無明長夜もかくばかり…

食のこと、家族のこと、ペットのことや日々の雑感… 
手探りをしながら、書き綴っていきたいと思います。

暗黒の騎士

2008-08-17 | 映画


『ダークナイト』である。
前作の『バットマン・ビギンズ』も大好きな映画で
DVDで何度も繰り返し観ている。
もともとマスク好きなので、子供の頃から
テレビドラマの『バットマン』も大好きだった。
1989年に公開されたティム・バートンの『バットマン』は
アメコミらしい、漫画チックな荒唐無稽さが好きだったし
それ以降のシリーズも大好き。
スーパーマンのような、明るい正義の味方というより
どこか陰のある暗いヒーローがいいのだろう。



家族で行った「ワーナーマイカルシネマズ板橋サティ」
ニョウボと子供らは『崖の上のポニョ』を観たいと言ったが
こればかりは譲れない。
テレビのCMや、公式サイトで予告を観るにつけ
その期待度は高まる一方。
ここで宮崎駿は観られない!



まずは1階のフードコーナーにて腹ごしらえだ。
眠くなってはいけないので、きつねうどんで軽めに済ます。



ダイエット中はずっと断っていたポップコーン。
そろそろ標準体重になるので、今日から解禁。
やっぱり映画はポップコーンを頬張りながら観ないと!

さて、肝心の映画の方。

もう最っっっ高に面白かった!
2時間半という長さなんだけど、それをまったく感じさせない。
やや詰め込みすぎ感はあるけど、全然気にならないし。

ただし

「絶対にバットマンが助けに来てくれる」的な
ヒーロー物を期待すると、痛い目にあうかも知れない。
とにかくダーク。
で、今年の1月に急逝してしまった
ヒース・レジャー演ずるジョーカーが
とにかく狂気に満ちあふれてて、凄まじい。

ティム・バートン作品でジャック・ニコルソン演じたジョーカーも
アレはアレで漫画チックで面白かったんだけどね。

こういうのを観ると、役者にとって悪役って演じてて楽しいんだろうな。
前のバットマンシリーズでは、J・ニコルソンもそうだったけど
トミー・リー・ジョーンズのトゥー・フェイスも
ジム・キャリーのリドラーも、本当に楽しそうだったもんね。
で、結局、主役を喰っちゃう。
今回もバットマンのクリスチャン・ベールは損だったかも。
ただし、物語としてのバットマン/ブルース・ウェインは
決してそんな役ではなかったはず。

これ以上いうとネタバレしちゃいそうだから、このへんで。

とにかく公開中に、こっそりと一人でもう一度観に行きたい。
もちろんDVDが出たら、何度も何度も観たい。

もちろんアメコミヒーローらしい荒唐無稽なアクションもあるし
とにかく贅沢な作品になっていましたから
映画好きの方は是非!



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もっとも美しい時間

2008-06-15 | 映画


今日は映画『ザ・マジックアワー』。

うちは家族揃っての三谷作品ファン。
金四郎の名前も三谷作品から戴いた。
監督作品は4作目。
公開前から、キャンペーンでのメディアの露出が凄かった。
作品に対する評価も、ネームバリューも
すでに充分にあるので「そこまでしなくとも」と思うが
これもまた、氏が映画を愛するが故のことであろう。

ま、基本的に「出たがり」なんだろうね、三谷氏は。

今回の主演は佐藤浩市。
シリアスな芝居が光る、二枚目だ。
とてもコメディの似合うタイプではないが
だからこそ、その意外性が面白い。
大体「古畑任三郎」もそうだが、三谷作品は
「らしからぬ」キャスティングが楽しい。
「古畑〜」はコメディというわけではないが
正統派の二枚目である田村正和のとぼけた演技とか
また犯人役にしても、あのイチローを起用したり
スマップを殺人犯にしてみたり。

とにかく、毎回楽しみにしている監督なのだ。

掃除・選択を早めに済ませ、
『ワーナーマイカルシネマズ』へ。



東武練馬駅の近くにある
マクドナルドで昼メシを済ませる。
もちろんポテトは喰わない。
飲み物は爽健美茶。

映画を観ながら喰うポップコーンも
ダイエット中はおあずけである。
ダイエットコーラと、眠気覚ましの飴玉持参で上映を待つ。

やっぱり映画は映画館で観るものだなぁ…



ところが

どうやら、また悪い病気が出た。
「居眠り」だ。
ほんの数分だろうが、また眠ってしまった…

う〜〜〜〜ん

ここ何回かは、大丈夫だったのだが…

映画は…

若干見逃しはしたものの、やはり面白かった。
面白かっただけに悔しい。
早くDVDが出ないかなぁ…



晩メシは「板橋サティ」にて惣菜を買い
トルティージャ(スペインオムレツ)のみを作る。



何度か作ったが、ようやく自信の持てるものになった。



さて。
タイトルである「マジックアワー」とは何か。
太陽が消えてから、周囲が暗くなるまでの
ほんの僅かな時間のこと。
もともとは撮影の専門用語で
太陽が地平線に落ちてから、光が完全に消えてなくなるまでの
夕暮れ時の約20分程度を指し、一日の中で空を最も美しく
映し出すことができる時間のことと言われている。

西の空が赤く燃え、赤から紫、そして濃紺へと
美しいグラデーションに染め上げられる。
一日でもっとも美しく、貴重な時間だ。

してみると、オレの寝てしまった時間も
マジックアワーだったのだろう…



ちゃんと体調を充分にしておかないと…





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ダイハードにもほどがある

2007-11-18 | 映画


楽しい宴から一夜明けた日曜日。
おでん種はグズグズになったジャガイモや
昆布ばかりが残ってしまったので
残りの出汁にがんもどきを加えての昼食。

ノンビリと過ごす長閑な日曜日だ。
こんな日はテレビでも見ながらダラダラと過ごそうと
昨日買っておいたDVDソフトを取り出す。

まず1本目は、この夏に観に行った『レミーのおいしいレストラン』

改めてじっくりと見ると、いくつもの新しい発見がある。
とにかく細かなところまで、徹底的に作りこまれていて
何度観ても楽しい。
映画館で観たときは、日本語吹き替え版だったのだが
オリジナルの字幕版で観てみる。

う〜〜ん…

やはり字幕を追う分、映像を観るのが疎かになってしまう。
こういう映画は、やはり吹き替え版のほうが楽しめる。
もちろん、声優が良い場合に限られるが。
今回は、人間の主人公であるリングイニが人気俳優だっただけで、
他はほぼ本職の声優が演じていて、違和感なく楽しめた。
毎度感じることだが、話題性を優先するあまり
声優にタレントなどを使うのはいかがなものか。
単に作品を壊してしまうだけの場合の方が多い気がする。

さて、もう1本は『ダイハード4.0』

これは公開時に観たい観たいと思っていて
結局見逃してしまった作品。
テレビ画面で観ると、やはり映画館に行って観たかったなぁ…



12年ぶりの復活というのは、ファンとしては素直に嬉しいが
同じく10数年ぶりに復活した『ロッキー・ザ・ファイナル』に比べると
年を取ってしまったヒーローの悲哀などはまったくなし。
唯一は、愛妻ホリーとの離婚くらいだろうが
「死なない男」ジョン・マクレーンのタフネスぶりは相変わらず。
むしろ映像的には、CGの進化などもあり
とにかくアクションが大掛かりで派手で、
突っ込みどころ満載名映画になっている。
しかし、この映画でそんな突っ込みは野暮の極み。
とにかく単純に楽しめばいい。



