無明長夜もかくばかり…

食のこと、家族のこと、ペットのことや日々の雑感… 
手探りをしながら、書き綴っていきたいと思います。

デパ地下の混沌

2005-06-18 | 
いくつになってもデパートというのは
心が躍るものである。
ガキの頃は、オモチャ売場と
大抵は最上階にあった『大食堂』が楽しみであった。
デパートの大食堂で、普段は喰えない気取った洋食なんぞ喰うと
ちょっとリッチな気分に浸れたものだ。
さすがにこの年になると、オモチャ売場でもないが
やはり食堂街というのは、ディスプレイされている料理を
眺めているだけで楽しいのだが、どれもこれも旨そうで迷ってしまう。
アレも喰いたいし、コレも喰いたい…
和洋折衷の大食堂というものが少なくなった昨今、
家族なんぞで行った日には、下手するとケンカになる。
大抵は子供らの好みが優先されてしまう。

今、楽しいのは「デパ地下」
とくにお総菜コーナーは、ウロウロと歩いているだけで楽しい。
こちらはお持ち帰りが出来る分、それほど迷わずには済むものの
やはり喰える量は決まっているので、これもツライ。

先日かなこさんのブログ『kanako'sroom』話題になった駅弁。
以前、東京駅の『大丸』で全国の有名駅弁を買えるということを知った。
土曜日、本来なら「週一の楽しみ」の日であるが
今週はラーメンばかり喰っていたので、久しぶりに出かけてみた。
幸いお天気も良く、仕事もいくらかヒマであるのをいいことに
早速東京駅までバイクを飛ばした。

おお!早速飛び込んできた「ごちそうパラダイス」の文字。



見るからに旨そうなお総菜が並べられている。



お菓子のコーナーも充実。
このロールケーキ、旨そうだ。買って帰りたいのだが、
給料日前、予算の都合もあり断念。



この寿司も凄い。
海苔巻きの長さと同じくらい、いやそれ以上の長さで穴子が飛び出している。
フタが閉まらないほど、イクラやカニが乗った弁当。

それにしても…

以前見たはずの駅弁のコーナーが無くなっている。
もしかしたら、あれはあの時だけのものだったのだろうか…
やや不安になりながら、駅弁コーナーを探すと…



あったあった!

オレの大好きな「富山のますのすし」
かなこさんお薦めの「かしわめし」を始め、各地の駅弁が
思ったより少なかったのは残念であったが、
今日の昼はこの「ますのすし」に決めた。
頬を緩むのを押さえつつ、トットと帰って早く喰おうと
逸る気持ちで地上に出ると…

イヤな看板を見つけてしまった



「ラーメン激戦区」…

いや、アノ、だから…
今日は「ますのすし」だし…

し、しょうがねぇなぁ。じゃあちょっと覗くだけだからな。



まだ喰ったことのない有名店の名もチラホラ
和歌山中華そば「のりや」、北海道の「むつみ屋」



廣島つけ麺本舗「ばくだん屋」かぁ…
なんかメチャメチャそそられる。
でも、今日は「ますのすし」だし…

しょうがない。東京駅まで来てしまったのだし
「ラーメン激戦区」を見つけちゃったし

だったら「普通盛り」だぞ!大盛りなし、味玉なし
スープの完飲もなしだからな!



いつの間にか頼んでしまったのは「ばくだんラーメン」
つけ麺もそそられたのだが、やはりコレが基本でしょ。
以前「尾道ラーメン」というのは喰ったことがあるのだが
なかなかそそられるビジュアル。
スープは脂の甘みがあり、なかなか旨い。

アレ!
なぁ~んだ、味玉(半分)がデフォルトで入ってんじゃーん。イヤーン
白髪ネギの食感とともに、やや固めの麺の歯触りが旨い。



あ、いけねぇ、全部喰っちゃった…
「麺は残してもスープは残すな」とは死んだ親父の遺言であるが
それを忠実に守ったとはいえ、罪な遺言だ。
しかしオヤジの言い伝えを無視するわけにはいかぬ…

早く会社に戻ろう。
いくら保ちのいい駅弁とはいえ、やはり早く喰わなければ。

会社に戻り、まずはデジカメで撮影。



もう何度も喰っているけど、やはり包みを開けるときの高揚感はいい。



嗚呼…なんて綺麗なサーモンピンクなんざんしょ。
ツヤツヤと光っているじゃありませんか。 ステキ♪
添えられているノコギリ状のプラスチック製包丁で
放射状にカットしていく。



ああ…旨い。

涙が出そうだ。
酢の締め具合も程良いし、ますの旨いこと旨いこと…
“ラーメン喰っちゃってゴメンナサイ”と「ますのすし」さんに謝りつつ
アッと言う間に平らげてしまった。

それにしてもデパ地下のカオス…
無明長夜もかくばかり… である。