメンの味がある。
毎日、毎食喰ったところで、とうてい追いつかないくらいだ。

ま、でもニョウボの言うことが正解であろう。
オレだって味も店も違ったところで、毎日カレー喰いたいとは思わねぇもん。

さて土曜日だし、今日はラーメン喰うぞ!

いや、昨日も喰ったじゃん…


今日は朝から「塩ラーメン」の気分なのだ。
さて、どこに行こうかしらんと、雑誌やネットで検索し
とある塩ラーメンの旨いところに決め、会社を出た。
白山通りを秋葉原方面に向かって走り出す。
巣鴨を過ぎ、不忍通りとの交差点で信号待ちしていて
ふと思いついた。

「あっ、神名備にしよう!」

白山通りから不忍通りへ左折し、日暮里・上野方面へ進路を変更した。
土曜日だし、混んでなければいいのだが…
道坂下を越え、やや行くと「神名備(かむなび)」に着く。
行列はない。ヤッタ!
店の隣には、以前は無かった「180円ラーメン」の店が。



こりゃ強敵だなぁ…
「神名備」は価格的に言うと、決して安いラーメン屋ではない。
しかし価格に見合うだけの店であると言うことは確かである。
とにかくあっさり味のラーメンに対する偏見があり、
「濃い味」好きのオレが、ここの「神名備そば」で打ちのめされた。
「塩ラーメン」の旨さを教えてくれた店なのである。

注文したのは、もちろん「神名備そば」
まず、このビジュアルを見て欲しい。



アアン ステキ…

こんな美しいラーメンは、どこに行ってもないであろう。
澄み切ったスープは黄金色に輝き、コンソメのような味わい。
カイワレのグリーンと、最近珍しくなった周りの赤いチャーシュー。
玉子を使った練り物もラーメンの具ではお目にかかれないものである。
麺は「全卵麺」。固めで芯が残っているような感じだ。

料理人は味のセンスもさることながら、美術的なセンスも要求される。
優れた料理人は、皿の上に素晴らしい絵を描き上げるのだ。
こう美しいと、崩してしまうのがもったいないくらいだ。

ビジュアル面だけではない。もちろん味も極上。
メニューには
「“普段スープを残される方”“ハッキリとした味をお好みの方”
“取り合えず胡椒など調味料を入れる方”にはお薦めできません」
とある。“スープを主体としたラーメン”であるという事だ。
「スープを残すやつは頼むな」と言いたげだが
確固たる実力に裏打ちされた自信。
もちろん親父の遺言を守らずとも
こんな素晴らしいスープ、一滴たりとも残せるわけがない。

お店はご夫婦二人で切り盛りされている。
その点で、ややオペレーションの不手際も感じられるが
小柄で可愛い感じの奥さんは、とても元気でキビキビして気持ちがいい。
カウンターの上には、色々な種類の漢方薬の瓶が置かれている。
店内の独特の香りは、漢方薬のよるものかも知れない。
以前、家族で来たとき、ここのもう一つの売り物である
「杏仁プリン」を喰ったが、これも素晴らしく旨かった。

ここ「神名備」で喰う以前、「あっさり味」のラーメンというものに
偏見を持っていたのだが、「あっさり」と「うすい」のは
まるで違うことを思い知らされた。

オレの目からウロコをとってくれた「神名備そば」

日本一美しいラーメンである。


“今”一番有名なラーメン

2005-07-22 | 


変な事件で“今”一番有名になってしまった名店「青葉」
もう3年以上前になるが、一時期凝りまくって
週に3度くらい喰いにいっていたことがある。
本店は中野にあるのだが、支店の飯田橋をはじめ、
ちょうど新宿御苑に支店ができたばかりの頃であった。
なかでも中野の鍋屋横町にある店は、いつも空いていて
会社からではちょっと遠いのだが、よく行ったものだ。

ラーメン界では新しい潮流となった
トンコツや鶏ガラの動物系と、カツオ節やサバ節といった魚介系でとった
別々のスープを、最後に合わせて出す「ダブルスープ」は
この「青葉」が有名にしたもので、以降これを真似た店が続出した。
「青葉インスパイア(影響)系」と呼ばれた店である。
何事も「真似」する事から始まる。
今では押しも押されもせぬ名店になった九段の「斑鳩」
開店当初は「青葉の真似」などと陰口を言われていたりもしたようだが
そこから独自の素晴らしい「斑鳩」のラーメンを作りだした。