この『4.0』が公開された当初は、絶対に映画館に行くつもりだったので
その予習のために、1〜3作のDVDボックスを購入してしまっていた。
改めて見直してみると、やはり1作目がダントツに面白い。
もちろん「なんで死なないの?」「その拳銃は何発弾が入ってんだ?」など
突っ込むところはままあれど、やっぱりストーリーに無駄がなく
テンポも良くて、よく出来た映画だ。
相棒の黒人巡査パウエルや、「嫌なヤツ」を演じたら右に出るものはいない
ウイリアム・アザートン演じるTVキャスターのソーンバーグ。
なんといっても敵役のアラン・リックマン(ハンス)が最高にいい。
で、この映画の脇役で一番好きなのが、
ロス市警警視役のポール・グリーソン。
大真面目なんだが、妙にとぼけた味わいがあって大好きだ。
アクション映画と見られがちだが、
キッチリと伏線の張られた脚本が素晴らしい。
2作目以降は、派手なアクション映画になってしまった感があるが
単純にハラハラしながら、「そんなワケねぇだろ」と
笑いながらも、充分に楽しめる映画になっている。

本作『4.0』も「死なない男」面目躍如だが
まったくダイハードにもほどがある。




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おいしいレストランでおなかイッパイ

2007-08-19 | 映画


先週に引き続き、『ワーナーマイカルシネマズ 板橋サティ』へ。
もちろん『レミーのおいしいレストラン』
残念ながら字幕版の上映は終了してしまい、仕方なく日本語吹き替え版。
しかし考えようによっては、画面に集中できる分、
吹き替え版の方がいいかもしれないと自分に言い聞かせる。
今までピクサー作品は全て観てきたが、それほど素晴らしいのだ。
当然だが、回を重ねる度にCGの技術が進歩している。
ピクサーのCGアニメには、いかにもCG!といった不自然な動きが全くない。
個々のキャラクターが、みんな生き生きと画面を動き回っている。
しかし何よりもピクサー作品の素晴らしいのは
そういったCD技術でもなければ、キャラクターの可愛らしさではなく
とにかく話の内容が面白いのである。
客席には夏休みとあって、子どもたちが多くいたが
決して子ども向きの話ではない。
アニメと馬鹿にしている大人たちこそ観るべき映画なのである。

「ねずみが料理?」

かの偉大なる人気キャラクターも「ねずみ」なのだが
このレミーは、もちろんデフォルメされてはいるものの、
あちらよりもずっと「ねずみ」っぽいし
残飯を求めて這い回るねずみは、いわばレストランの天敵。
シーンによっては嫌悪感を覚える方もおありであろう。
現にねずみが料理を作るという時点で、この作品に批判的な人もいる。



映画には色々な見方がある。
自分の持っている世界観やルールが、映画というフィクションのそれと合わず
現実のものと照らし合わせた時、ちょっとでも不自然であったり
納得がいかないと、ストレスの溜まるだけの映画になる。
もちろん、そういう見方が悪いというわけではないが
そもそも「ねずみが料理をする」時点で、現実にはあり得ない話だから
純粋にファンタジーはファンタジーとして楽しめない人には向かない映画であろう。
いろんな意味で突っ込みどころ満載の映画ではある。

オレの一番好きなディズニーアニメは『不思議の国のアリス』で
オレの生まれる前に公開された映画だが、ビデオで何回観たか分からない。
しかし、オレの好みだけで言うと、ディズニーアニメでは『くまのプーさん』までで
昨今のものだと、キャラクターに魅力が感じられず、まるで興味が沸かない。
ディズニーのディズニーらしさを正当に継承しているのは
むしろピクサーなのではないかと思うほどだ。

ストーリーの素晴らしさはもちろんのこと
やはりアニメである以上、キャラクターや絵の素晴らしさも特筆すべきものだ。
料理の一つ一つの、なんと旨そうなこと。
パリの夜景のウットリするほどの美しさ。

嗚呼…はやくDVDにならないかなぁ…
今回は吹き替え版だったけど、もちろん字幕版で観たいし
ピクサーのアニメは、細かいところまで実に行き届いているから
何度観ても、常に新しい発見がある。



「毎日デッキに『モンスターズインク』のDVDが入ってる」

家族に笑われようが、何度でも何度でも観たい作品なのである。
今回は「食」のテーマではないが…


ごちそうさまでした!



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オトナになったオトコども

2007-08-12 | 映画


久しぶりの映画鑑賞。
最後に映画館に来たのが、5月の「ロッキー・ザ・ファイナル」だから3ヶ月ぶりか。
その間、観たい映画はたくさんあった。
「スパイダーマン3」、「パイレーツ・オブ・カリビアン」、「ダイ・ハード4.0」…
行こう、行かなきゃ!と思っていながら、次第に熱は冷めていき
「DVDが出てからでいいや」となってしまう。
映画はどんな映画でも、やっぱり映画館で観るべきだと思うが
公開されて半年もすると、特典映像満載のDVDが出るものだから
ついつい先送りになってしまう。

「明日は映画に行こう!『レミー』だ、レミー!
誰も行かないなら、オレ一人で行くから!」

『レミー』とは『レミーのおいしいレストラン』
ピクサー作品大好きなオレは、ここ2作
「ミスター・インクレディブル」「カーズ」ともに、見逃してきた。
しかし「レミーのおいしいレストラン」だけは見逃すわけにはいかないのだ。

「ええ〜?『ハリー』にしようよ」

イケメン好きのニョウボは、最近すっかりカッコよくなっちゃったダニエル君の
『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』が観たいという。
娘は『レミー』派、長男は「どっちでもいい」派。
多数決なら『レミー』だが、うちではニョウボの言うことが絶対だ。
「じゃ『レミー』は来週行こう」ということに決まった。

娘が2時までバイトなので、4時以降の回をネットで予約する。



上映の前に、いつも通りポップコーンとダイエットペプシを買って席に着く。
「ハリー・ポッター」シリーズは、すべて映画館で観ているし
過去4作品のDVDも揃っている。
1作目ではまだ小さくて可愛らしかったハリーも、ロンもハーマイオニーも
今ではもうすっかり大人の顔になってしまった。
映画は、いかにも「次回に続く」というような終わり方だが
彼らの成長を考えると、次回作がもう限度なのではないだろうか。

映画が終わると、時間は既に9時を回っていた。
館内にあるレストランで晩飯を喰って帰る。



「とろとろ卵のっけの黒カレー」

メシを喰いながら、今観た映画の話。
これも映画の醍醐味である。

「そうえいば3作目の『アズガバン〜』の時、お前(長男)、
トイレに行って10分くらい帰ってこなかったっけな」
「そう。いつも途中で必ずトイレに行く」
「最近はさすがに行かなくなったな」
「大人になったもんね」
「そういえばオレも寝なくなったな」
「大人になったね」

