無明長夜もかくばかり…

食のこと、家族のこと、ペットのことや日々の雑感… 
手探りをしながら、書き綴っていきたいと思います。

西班牙漫遊記~タブラオの熱き夜

2006-08-14 | スペイン


今日も午前中、ニョウボはクルシージョ。
午後には、かつてニョウボが通っていたスペイン語教室の同級生で
今年のはじめから、このマドリッドに住んでいるKさんがお見えになり
昼食を一緒に、ということであったので朝メシ抜き。

夏休みという時期的なものなのか、普段からそうなのかは知らないが
午前10~12時頃という時間帯、テレビを付けると日本のアニメをやっている。
「クレヨンしんちゃん」「ポケモン」「キテレツ大百科」
「おそ松くん」「天才バカボン」「ドラえもん」
もちろんスペイン語吹き替えで、日本での本放送も見てないし
細かいことは解らないが、これが結構楽しい。
主題歌もちゃんとスペイン語バージョン。
お馴染みのキャラクター達がスペイン語で喋る姿は、結構不思議な感じだ。
しかに逆に言えば、日本で放送されている海外の映画やドラマ、
オレ達は日本語吹き替え版を普通に見ているが、
これもその国の人から見れば、不思議な光景に映るだろう。
八百屋の店先でブタゴリラ(「キテレツ大百科」のキャラクター)がお客さんに
「ブエノスタルデス、セニョーラ(こんにちは、奥さん)」なんて言ってるのは
分かってはいても、思わず吹き出してしまう。
テレビを見たり、ベッドでウツラウツラしながら午前中の時間を過ごす。

昼にはニョウボも戻り、やがてKさんもお見えになった。
Kさんは30歳くらいの独身女性で、日本でお金を貯め、
1年間、スペイン語と絵の勉強のために滞在する予定らしい。
Kさんの案内で、ランチのお店を探しながら、街をウロウロする。
月曜日ということもあってか、スーパーも開いて街は活気づいている。



Kさんお薦めの店は、残念ながら閉まっていたが
あるレストランに入って、昼食を摂ることにした。
「メニュー」という、日本で言う日替わりの定食を頼んだ。
前菜はパスタか、サラダ。メインは肉か魚かを選べる。
オレはパスタと肉を選び、ついでにガスパチョと、
みんなで喰うのにトルティージャを注文した。






昼食を喰いながら、Kさんのお話を伺うと
色々な目的でこちらに滞在中の同胞がいて、結局日本人同士が集まってしまい
既に半年滞在されているが、あまりスペイン語は上達していないとのことだ。
外国語の一番の上達法は、その国の恋人を作る事だと言う話を聞いたことがある。
ニョウボもスペイン語を習い初めて2年近くなるが、
やはりレッスンのスペイン語と、生きたスペイン語とは勝手が違うようで
旅行前はあれだけ自信満々だったのに、
おそらくは半分くらいしか会話を理解できていない様子だ。
もちろんそれだって、こっちとしてはだいぶ助かってはいるのだが。

昼食後、明日のセビージャ行きのAVE(高速列車)のチケットを買いに
アトーチャの駅までブラブラと歩く。
Kさんによると、ここ2~3日はマドリッドも過ごしやすい日が続いているという。
確かに暑いし、汗もかくのだが、日本の「ジトッ」とした暑さではない。
もし日本でこの暑さだったら、暑がりで汗っかきのオレのTシャツは
まさに水を浴びたように濡れることだろうが、ここでは違う。
特に日向と日陰の温度差の違いが激しく
日向はまさに刺すような陽差しで、肌が焦げるような暑さだが
日陰に長くいると大袈裟に言えば、肌寒さを感じるほど快適だ。




アトーチャの駅に着いた。
ここでKさんと別れ、オレ達は明日のチケットを買って
駅構内にあるショッピングセンターを彷徨いた。
娘は目敏く見つけたオモチャ屋で買い物をし、息子は菓子屋でグミを。



アトーチャ駅からホテルまで、ブラブラと30分ほどかけて帰り
夕食まではシエスタ(昼寝)を決め込む。優雅な旅ではある。

今夜こそタブラオに行こうと言うことになった。
しかし子供らは行きたくないというので、ホテルのそばで持ち帰りの食事を買い
オレ達は夕食付のタブラオ「カフェ・ド・チニータス」へ。
地図を便りに行ってはみたが、タクシーの運ちゃんも分からないらしく
店のそばで降ろされたものの、結構探し回ってしまった。
しかしよく見ると、タクシーを降りたすぐそば。
しかも一昨年来た店と同じところであった。



店に入ると、まずは夕食を先に食べなければならない。
コースもあるちゃんとしたレストランだが、アラカルトで注文。



ソパ・デ・アホ。「アホ」とはニンニクのこと。ニンニクのスープ。



ほうれん草のソテー。干しぶどうに松の実が入っている。



メインは子羊のステーキ。



デザートのプリン。
食事の終わりかける頃にショーは始まった。



「まさか、一昨年と同じ人が出るって事はないよな」

冗談で言ったつもりだったが、なんとコレが大当たりで
もちろん全員同じというわけではないが、ダンサーで一人
カンテ(歌い手)に一人、ギタリストが二人の計四人が一昨年と同じメンツ。
やはり本場のフラメンコは素晴らしい。
前回は、いわゆる「かぶりつき」だったが、今回は離れていた席だったため
やや写真に迫力は欠けたが、充分に堪能した。



いよいよ明日はフラメンコ発祥の地といわれるセビージャに移動だ。