競争の激しいラーメン界において、生き残っていくのは難しいものだ。

数多の類型が生まれ、「典型」となった「青葉」。
図らずも妙なところで有名になってしまったが
今日はどうしても「青葉」のラーメンを喰いたくなって
地獄のような仕事のスケジュールも一段落したこともあり
飯田橋の支店にバイクを飛ばした。

時刻は2時をちょっと廻った時間である。
「青葉」自体、もう2年振りである。
店の前に着くと、時間が時間だけに行列は2~3人。
しかも今喰っているのは団体さんの様子である。
小学生の子どもと、その親御さんといった風情だ。
並んでいる間、周りを見るとなんとも凄いロケーションである。
この店はビルの1階をテナントとしているのだが
なんと並んだ4軒がすべて麺類の飲食店。



しかも隣は、あの「大勝軒」だ。大勝軒の隣は中華料理店で
ここは麺類の他に定食などもおいているようだ。
「青葉」の隣には「おけ以」という、やはり中華のお店。
ここは「餃子」と「タンメン」が売り物であるという。

飯田橋というところは、学生とサラリーマンが多い。
当然、飲食店も多い。
こういうところに拠点をおく人達は羨ましい限りである。

さて、久しぶりに来た「青葉」
メニューは「中華そば」「つけ麺」の二種類に
「特製」と呼ばれる、チャーシュー、味玉、メンマが増量になるもののみ。
普段、チャーシュー麺というものを喰わないオレだが
なんとしても味玉が喰いたかったので「特製中華そば」にした。



トッピングメニューで味玉があると嬉しいのだが…

チャーシューは肩ロースだが、これがホロリと崩れるくらい柔らかく
味玉も黄身が流れ出してくるくらいの半熟。
スープはやはり魚介の出汁が強く、好き嫌いが別れるかも知れない。
ニョウボと一度、鍋屋横町店に行ったのだが
彼女はこの魚介の香りが強すぎてダメだったという。

久しぶりに喰ったが、やはり旨い。
既に首都圏で10数店の支店があるそうだから
あんな事件が無くとも、充分に有名な店なのだが
やはり敷居が高くなってしまったのは事実。
とくに人の出入りが多いサンシャインシティ店は
いつになったら喰えることやら…

近いし、便利なんだけどなぁ…


元気です

2005-07-21 | 犬猫


まずは私信です。
先日、金四郎の去勢について書いたところ
何人かの方からアドバイスを頂きました。

横須賀みおさん、bee-bee7600さん、
花ふぶき・てんちょうさん、ユキティさん
ありがとうございました。
皆さんのアドバイスを参考にし、手術を決意しました。
予定日は7月26日です。

* *************************

相変わらず2匹は距離を置いての生活が続いている。
そのため、大きなトラブルは起きず、2人とも元気である。
家人が留守の時や、深夜はリビングの戸を閉め、
金四郎は廊下側、リタはリビングで過ごしている。
リビングの戸は、長いガラスがあるため、
時折金四郎が覗き込んで、リタと目が合うと吠えたりする。

深夜、皆が寝静まった後、オレが一人でテレビを観ていると
リタがチョコチョコと近づいてくる。はやり人が恋しいらしい。



オレの観るテレビの上に陣取って、オレの一挙手を眺め
時折小さい声で鳴き、床に降りてきて窓際にチョコナンと座り
ベランダの外をジッと眺め、甘えるように鳴く。



オレが「どうした?」と聞くと
オレの顔を見て、何かを訴えているような感じだ。
仕方がないので、猫用のリードをつけてベランダに出してやると
怖いのか、匍匐前進のように身をかがめて歩き出し
時折、冷たいコンクリートのベランダが気持いいらしく
ゴロンと横になったり、おっかなびっくり手すりに近づいて
下を覗き込むような仕草をする。



ひとしきり遊んだ後は、満足したのか大人しくなる。

金四郎は廊下で寝転がっている。
思えば金四郎には悪いことをした。
金四郎にしても「リタをいじめてやろう」などという
意地悪な考えなどありはしないであろう。
犬と猫、相容れないのはむしろ当然のことかも知れない。
花ふぶき・てんちょうさんが仰っていたように
ペットとして飼うこと自体、そもそも「自然」を壊しているようなものであろう。
しかし、もはや家族同然である金四郎とリタ。
どちらとも別れるわけにはいかない。
金四郎には可哀相なことをしたが、
一番小さくて弱いものをまず守ってやらねばならない。



ごめんな、金ちゃん
手術が終わったら、たくさん遊ぼうな。

そうだ、日曜日は綺麗にシャンプーしてやろうな。


17歳

2005-07-20 | 家族


“だぁ~れもいない海
二人の愛を確かめたくって~♪”