う〜〜〜〜ん

確かに途中で寝てしまうと、映画の印象がまったく残らない。
しかも物語上、重要なシーンに限って寝てしまっていた。



家に戻って、姉の送ってくれたメロンを喰う。
冷たくて甘くて、最高に旨い。

やはり映画は映画館で観ないと…ね

来週は『レミー』…観に行けるかなぁ。



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所詮オンナにゃワカルマイ

2007-05-12 | 映画


何もここに遊びに来てくださる女性を敵に回すつもりはないのである。
しかし、自分の身の回りを眺めると、ついつい愚痴りたくなる。

「所詮オンナにゃワカルマイ」と。

「ロッキー」である。「ロッキー・ザ・ファイナル」なんである。

オレは気に入った映画は何度でも観たい。
繰り返し繰り返し、気に入ったシーンは飽きるほど
台詞を丸暗記できるくらい観たい。

ビデオが普及する以前などは、時間と金が許す限り映画館に足を運んだ。
ビデオやDVDで、好きなだけ観られる今と違って
映画は映画館で観るしかなかった時代。
一番映画館に足を運んだ映画は、スピルバーグ監督の「JAWS」だろうか。
「ブレードランナー」も何回も観に行った。

オレが中学生の頃だったが、「燃えよドラゴン」が公開された頃
「○回観に行った」というのを、皆自慢しあったものだ。

ところが、少なくとも自分の回りの女性では、こういう人は居ない。
昔、「ロッキー2」を姉と観に行った。公開当時だったからオレが18〜9歳の頃か。
オレはもちろん、姉も大変気に入った様子で
その帰りに、わざわざレコード屋に行ってサントラ盤を買ったほどだった。
それから何年か後、テレビで「ロッキー2」が放映されることを知り
それを姉に伝えると、アッサリと一言

「一回観たから、もういいよ」

ええ〜〜〜?
泣いてたじゃん!サントラまで買ったじゃん!
あんなに感動したじゃん!

うちのニョウボにもコレが言える。
多分、この人はオレがせっせとDVDを買い集めること自体信じられないのだろう。
じゃあ「一回観たから」と言うくらいだから、ちゃんと憶えているかと思うと
実はそうでもなく、とんでもない憶え方をしている。
非道いときは観たことすら憶えていなかったりする。
付き合い始めて、初めてデートで観た映画すら憶えていなかったのだ。
初めて買ったプレゼントさえ憶えていなかったのだから推して知るべし…

というわけで、「ロッキー・ザ・ファイナル」
2度目、観てきました。
自分の行ける時間と、上映時間を調べると、ここしかなかった。
錦糸町にある「TOHOシネマズ」



駅前にある巨大ショッピングモール『olinas(オリナス)』内にあるシネコンである。

2度目なのに泣いた泣いた泣きました。
帰り道では、頭の中にずっと「ロッキーのテーマ」が鳴り響いている。



↑先日買ったCD
これ、iPODで聴きながらの自転車通勤は燃えまっせ〜!

男って本当にバカだと思う…




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ロッキー、ありがとう

2007-05-01 | 映画


「なんで今さらロッキーなの?」

「ロッキー・ザ・ファイナル」の公開を知ったとき
まず頭を過ぎったことであった。
オレばかりではなく、オレと同年代のみならず
多くのロッキー・ファンの誰もが感じたことであろう。
しかも、1作目の公開から30年。
ロッキーこと、シルベスタ・スタローンは今年還暦の60歳。
おじさんどころではない。もはやおじいさんの年齢である。
「最後のドラマ」として公開された「ロッキー5」からも、既に17年だ。

60歳のロッキーがリングに上がる?
ありえない。
いくらスタローンがスーパーマンでも。

現に、この日一緒にいったニョウボは
「おじいさんの“ロッキー”なんか観たくない」と言って
子供らと3人で「ゲゲゲの鬼太郎」を観に行ったのである。

「ロッキー」の第1作目の公開が1977年。
オレが17歳の時だ。
何にでも影響されやすい多感な時期に、オレは「ロッキー」を観た。

その後に公開された「ロッキー2」から「ロッキー4」まで
リアルタイムで映画館で観てきた。
さすがにオレが30歳になったときに公開された「ロッキー5」は観る気が起きなかった。
その前の「4」ですっかりスーパーマンになってしまったロッキーに
「もう、いいだろ」の感が先に立ち、既に辟易していたからだ。

そこに持ってきて、この度の「ファイナル」だ。
「今さら何をやるの?」と思うのは当然のことだ。


「父さんは、もう年だろ?頼むからもうやめてくれ
父さんは笑いものだ!」

「人生はバラ色ばかりじゃない。いくら打たれても前に進むんだ
自分を信じなきゃ人生じゃない。叶わない夢はない」



ロッキーに夢を貰ったものなら、誰でも突き動かされる台詞だ。
30年前、ロッキーの映画案内を観ただけでボロボロに泣いてしまった17歳のオレが
今また47歳になり、その映画CMで涙をこぼしてしまった。

観ないわけにはいかない。
「ゲゲゲの鬼太郎」なんぞ観てる場合ではないのだ。

「もうやめてくれ!笑いものだ」
息子がロッキーに投げかける言葉は、まさにファンがロッキーに投げかける言葉だ。

映画が始まって2時間弱
オレの涙腺は緩みっぱなしであった。

クライマックスの試合。
ただの慈善試合である。
60歳のロッキーが入場してくる。
観客の誰もが、「ただのお祭り」として
まるで余興でも見るような顔で、それを見つめているなかで
第1ラウンドが始まる。

誰もが疑うようなガチンコ勝負をしかけるロッキーに
チャンピオンも観客も戸惑い始める。

「このジイさん、マジだ」

善戦をしてコーナーに戻ると、セコンドに付いていた息子が叫ぶ。

「もう誰も笑っていない! 父さんは笑いものじゃない!」

還暦のロッキーは、あの日のロッキーに戻っていた。



ロッキーと共に、同じ時代を生きてこられたことに感謝した。

ロッキー、ありがとう!




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正月早々…

2007-01-03 | 映画


まったく「正月早々」である。

何か映画を、ということになった。
家族の意見は割れ、オレは「007カジノロワイヤル」か「犬神家の一族」
ニョウボと娘は「エラゴン」、息子は特になし。
結局意見はまとまらない。

だからってなにも、正月早々こんな重い映画を観るこたぁないでしょうに…



『硫黄島からの手紙』である。

午前中の早めの時間に起き、いつもの「板橋ワーナーマイカル」へ。

朝食抜きだったので、1階にあるフードコーナーで「白ゴマ坦々麺」を。



時間的には昼だが、これも重い…



上映時間が迫った。
いつものようにポップコーンと、ダイエットペプシ。
居眠り防止に「フリスク」をポケットに忍ばせ、上映開始だ。

正直に言うと、オレは戦争映画というものを観ない。
あからさまに「反戦」を掲げた内容が好きでないからだ。
もちろん戦争の悲惨さを全面に出したものも嫌いだ。
最後に観た戦争映画は…なんだったろう。
「プラトーン」だったかも知れない。いずれにしても相当前だ。

やや重い気分を引きずりつつ映画の始まりを待つ。

アメリカ軍の圧倒的な兵力と火力の前に、
5日と保たないだろうと言われた硫黄島での戦闘は、
陸軍中将・栗林忠道の戦略により、36日間の長きに及んだ。
米軍は硫黄島の飛行場を欲しがった。
ここを空襲の拠点とするためである。
この戦闘が長引いたおかげで、何人もの日本人が助かったと言う。
本来、海岸沿いに塹壕を掘り、上陸してくる米軍を迎え撃つはずであった。
しかし新しく派遣されてきた栗林中将の作戦は
水際で敵を迎え撃つのではなく、地下陣地を作り、
そこに立て篭もって持久戦に持ち込むという作戦だった。
「潔い死を死ぬのでなく、苦しい死を生きよ」というのが
栗林中将の考え方であったが、当然反発も来る。

「帝国軍人たるもの、こんなモグラのような戦い方が出来るか」

古い考えを持つ幕僚達に、栗林は言う。

我々の子供らが日本で一日でも長く安泰に暮らせるなら
我々がこの島を守る一日には意味があるんです


「最後の一兵になっても戦いをやめるな」
そう命じて、無謀な「万歳突撃」を禁じた。

実話を元に作られた映画であるということもあるが
特別なヒーローがいるわけでなく、特別なお涙頂戴も無い。
あからさまに「反戦」を謳っているわけでもない。
ただ淡々と、起こったことを映していく。
しかしそれがリアリティを倍増させていく。
「戦争はイヤだ」と、痛切に思う。
しかし戦争に駆り出された彼等とて、それは同じであったろう。
手榴弾を手渡され、「自決せよ」と言われ、
涙を流しながら、家族の写真を握り締めて爆死する若い兵士の姿を見て
「自分がこの立場だったら」と思わずにいられない。
例え家族のためとはいえ、いざとなったら自分にそれが出来るだろうか。
栗林中将が、兵隊に言う台詞が、心に突き刺さった。

「不思議なものだな。家族のために死ぬつもりだったのに、
家族が居るからこそ死ぬのをためらう」

うろ覚えなので言い回しはやや違うかも知れないが、そういう意味のことだった。
矛盾しているが、これが真理であろう。

重い映画だったが、観て良かった。



鑑賞後、暢気な話だが、家族でたこ焼きをパクつきながらも
やはり皆、同じ感想だった。
あの戦争で、先輩達が頑張ってくれたからこそ
今の平和があることを忘れてはいけないだろう。




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バカにつける薬

2006-11-06 | 映画


予約していた、映画「ダ・ヴィンチ・コード」のDVDが届いた。
そもそもオレは、基本的に通販というのはやらない。
根がせっかちなので、注文してから届くまでの間がじれったい。
待っていられないのだ。

注文し、入金をし、送料や手数料が取られるのが馬鹿馬鹿しい。
その金を払うくらいなら、バイクでちょっと買いに行ってしまう。
都内という地の利もあって、大抵はちょっと足を延ばせば手に入る。
こんな時は東京在住であることに感謝をする。
しかしメリットがあればデメリットもあるもので
店に買いに行くと、ついつい余計なものまで買ってしまうのが玉に瑕だが。

で、この「ダ・ヴィンチ・コード」。
小説を読み、映画も観に行ったわけだが、
原作が面白かったこともあって、映画には若干がっかりした。
2カ月ほど前だったろうか。昼食を買いにコンビニに行ったとき
「ダ・ヴィンチ・コード」のDVD発売のポスターを見た。
これがそもそもの間違いであった。
もちろん、もう一度じっくりと映画を観てみたかったから
DVD化されたら、改めて買うつもりではいたのだが、
わざわざ「予約してまで」という気はなかった。
では何故、嫌いな通販で、しかも予約をしようと思ったのか。
「予約特典」として“あるもの”が付いていたからだ。
映画、もしくは原作をご覧になった方にはお解りだろう。
「クリプテックス」である。

クリプテックスとはなにか。
レオナルド・ダ・ヴィンチの発明品の一つと言われている。
簡単にいうと、自転車の鍵のような作りである。
ダイアルで暗号を入れると開く、あのチェーン式の鍵のようなものだ。
本編に登場する「クリプテックス」は、一周26文字の英文のダイアルが
5列付いている。これで5文字の単語(暗号)を合わせる。
組合せは11881376通り。
しかし中には酢の入ったガラスケースが仕掛けられており
それを包むように秘密の文書が巻かれている。
この文書は「パピルス」という紙で、酢で溶けてしまうと言う特性がある。
つまり、暗号が解けずに無理矢理壊して開けようとすると
中のガラスが割れ、文書を溶かしてしまうという仕掛けだ。
本作ではこのクリプテックスが、最も重要な小道具となっている。
そのレプリカが「予約特典」として付いてくるわけだ。

オモチャ好きの琴線を触れてきやがる…

仕事場に戻って、ネットで検索してみると
「ダ・ヴィンチ・コード」のDVDは3種類ある。
1つはレンタル専用で、これは非売品。
2つ目はメイキング等の特典ディスクの入った
2枚組の「デラックス・コレクターズ・エディション」。
予約特典が付くのは、このバージョンである。
しかし、「ダ・ヴィンチ・コード」よろしく、もうひとつ更なる“罠”があった。
「初回限定生産」という、これまたオタク心を刺激するふれこみの
3枚組の「コンプリートボックス」である。
「デラックス〜」に付いているのは“ミニクリプテックス”という
プラスチック製のものだが、この「コンプリート」には
メタル製のクリプテックスが封入されている。
これは予約特典ではなく、“もれなく”である。
本編は劇場公開時にカットされた25分の映像が追加で入っている
いわゆる“ディレクターズカット”の「エクステンデッドエディション」。
価格は「デラックス〜」の倍以上。
ずるい商売をしやがる。オタクを思いっきり刺激しやがって…

つまり、このバカ(オレのこと)は、この「コンプリート〜」を
クリプテックス欲しさに予約させてしまったわけだ。
まんまと乗せられてしまった。

ところが、である。

実はアマゾンで買い物をするのは初めてだったのだが、
商品の確保・発送の準備が出来次第、支払い専用番号がメールされ
それを入力した上で、銀行振込をしなければならないわけだが
このメールが発売日が近くなっても一向に届かない。
発売日は11月3日。
ちょうど池袋に出かける用事があったので、いっそアマゾンはキャンセルして
ビックカメラで買ってしまおうと考え、店に行ったのだが
店頭に並んでいるのは「デラックス〜」ばかりで
「コンプリート〜」は影も形もない。
店員に聞きはしなかったが、多分レジでのみの販売なのかも知れない。
しかもよく見ると、価格もアマゾンより1000円ほど高いのである。
「今日と言ったら今日!」という、オレの欲望を何とか沈め、
大人しく仕事場に戻ると、アマゾンからメールが来ていた。
これでは例え入金しても、祭日・土・日と続くから
手元に届くのは週明けだ。

ああ!だから通販は嫌いなのだ。

ジリジリしながら、週明けを待ち、今朝会社に来ると…



届いてましたよ、無事に。
本編ディスクの他に特典ディスクが2枚と、
やはり映画の小道具“ラングドン・メモ”