別に暑さで逆上せたわけではない。
オレ達の年代であったら誰もが憧れた往年のアイドル
南沙織さんのデビュー曲だ。
実はオレは天地真理派だったのだが…

娘の誕生日である。
本来なら、それこそ“愛を確かめ”ようというお年頃だが
うちの娘にはトンとそういう色っぽい話は出ず
相変わらず漫画ばかり描いて、アニメばかり見ている。
自分が17歳の頃と比べると、男と女の違いこそあれ、
もっと世の色々な事への好奇心だとか、片想いの女の子への恋心で
胸が張り裂けそうな時期であったのだが…

ともかく、娘が17歳になった。早いものである。
イメージの問題だが、16歳と17歳では随分違うものだ。
長男もそうだが、この年代にしては子どもっぽい二人が
いったい将来どんな大人になるのだろうと思うと
“おとーさん”は結構心配なのだ。
家では内弁慶だが、一旦外に出ると
喰いもの屋の店員にすら、声をかけることもままならない。

しかしながら、やはり自分のこの頃と比べると
子どもは子どもで結構苦労はしているものなのである。
こんな内気な奴ら…学校で先生や友達の前では
きっと子供心に恐ろしく気を使っているのであろう。
それを考えると、家の中での“弁慶”っぷりも多目に見てやろう。

さて、恒例の誕生会。
いつもなら外食なのだが、今回は近所に住む義母宅にて行った。

日曜日になるとゴルフ三昧で
ちっとも孫の面倒など見ないおばあちゃんも
この日ばかりは、朝からにものを作ってくれたりして
腕を振るってくれたらしい。



メインこそ寿司を取ったりもしたが、手ずから作ってくれた
煮物や野菜サラダは、まさにオフクロの味で
こればかりはそんな高い金を出そうとも、外食では味わえないものである。

実をいうと、昨日から仕事の進行状況が地獄のような有様なのだ。
オレは仕事を抜け出してきたため、酒を呑むことも控えなければならなかった。
今夜は娘が主役。
つまらない冗談にも、みんなで付き合いながら歓談をし、
メインは近所の鮨屋からとった“にぎり”である。




義母が作ってくれた「つみれ汁」が素晴らしく旨い。

勝ってきたケーキにロウソクを年の数だけ立てて誕生日を祝う。



いくつになっても嬉しいもの。


“早く 強く つかまえに来て♪
好きなんだもの
私は今 生きている”

「早く誰かに捕まえられて欲しい」という気持ちと
「こんな子どもが嫁にいけるのだろうか」という心配と
「いつまでもそばにいて欲しい」という思いとが
ごちゃ混ぜになった17回目の誕生日。



陽の輝く街

2005-07-19 | 
三連休といえど、結局たいしたこともしなかった三日間。
昨日は、家族でせっかくだからと言うことで
池袋のサンシャインシティにいった。
オレは「青葉」が気になって気になって仕方がなかったのだが
例の事件のおかげで、おそらくは逆に宣伝効果となり混雑が予想された。
案の定、店の前はエライ行列である。

それにしても情けないことをしたものだ。
容疑者の店も、ネットで検索をするとちゃんとラーメンサイトに載っていて
評判も決して悪くない。
オレのところからでは遠いので、滅多に行けるところではないが
喰ってみたいと思わせるビジュアルもちゃんと持っていたし
地道にやっていれば、そこそこいいお客さんもついたのではないかと思うと
つくづく馬鹿なことをしたものである。
「青葉」のご主人はケガをされたというが、軽いようなのでよかった。

しかしこうなってくると無性に喰いたくなってくる。
近々いかなくてはなるまいて…

さて、晩飯は子供らのリクエストでうどんを喰おうということになった。
ここ「杵屋」は、今のような讃岐うどんの店が、まだ東京に少なかった頃
前の会社の連中とよく来たものである。
その当時とは随分メニューも変わったようだが
なかなか旨いうどんを喰わせてくれる。
本場、四国の讃岐うどんを喰ったことがない身としては
いつもここで本場の味に思いを馳せる。

長男はここの「モチチーズカレーうどん」という
おっそろしく胸の焼けそうなメニューが大好きで、いつもこれだ。



オレはシンプルな「生醤油うどん」というのにした。



ツルツルと喉越しよく入ってしまう。
サイドメニューの「いなり寿司」が終わってしまったので
なんとなく物足りなさが残り、じゃぁ「シナボン」に行こうということになった。



このシナモンロールというのを初めて喰ったときの感動は忘れない。
いかにもアメリカのお菓子という感じのでかくて甘いロールケーキ。
何年か前、ここサンシャインに出店されたときには
家族揃って勇んで出かけたものである。