で、これがモンダイのクリプテックス。



メタル製なのでズシッとした重量感があり、なかなかイイ感じ。



ある文字列にダイアルすると、中にはプレゼントの応募券が入っている。
原作の、あの単語じゃありません。
パッケージの商品説明に、その答えが隠れている。

ちゃんと開きました。
ダイアルを合わせて、手応えを感じてニヤニヤしている46歳…

落ち着いたところで、オークションで「クリプテックス」を検索すると…
「こんなオモチャいらねぇよ」という大人の方が多いのだろうか
結構安く、「予約特典」のクリプテックスのみが出回っていて
なんかコレも結局買っちゃいそう…
バカにつける薬はないものか。

DVDはこれからゆっくり観ます…


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何がいいのかワカラナイ

2006-10-05 | 映画


アルバイトのMちゃんは、社内で唯一映画の話が出来る娘だ。
オレ同様喫煙者であるので、仕事の合間の休憩タイム、
喫煙所で話すのは大体映画のことだ。
Mちゃんは30歳をちょっと過ぎた、ナイスバディ。
もちろん結婚を前提として、同棲している彼氏がいるし
オレも既婚者であるから、そう色っぽい話にはならないが
オレはMちゃんのファンなのである。
一所懸命に仕事をするし、性格も明るく、何よりも大人だ。

いつものように、一服しているとMちゃんがやってきて
いつものように映画の話になった。
以前も書いたが、一時70年代の映画に凝っていて
その当時のDVDを随分と買った。
Mちゃんは、年齢的に70年代の映画をあまり知らないので
その中からお薦めのDVDを何枚か貸して
逆にMちゃんからもお薦めのDVDを借りたりしている。

「さとしさん、『宇宙戦争』って観ました?」

昨年公開されたS・スピルバーグ監督、トム・クルーズ主演の映画だ。
当時は話題にもなった映画だったが、何となく見逃してしまっていた。
その理由は、ネットなどの評判があまり良くなかったこともある。

「いや、面白くないって噂だったんで、観てないんだよ」
「よかったら観ます?持ってきますよ」
「面白かった?」
「う〜〜ん、どうだろ。期待しないで観ると別の意味で面白いかも」

Mちゃんの気持ちを無碍にするわけにはいかないので
翌日持ってきてもらったのを、家で観てみた。

なるほど。「別の意味で面白い」とはよく言った。
ネットの評判は概ねよろしくない。
殊に「映画通」と呼ばれるタイプの人には不評のようだ。
曰く「映像は素晴らしいが、脚本が悪い」ということらしい。

しかし、だ。
「映像が素晴らしい」ってのは映画として凄いことじゃないの?

確かにストーリーはツッコミドコロ満載だし
ラストは「え?」という感じなのだが、とにかく映像が凄い。
宇宙人の乗る三本脚の乗り物「トライポット」が、地中から現れて
無差別に人間を攻撃する序盤のシーンは、
こっちまで殺されるんじゃないかと言うくらいの迫力である。
高いところから光線でビュンビュンと撃ちまくられては
反撃などしようにもできないだろうし、なにしろこのトライポット、
シールドを張ってるもんだから、軍隊の攻撃なんかものともしない。
といってもこの映画、軍隊の火力や作戦で、宇宙人と闘うという話ではない。
圧倒的な攻撃を前に無力な人間達は、恐怖に怯え、パニックを起こしながら
ただただ何も出来ずに、ひたすら逃げ回るだけだ。

得体の知れないものが、無差別に攻撃を仕掛けてくるということで
これを、あの「9.11」の無差別テロになぞっているという評もあったが
とにかく、一体何が理由で攻撃されているのか訳も分からず
デカイのがグングンと迫ってくる恐怖。
いかもその攻撃たるや、まさに人間が害虫の駆除でもするかのようで
まるで立場が逆になってしまったかのような錯覚に陥る。
スピルバーグ監督は、こういう映画を撮らせるとやっぱり上手い。
かの「激突!」も「ジョーズ」も「ジェラシックパーク」もそうだったけど
デカイのに追いかけ回される恐怖というのを久しぶりに味わった。

それにしてもこの映画、映画館で観たかったなぁ。
映像もさることながら、おそらく音だって相当凄いはずだ。
家の小さなテレビ画面に、しょぼい音響では
おそらく迫力は半分も伝わらないんじゃないか?

映画には色々な楽しみ方がある。
「脚本がいい」「監督がいい」「俳優がいい」。そして「映像がいい」
もちろん全て良ければ、それに越したことはないのだが
「脚本はいいけど、演出がダメ」とか
「話はショボイけど、ヨン様が出てるから観ちゃう」とかね。
それを他人がとやかく言うことはない。
映画の楽しみ方は自由であり、好みは千差万別だ。

そういえばMちゃんお薦めで観た映画が、もう1本あった。
これは「内容は面白いのにタイトルがダメ」ってやつだな。
しかし逆に言えば、そのふざけたタイトルがゆえに話題になり
「観てみようか」という気になるのだとしたら、それも有り?

『バス男』ってやつ。
これ、面白かったッス。
あの『電車男』とは全然関係ないし、なんでバス男なのか
映画を観た後でもワカラナイんだが
なんともユル〜〜〜〜いコメディで、不思議な面白さがあります。

とにかく映画は何がいいのかワカラナイ。
有名人や著名な監督や評論家が「泣きました!」とか言ったって
決して信じちゃいけない。
公開する映画を全部観るなんて到底不可能なんだけど
自分が面白いものを求めて、手探りで観るのが楽しい。

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雨の日曜日

2006-10-01 | 映画


いつものように手っ取り早く掃除・選択を済ませ、池袋に買い物に出かけた。
長男の眼科検診、長女の携帯電話買い換え。
ニョウボは最近ハマッているMPプレイヤーの物色。
ついでだから、晩メシも済ませちまおうという事になった。
池袋のビックカメラで、各々の買い物をする間、オレはDVDを物色。
用事が済むと、晩メシにちょうどいい時間になったので
サンシャインシティへと移動をする。
晩メシは『丸亀製麺』で讃岐うどんだ。
以前に来たときから、すっかり家族中でファンになってしまった。
オレは「とろ玉うどん」の冷、大盛りにちくわ天。昆布のおにぎりを1個。



ムチッとしてコシのある麺は、口の中で弾むほどの歯ごたえだ。

帰宅して、家族が寝静まった深夜。
買ってきたDVDソフトを見始める。
こればかりは家族で和気藹々と楽しめる作品ではない。



ジョン・カーペンター監督の『遊星からの物体X』
原題は『The Thing』

南極大陸アメリカ基地に、ノルウェー基地のヘリコプターが降り立つ。
逃げまどう一匹の犬を追ってやって来たらしい。
もはや正気を失ったノルウェー隊員は、アメリカ基地で銃を乱射する。
危険を感じたアメリカ隊員はノルウェー人を射殺し、犬を救助する。
ノルウェー基地で何が起こったのか。
ヘリ操縦士のマクレディと医師のクーパーが向かったノルウェー基地は、
手首を切って自殺を図ったと思われる隊員の死体、
「何か」を取りだしたと思われる巨大な氷の塊、
半分焼かれた得体の知れない「生き物」だった。
全滅した基地内に散乱する書類や、ビデオテープを持ち帰り
真相の究明をしていると、救助した犬を収容した犬舎では
恐ろしいことが起こり始めていた…


初めて観たのはレンタルビデオで、もう20年近く前だろうか。
その時のショックは今でも忘れない。
南極の真っ白な平原を逃げ回るシベリアン・ハスキー。
それを追うヘリコプターは、銃を構えて犬を撃ちまくる。
オープニングからずっと、それこそ固まりっぱなし、口開けっぱなしで
喰い入るように、微動だにせずに一気にラストまで
それほど衝撃的な映画であった。

今、映画はCGで、それこそどんなことでも出来る。
おそらく不可能なことはないであろう。
しかし、この映画が公開された1982年当時はそんなものはまだなく
SFXという特殊メイクが全盛の時代であった。
ディック・スミス、リック・ベイカー、トム・サビーニなどなど。
実を言うと、オレもこのテの映画は苦手な部類に入るのだが
これらメークアップ・アーティストの創り出す造形が大好きで
「ハウリング」や「狼男アメリカン」といった映画を喰い入るように観た。
本作は、この当時まだ20代前半で新進気鋭のロブ・ボッティン。

最大の見せ場は、宇宙から来た「Thing(生き物)」の変身するシーン。
滴る体液一滴からも侵略可能という「Thing」は
形容が不可能な物体を経て、元の生物の「偽物」に変身するのだが
この物体の造形が凄まじいのである。
作り物とはいえ、等身大の実物だけが持つ生々しさはCGの比ではない。

通信が麻痺してしまった南極基地という、閉ざされた場所。
誰がその“生き物”に侵略された「偽物」なのか…

「春の救援隊を待とう」
「待てない。今は1人か2人の偽物が、春には全員になる」

自分以外はすべて信じられなくなり、生活を共にしてきた隊員達は
お互いを疑り始めるという、殺伐とした空気のなかで
“生き物”の侵略に怯えながらも、人間としての闘いを挑んでいく。


ジョン・カーペンター監督の作品では、1981年の「ニューヨーク1997」と、
1996年にセルフ・リメイクした「エスケープ・フロム・L.A.」が好きだ。
主人公の悪のヒーロー、スネーク・プリスキンがカッコイイ。
メジャーデビュー作の「ダークスター」や、88年の「ゼイリブ」も面白い。
どちらかといえばB級作品が多いが、肩の力を抜いて文句無く楽しめる。
ホラーやスプラッタ系が苦手な人にはお薦めできないが
ミステリーやサスペンス物としても一級のB級映画(?)に仕上がっている。

久しぶりに金四郎のシャンプーをしたのが悪かったか
雨の降った日曜日のお話。



ところでこのワンコ、「偽物」じゃあるまいな…

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ハズカシ苦しい想い

2006-09-17 | 映画


何年か前の年の暮れ。
ニョウボが大掃除で見つけた一片の紙切れをオレに差し出す。

「なに?コレ」
「見てみてよ。面白いから」

ニョウボと付き合い始めて初めてのクリスマス。
安い給料から捻出して、時計のプレゼントをした。
紙切れはその時に、一緒に添えたメッセージカードだった。
ああ…なんて恥ずかしい文章。
顔から火が出る思いだった。

頑張って池袋の一流ホテルを予約し、
初めてのクリスマスの夜を共に過ごした。
会社の同僚に助言をもらい、その夜に施したクリスマスの演出…
恥ずかしすぎてキザすぎて、ここに書くこともできない。
思い出すことさえハズカシイ…

しかし当時は、恥ずかしいなどとコレッぱかりも思わなかった。
ホテルの窓から見える、池袋の夜景。
この時、オレは世界中で一番幸せな男だった。
こんなクリスマスの夜に、一人で過ごすモノどもがバカに見えた。
「お前達はオレ主演の映画の脇役だ!」そんな想いだった。
たとえムシズが走るような気障なセリフも、背筋が寒くなるような演出も
その時のオレの精一杯の気持ちであり、人生最高の日であった。
恥ずかしい思い出だが、その気持ちに嘘はなかった。

恋愛時代というのは、どこかおかしくなっているのだろう。
テレビ番組で、アツアツのアップルや新婚さんが自慢げに話す「ノロケ話」。
聞いているコッチが恥ずかしくなるような話も多いが
当のお二人には、周りの目などお構いなし。
まさに二人だけの世界である。

昨日の晩、新聞のテレビ欄を見ると『電車男』の文字があった。
他に見るものがなかったということもあったが、
原作が大ヒットした当時、長男が図書館で借りてきて読んでいたこともあり
「映画の『電車男』? 見よう見よう!」ということになった。
原作は長男からニョウボへと回し読みされ、オレもちょっとだけ読んでいたが
3分の1ほど読んで放っておいたら、いつのまにか返却されてしまっていた。
しかし結末を知らなかった事が、かえって幸いしたのかも知れないが
これが凄く面白く、面白いどころかクライマックスシーンは
自分の体験を投影したり、スレッドの住人達と一緒に応援しているうち
泣けて泣けて仕方なくて、それを家族に見られるのがイヤで
顔を隠すようにして見ていた。
しかし、ハッキリとは見なかったが、長男もニョウボも泣いているようだった。

「こんな結末だったっけ?」

映画を見終わった後、ニョウボが言う。
あとでネットで検索すると、どうやら映画用にかなり脚色されているらしい。
この話の舞台となった、いわゆる「2ちゃんねる」では
あまりにも綺麗すぎる物語に評判はよろしくないらしいし、映画評など見ても
やはり脚色された物語に違和感を覚えるという声が多いようだ。
しかし、オレは純粋に「恋愛映画」として、充分に楽しめた。

「2ちゃんねる」は、オレもよく覗く。
匿名掲示板ゆえ、そこには本音もあり、もちろん悪意もある。
真面目に情報を提供してくれる人もあるし、ただただ茶化す人もある。
「話半分」、もしくは「それ以下」と認識していれば、それなりに楽しめる。
オレがよく覗くスレッドは「ラーメン」や「映画」「テレビ」「漫画」「音楽」
あ、あとは「アダルト」も少々…_| ̄|○
上記の通り、話半分で聞いてはいるものの、
中には信じられないくらいの情報量を持つものもいて
時に有益な情報を得ることも少なくない。

オレのことはどうでもよくて

「彼女いない歴=年齢」アニメオタク、フィギュアオタクという
典型的な秋葉系の童貞君「電車男」が、あるきっかけで女性と知り合う。
リアルで女性とつき合ったことのない「電車男」は
デートをするにも、一体何をどうしたらいいのかすら分からず
独身のモテない男どもの集まるスレッドの住人に助けを求める。
原作にはすべてのログが載ってるわけじゃないから、
おそらく無責任な野次馬的な煽りや茶化しのレスも多いのだろうが、
心優しき住人達は、「電車男」にアドバイスを送る。
映画のストーリーでは、この住人達にもスポットが当てられており
あるものはネットカフェに入り浸るオタクであったり
家庭内別居の冷め切った夫婦、引き篭もりのニートという
「人のことより自分をどうにかしろよ」とツッコミたるなるようなメンツ。
「電車男」が巻き起こす、数々の奇跡に触発され、勇気をもらったかの住人達は
自らも人と触れあい、人間らしさを取り戻していく。