店内に拡がるシナモンの甘い香り。
オープンキッチンのようになっていて、シナモンロールを作る様子が見え
それを見ながら、甘い甘いドリンクと一緒にシナモンロールを喰っていると、
ちょうど隣の席に、アメリカ人の中年紳士が座った。
一人で老眼鏡越しに新聞を読みながら、ナイフとフォークを器用に操って
シナモンロールを喰う様が妙にカッコ良かった。
これは一人で一つ喰うにはボリュームがありすぎ、
とても食後のデザートとはいえないので、「シナボン」を一つと
もう一つはキャラメルとピーカンナッツがたっぷりとかかって
更に甘い「ピーカンボン」をテイクアウト。
自宅に戻って半分に切って家族で喰う。




「甘さ控えめ」とか「あんまり甘くなくて美味しい~」なんてクソ喰らえ。
オレは甘いものは「ウッ!」となるくらい徹底的に甘い方がいい。
“もうしばらく甘いものは喰いたくねぇ!”というくらい。
こんないかにも健康に悪そうなものは、一つで充分だ。
悪魔の囁きにも似た、まさに“密の味”
体に悪いものだからこそ旨い。
甘さ控えめだと、ついつい喰いすぎてしまうのだ。
なんか負け惜しみをいっているようにも聞こえるが
“陽の輝く街”サンシャインシティは
旨いものを求めて彷徨うオヤジのオアシスなのだ。


嗚呼…無明長夜もかくばかり…


豚は友達

2005-07-18 | 料理
久しぶりに何か作りたくなった。
ここのところ、小遣い稼ぎもあって
娘がずっと晩飯の支度をしていたのだが
こいつ、時折あからさまな手抜きをする。
毎日同じものでも苦にしないヤツなので
とにかく気に入ると、毎日のように同じものを喰う。
春休みの頃だったかハヤシライス、しかもレトルトのやつに凝り
学校が休みだったせいもあって、昼になるとコンビニに行って
ハヤシライスのパックを買ってきて喰っていたし、
先日もそうだった。ニョウボが留守だったので、
「今晩はカレーにしてよ」と頼んでおいた。
家に帰ると、娘手製のカレーの鍋の横に
レトルトカレーのパックの出し殻が置いてある。

「おい、まさかコレを鍋に入れたんじゃあるまいな」
「ううん、それはお昼に食べた分」

晩飯にカレーを作るのに、昼にレトルトのカレーを喰ったのか?

で、一日おいて、またカレーを作りやがった。
いくらカレーが好きでも一週間に2回も喰えるか!

ニョウボが「煮物」を喰いたいというので
↓前回、家族に好評だった「豚の角煮」に再挑戦だ。



夕方、いつもの肉屋でバラ肉のブロックを1キロ。
すると肉屋の若旦那が、笑いながら言う。

若旦那 「これは旦那さん(オレのことね)が作るんですか?」
オレ  「ええ、そうですよ」
若旦那 「えらいですねぇ」
オレ  「いや、角煮とかチャーシューくらいしか作りませんから」
若旦那 「どれくらい煮込まれるんです?」
オレ  「5時間くらいですかねぇ。明日食べるように今夜からね」
若旦那 「じゃぁ本格的だ」

お世辞もあろうが、「木に登る」性格ゆえ悪い気はしないものだ。

というわけで、日曜日の夜
例によって家族が寝静まった時間から仕込みを始める。
まずは、煮くずれがしないように表面に焼き目を付ける。
前回はこの時に、肉を倒して跳ねた油で火傷を負った。



いまでもうっすら黒ずんだ跡が残っている。
同じ失敗をしないよう、注意して焼き目を付けていく。



前回の反省点を留意しつつ、今回は肉を大きめに切った。
右が前回分。今回に比べるとかなり小さかった。

ニョウボが「何か野菜を入れて欲しい」というので大根を入れることにした。
「かつらむき」などという上級テクニックは持っていないので
ピーラー(皮むき器)を使って、さらに面取りをしていく。



肉と同じ時間煮込むと、大根がグズグズになってしまうので
肉が煮上がり、そこそこ味もしみ込んだ頃に投入する。

ここで大根に関する蘊蓄をひとつ。

よく売れない役者、拙い役者を「大根役者」などという。
大根という野菜は、どんなものと一緒に料理しても相性がいい。
決して中る(腹をこわす)危険がない。
「中らない」と「当たらない」を引っかけて
「当たらない役者」「拙い役者」をして
「あいつは“大根”みたいな役者だ」というところから
生まれた言葉だという。
しかしまた別の説もあり、決して邪魔にならない
「主役を引き立てる」といういい意味で使うことも昔はあったようだ。