憧れの「エルメスさん」とオタクの自分の不釣り合いに悩む「電車男」は
ある日、思うように行かない関係に弱音を吐く。

「みんな…ごめん…せっかく応援してもらったのに…
…もう俺、わけわかんなくて…
…苦しいよ、もう……好きになるのは苦しい…
…誰かを好きになるのは…
…こんな想い…もう…
…俺にはもう、これ以上…行く勇気がない…」

人を好きになるのは苦しいし、恥ずかしくて、切ない。
いっそ嫌いになる方が、ずっと楽だ。
「電車男」の書き込む、まさに理想的女性「エルメスさん」をして
「そんな女、いるわけねぇじゃん!」と言い切ってしまえばそれまでなのだが、
自分の恋愛体験、もしくは片想いでも、振り返ってみると
それは間違いなく「理想の女性」であった。
誰が何と言おうが「そんな女」は確かに「いる」のである。
その人が居なきゃ、何も始まらない。
毎日その人の事で頭の中が一杯で、妄想を繰り返し繰り返し
他人から何と言われようが、そして10年後に改めて自らを振り返ったとき
「顔から火が出るような恥ずかしい体験」であろうが
高みから世間を見下ろしながら、世界中で一番幸せな自分が居たはずだ。


ああ…書いてるだけで恥ずかしい…



というわけで、あらためて『電車男』の原作とDVDを買ってしまったオレは
「逝ってよし」ですか? _| ̄|○



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読んでから観るか 観てから読むか

2006-07-17 | 映画


遅ればせながら、ようやく「ダ・ヴィンチ・コード」を観てきた。
ニョウボは映画化の決まる以前に原作を読んでおり、
オレは映画化が決まってから、公開前に合わせて読んだ。
なにしろ全世界で6000万部という大ベストセラーである。
映画化に際しては、アカデミー賞俳優のトム・ハンクス、ジャン・レノといった
人気俳優が主演するというので、弥が上にも前評判は高まり
テレビでも特番を組むという、まさに大騒ぎである。
キリスト教というものに無知なオレなど、
正直言って「だからなんなの?」という結末なのだが、謎解きという要素も面白く
ミステリー作品として楽しめたから、この映画は楽しみにしていた。
しかし、なんだかんだと延ばし延ばしにしているうちに、
あまりよくない評判を耳にするようになった。

曰く「分かり難い」「詰め込みすぎ」

つまり原作を読んでいない人には解りづらく、原作を読んでいる人には物足りない。
ましてキリスト教というものが根付いていない日本では、尚更のこと。
以降、ややネタバレもあるので、まだ観て(読んで)なくて
これから観よう(読もう)という方は、ちょっとご注意を。

ダ・ヴィンチの残した暗号は、極簡単に言ってしまうと
「キリストには妻があり、子供がいた」ということ。
これは、敬虔なクリスチャンにとっては「あり得ない」ことらしいのだが
オレをはじめとして、大抵の日本人にとっては
「へぇ〜、で、それの何がおかしいの?」くらいにしか感じない。
この秘密が明るみに出ると、キリスト教の根本が崩れると言われても
イマイチところか、まるでピンとこないのである。
その「重大な秘密」のために殺人事件が起こるわけだが
殺されたジャック・ソニエールが、その秘密を暗号にして
孫娘のソフィー・ヌブーに託すわけである。

小説にして上・下巻に別れた長編を、2時間30分の映画に詰め込むわけだから
正直、ストーリーの説明をするのに精一杯という感じは否めなかった。
ちょうどこの日は、家族4人で観に行ったのだが
オレとニョウボが「ダ・ヴィンチ・コード」を観て、
子供らは、人気漫画の「デス・ノート」という二手に分かれての鑑賞。
同じくベストセラーで、長編の「デス・ノート」でさえ
前・後編という二部に分けての映画化なのだから、
「ダヴィンチコード」も二部作にしてはどうだったかという感じがした。
映画を観終わったときに、ニョウボと話したことが
「この映画、原作読んでない人は解るのか?」という事だった。
二部作とまでいかないまでも、せめてあと30分の上映時間があれば
少なくとも、もうすこし解りやすかったのではないだろうか。

原作を読んだ側からの意見で言うと、まず本作のキモでもある「暗号」。
トム・ハンクス演ずるラングドンが、あっけなくスラスラと解いてしまうので、
ソニエールが命と引換えにしてまで隠した「秘密」にやや重みが欠けてしまった。
また、オプスデイの司教・アリンガローサと
その弟子であり、殺人事件の実行犯であるシラスの師弟関係を
もう少し濃密に描いて欲しかったと思う。
映画だけ観ると、アリンガローサは自己中心的な小悪党で
シラスに至っては、ただの殺人鬼のように描かれてしまっているのが残念だ。
信仰深き故のアリンガローサの苦悩も、シラスの哀しみも
やや薄っぺらに感じてしまった。
特にシラスを演じたポール・ベタニーが好演だったので、
もう少し掘り下げてくれれば、映画もグッと深みが増したのではないだろうか。
その他にも「マグダラのマリア」「フィボナッチの数列」等々…
説明不足で、ある程度の予備知識がないと解らない事も多い。
ある映画のレビューで見たが、この映画をして「小説の挿し絵」という評は、
手厳しいが的を射ているかも知れない。
やっぱりルーブル美術館は美しい。

もちろん贅沢を言えばキリがない。
この長編小説を、原作のイメージを崩さずに2時間半の映画の枠に収めた
ロン・ハワード監督の手腕は「こう撮るしかなかった」のかも知れないが
なかなかのものであったと思う。
同監督の「ビューティフル・マインド」「シンデレラマン」ともに名作である。

映画は観る人によって、それぞれの感じ方があるはずだから
その人それぞれの「名作」「駄作」があっていいと思う。
今回の「ダ・ヴィンチ・コード」に関して言うと
オレとしては、原作を知らずに観て、それから原作を読んで、
更にDVDでじっくり観直すという方法がベストであったかと思う。
あと半年もすれば、DVDが出るであろうから
もう一度じっくりと観直したいと思っている。

子供らが観た「デスノート」は漫画の映画化である。
漫画は絵であるから、映像化されたときにイメージがしやすい。
小説は具体的なイメージがない分、読む人それぞれの頭の中に描いている。

「読んでから観るか 観てから読むか」

角川映画が「人間の証明」の映画化で作ったコピーだが
これは大きなモンダイである。
オレは海外の小説は滅多に読まないのだが
今までの経験から言うと、原作を読んでから映画を観ると
大抵ガッカリすることが多い。
オレの場合、「観てから読む」ほうが合ってるのかも知れない。


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放浪の紳士

2006-04-10 | 映画


先週の金曜日のこと。
ニョウボはフラメンコのライブに出掛け、娘は中学の同窓会。
どちらも夕食を済ませて来るというので、息子と二人で晩メシを喰いに出掛けた。
息子の希望で、いつもの「松屋」。
ニョウボから預かった晩メシ代が、やや余った。
そこは男同士だ。たちまち悪い相談がまとまる。
高いものを喰ったことにして、お釣りをドガチャガにしてしまおう!
ま、言い出しっぺはオレなワケだが…

「おい、お母さんに内緒で、オレ達も何か楽しもうぜ。」

食事を済ませた後、二人で本屋に出掛けた。
息子はコミックのコーナーで好みの本を物色中だ。
ふと見ると、レジの脇にDVDのコーナーがあった。
最近はワンコイン(500円)で、昔の名画のDVDが出ている。
「カサブランカ」「第三の男」「駅馬車」などなど。
もちろんオレの世代の映画ではないので、やや買い倦ねていたのだが
よく見ると、見覚えのあるポスターが。

「The Chaplin Collection」とある。

ええ〜〜〜? チャップリンの作品がワンコインで?