さて、そんなこんなで肉も煮上がって味も
イイ感じに染み込んできたので大根を投入する。



ここから更に、大根が柔らかくなるまで煮込んでいく。



イイ感じ、イイ感じ

前回の反省点・その2
脂の多すぎ。
今回は翌日、冷えて表面に白く固まった脂を丁寧に取っていく。

前回の反省点・その3
前回はゆで卵を入れて一緒に煮込んだのだが
喰う段階で、固くなり過ぎて評判がよろしくなかったので今回は半熟にした。
別鍋で、同じ味のスープをつくって冷まし、半熟の玉子を入れ一晩寝かした。

さて、出来上がった。

豚も大きく、柔らかく仕上がった。
喰う際に乗せた玉子も、半熟でイイ感じの味の染み具合。



丼に盛りつけて「豚角煮丼」の完成である。

今回の失敗点
大根の煮すぎ。
写真でお分かりのように、かなり黒っぽくなってしまった。
当然味も濃い。オレが喰って「濃い」と思うのだから相当なものだ。
おそらく大根の一切れで丼飯一杯喰えてしまいそうだ。
次回は別鍋で煮込むか、鍋に入れる時間をもっと遅くしなければなるまい。

中華料理屋のせがれとして育ったオレには
牛肉よりも豚肉の方が馴染みが深い。
柔らかく煮込んだ豚は、オレの中では上等な牛よりもランクは上だ。

豚はいつだってオレの友達なのである。



もう仲直りできないの?

2005-07-17 | 犬猫


リタと金四郎の仲がかなり深刻なのだ。
以前、金四郎があまりのリタの傍若無人ぶりにキレて以来
リタは金四郎に怯えている。
ここ2~3日は、カーテンの裏に引きこもって
金四郎の姿が見えると、まるで出てこないのだ。
深夜、リビングの戸を閉め、完全に隔離した状態なのだが
リタが恐る恐る出てきても、金四郎の姿を見ると
サッと逃げてしまう。怯えきっている姿が痛々しい。

金四郎をリビングから閉め出すと、子供らは
「金四郎が可哀相だ」と文句を言うのだが、そこは動物のこと。
いくらオレ達が「いじめちゃダメ」と言ったところで
本能に従うばかりで、聞き入れるわけもない。
金四郎の方では、たまにリタに近づき
ちょっかい程度は出してみたくなるらしく
そういうとき、尻尾を振っているので
まるっきり「敵視」しているのではないようなのだが
如何せん、怯えきったリタの姿で興奮してしまうようだ。

人間に置き換えてみて考えると、
自分をよく思っていない、倍近くある大きな男が
近づいてくれば、怯えるのも仕方ないところ。

オレ達が居るあいだは、気遣ってもやれるのだが
もし留守の間に大喧嘩が始まり、取り返しのつかないことになってはと
毎日心配しているこの頃。

心が痛い…





金四郎とリタを近づけてみた。
金四郎の方はどうということはないのだが
リタの怯え方が酷く、可哀相で仕方がない。

昨日、ニョウボと話し、金四郎の去勢を真剣に考えた。
なにしろこの金四郎、家では大人しくていい子なのだが
散歩に出たときなど、道でオス犬とすれ違うだけでも
かなりの敵意を剥き出しにする。
ユキティさんのブログなどで拝見するように
広い原っぱでリードを放して運動をさせたりすることなど
とても考えられないほどの乱暴者なのだ。
いっそ去勢してしまえば、大人しくなるのではと
以前、獣医にも相談したところ、
あまりお薦めは出来ないとのことであった。

昔、散歩の最中によくお会いする人がいて
その方の連れている犬は、金四郎とほぼ同じ年のオスの雑種であった。
その時、すでに金四郎はオスの本能に目覚め始めた頃で
とても危険な状態の頃であった。
そころがそのオス犬には、まるで平気で匂いを嗅ぎ合っていた。
飼い主さんに伺うと、去勢済みとの事で
至極大人しいワンちゃんだった。

リタのことを抜きにしても、今後交配の意思がないことも含み
去勢を真剣に考えているこの頃である。

同じ「オス」として、かなり気持ち的には忍びないのであるが
それは飼い主の勝手な気持ちとして、
最善の方法を選択したいのだが
どうしたものだろうか…

どなたか、このブログをお読みの方で
ご自分、あるいは周りで飼い犬を去勢された方の
アドバイスなど頂けるとありがたいと思っている。

どうかよろしくお願いいたします。