上記に挙げた名作より、更に昔。
サイレントと呼ばれた、映画創世記の作品の数々だ。
小学校の頃だったか、かなり大々的にチャップリン作品のリバイバル上映が行われた。
もちろん、オレも観に行った。
「モダン・タイムス」「街の灯」「ライムライト」「キッド」
子どもながらに、その動きの可笑しさに腹を抱えて笑ったものだ。

早速、真っ先に見たかった「モダン・タイムス」と「街の灯」を購入。
「モダン・タイムス」の自動食事マシーン、目隠しでのローラースケート。
初めてトーキーを取り入れた名曲「ティティナ」
「街の灯」では抱腹絶倒のボクシング・シーンや
あまりにも有名な、あのエンディング。

今こうして改めて、大人になって見直して見ると
やはりこの人が映画界やコメディ界に与えた影響の大きさを感じる。
今のコントなどで見られるリアクションなど、やはり元祖はこの人であろう。
これを70年以上も前にやっていたことを思うと「凄い」の一言である。

結局土曜から今日にかけて、500円という安さにかまけ
あれよあれよと言う間に、9作品のうち7本も買ってしまった…



面白い。
全てが文句無く楽しめる一級のエンターティメントだ。
こうなると、またビョーキの予感で
オークションサイトでは、今回はラインナップされなかった
「サーカス」や「キッド」や、短編集を物色。
さらにはバスター・キートンや、ハロルド・ロイドの作品もも観たくなってしまった

誰か助けて!

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なぁ、トント…

2006-03-28 | 映画


「名作だが二度と観たくない」映画というのがある。
映画自体がつまらないというのは論外であるが、
話が面白ければ面白いほど、「二度と観たくない」と思ってしまう。

「禁じられた遊び」「エレファントマン」「プラトーン」「隣人は静かに笑う」…

この主人公は、このあとどうなってしまうんだろう…
もちろん「落ち」の後を考えるなんざぁ野暮の極みであることは承知の上だが
「禁じられた遊び」のポーレットは、あの後どうなってしまったのか
そんなことを考えると、堪らなくなってくる。

あまりにも救いようのないラスト。
人間の業の深さや、どうしようもない現実を見せつけられ、
その凄まじさに共感すら出来ないような映画。
昨夜観た「オールド・ボーイ」など、まさにそれであった。
話の面白さに、グイグイと引き込まれながらも
しかし見終わった後に「観なきゃよかった」と思ってしまった。

現実ではあり得ないようなことを観るのが、映画の楽しみの一つである。
それは目を奪われるような煌びやかなファンタジーの世界であったり、
自分の平凡な暮らしからは、とても想像もつかないような世界であったり。
しかし、最後には「面白かった」「観てよかった」と思いたい。
なにかしら小さな光が見えるような話であって欲しい。
どんな小さな事でもいいから「元気」を貰いたい。

「ハリーとトント」という映画がある。
残念ながら、本作はDVD化されていない。

70歳を越えた老人・ハリーは、妻に先立たれ
愛猫トントと静かにニューヨークに暮らしていたが、
住んでいたアパートが区画整理のため、立ち退きを余儀なくされてしまった。
トントを連れ、息子の家に同居をするが、息子の嫁と折り合いが会わず
今度は娘の所に行こうとするが、トントのせいで飛行機に乗りそびれたり
バスを途中で降りなければならなかったりして
結局、安い中古車を買い、アメリカを横断する旅へとなっていく。
旅の途中で様々な人と出会い、図らずもそれは自分の人生を見直す旅へと変わっていく。
愛猫と二人きりの車中、ハリーはトントに亡き妻・アニーの思い出を語る。

なあ、トント
私は若い頃、車で米国を横断したかったが
実現できんうちにアニーに会った
子供 家庭 仕事… アニーのせいじゃない
楽しい毎日だった
それは…時間と金が無かったせいじゃない
時間も金もあった 満足だったんだ
幸せで…
サラナック湖、コッド岬 美しい夏
アニーは泳ぎが好きで、私より上手だった
力強いフォーム 感嘆の的だった
小さな体でよく泳ぐってな

内緒の話だが 私は苦痛が怖い
できればぽっくり死にたい
苦しまずにな
アニーは苦しんだ 苦痛は死よりむごい
見るのが怖かった
アニーは耐えた。グチも言わず
グチは私の専売特許だ
他人の苦痛を感じることはできん
死は感じるが…


ヒッチハイクで拾った16歳の少女に、妻と出会う前の恋人・ジェシーの面影を見る。

君はジェシーのようだ

ジェシーって?

初めて裸を見た女だ 変わった女だった
結婚したかった だから抱いた


好きだった?

好き?愛してた 
彼女は結婚に疑問を抱いてた
ウーマン・リブのはしりだった
性的な事だけでなく、すべてにだ
イサドラ・ダンカンと踊ってた
ジェシーと2ヶ月暮らした
それから彼女はイサドラとパリへ
私はアニーに会い、そして現在に至る


後悔してる?

いや すばらしい人生だった

3人で暮らせたら良かったのに

…考えたこともなかった

彼女の消息は?

便りがあった イサドラが死んでから…

車の事故ね

そう その後だ
ジェシーは米国に戻って結婚した


彼女を愛してたのね

いい女だった

死んだの?

知らない

会いに行かない?彼女の所へ

死んでるかも…

行けば分かるわ

…遠回りになる

いいじゃない


ハリーはジェシーが現在、老人ホームで暮らしていることを知り、尋ねるが
ジェシーは、すでに痴呆症にかかっていて、自分のことを憶えていない。
それでもそれを優しく受け止め、彼女の話や踊りに付き合う。

ハリーを演ずる主演のアート・カーニーは、本作でアカデミー賞を受賞した。
老人と猫のロードムービーといっても、決して「動物映画」ではない。
猫の愛らしさを期待すると、猫好きの方はやや拍子抜けするかも知れない。
トントはハリーにとって、あくまでも「友人」であり、相棒だ。
二人は、至極淡々と旅を続ける。
静かな静かな映画である。
高齢化社会での老人の孤独死、若者の性やドラッグなど
病めるアメリカの抱える深刻な問題の数々…
しかし、それらを真摯に受け止め、新しい自分を発見していく老人ハリー。
その人生には不安も後悔もない。
親子の断絶や、友人の死、ジェシーとの別れも、アニーとの生活も
何一つ言い訳をせず、「素晴らしい人生だった」と言うハリーは
実にエネルギッシュである。



オレもこんな老人になれたら…と思う。
その時はリタと金四郎を連れて、旅に出るのも悪くないと思う。

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