牧場の日記~競走馬生産者の日々~

競走馬の生産牧場の現状と考察

蹄の検査

2023年11月21日 | 牧場の生活

蹄の検査を書き残す。

三石のセンターへいった。

まずは歩様の検査。

並足、速足。左前が痛い。

次は痛い脚を屈曲してからの、歩様検査。

並足速足。さっきと変わらず。

蹄を鉗子で挟んで、痛いところをさがす。

蹄底はどこも痛くない。

蹄球の間のところをぐっと押すと痛い。

とうのう、というところに麻酔を入れて、歩様が良くなるか検査。

ブロック注射を打つために打つところの麻酔をうつ。

きいてきたら、レントゲンで蹄を撮影して、針を入れる場所を確認しながら針を刺し、

とうのうに麻酔を注射。

効いてきたら、もう一度歩様の検査。痛くなくなった。

レントゲンの画像に、とうのう骨に小さなでっぱりがあるので、そこが神経にあたっているかもしれない、とのこと。

ナビキュラー症候群、と、言うらしい。とうのう炎とも。

センターでは治療としては、患部にステロイドをいれるか、血清を注射するかの2択があるといわれた。

今回は痛みはそれほどではないので、どちらもやらなかった。

 

 

 


繁殖牝馬、蹄が痛い

2023年11月21日 | 牧場の生活

蹄がずっと痛い繁殖牝馬。

8月の猛暑のころ離乳した。

離乳してすぐ右前の蹄を痛がった。

こちらは砂のぼりだったみたいで、時間はかかったが1か月くらいで治った。

抜けた跡も見つかった。

だがそのあと、左前の蹄が痛くなった。

歩けないほどではないが、痛い。

削蹄師さんに見てもらったり、獣医さんにかかったりしたが、とりあえず様子を観ましょうとなり、

あまりひどくもならないので、様子を観ていた。

3か月経って、許せる範囲くらいまで痛みは改善したが、完全ではなかった。

もう一度獣医さんにかかり、検査をすることになった。

 

 


KANちゃん

2023年11月17日 | 生活
KAN ちゃんが亡くなった。
唯一好きだった歌手。
大学生の頃ラジオしか持っていなくて、夕方のSTVラジオの
ベストテン番組でよくかかっていて好きになった。

ビリージョエルや、ビートルズなど洋楽テイストな楽曲は、
とてもいい感じだった。

クスッと笑える歌詞や、ほっとする言葉、
「涙見せてもいいよ、僕が気にかけるのはハンカチを出すタイミング」(星屑の帰り道)
なんてこと言われたら、悲しみも飛んでいきそう。

コンサート、というかライブ、行きたかったな。

無理してでも行っとけばよかった。

ロックボンソワで、一度だけメールを読んでもらえてピックをもらったな。

もっともっと新しい歌を聴きたかった。

ご冥福をお祈り申し上げます。


猛暑

2023年08月28日 | 牧場の生活
暑い。
離乳を予定していたが延期した。
そろそろ気温が下がるかと思いきやもっと高くなる。

親も子も馬房の中でも大汗。

人間も命の危険を感じる。

明日から多少気温が下がるとのことで、今日離乳を決行との社長からの命。

正直明日にしたかった。

何事もありませんように。

祈るしかない。

子供をいじめる母親2

2023年05月30日 | 牧場の生活
母親が時々ではあるものの、仔馬を激しく攻撃するので、
仔馬は母親の一挙手一投足に、いちいち反応する。

親が振り向くとビクッとする、とか、ちょっと動いただけで慌てて逃げたりする。

なので、あちこち傷だらけ。

しかし、放牧地では逃げ場があるのでそういう緊張感はなくなる。

それどころか、他の大人しい親馬にちょっかいかけたりする。

自分のお母さんが怖いから、ほかのお母さんなんて全然怖くないと言った感じ。

放牧は楽しいのだが、収牧時に母親と二頭引きすると、母親を怖がって歩かない。
馬房に入りたくないのかもしれない。

子供をいじめる母親

2023年05月29日 | 牧場の生活
16歳になる繁殖牝馬が、毎年子供をいじめる。
と言っても、常にいじめるわけではなく、餌を食べている時だけ。
ちゃんとオッパイも飲ますし、面倒もみる。
いなくなればあわくって探す。
元々うちの馬たちの中で二番目に弱く、いつも他の馬に虐げられている。
そのせいなのか、餌を食べている時に仔馬が餌の方に行くとものすごい勢いで齧って蹴る。

仔馬は何度も怖い思いをしているので、お母さんが餌を食べている時は後ろの方で小さくなって身をひそめている。

かわいそうなので、餌を食べている時は、廊下に出してやることにしている。

マスク

2022年01月27日 | 生活
安倍のマスクが余っていて、保管料に大金がかかっているので廃棄する。
欲しい人には差し上げます。と、言うので、捨てるくらいならもらおうかと思い、要望した。
安倍のマスクなんで、感染予防には使えない。
布製だし。
私は喉が弱く、極寒の冬は布製のマスクで喉を守らないと喉を痛めてしまう。
そのためにいつも布製のマスクをしていた。

最近のコロナで、布製の、正確に言うとガーゼ製のマスクは売っていない。

安倍のマスクが手に入るならちょうど良いと思い申し込んだ。

待てどもさっぱりこない。

まあこの調子なら忘れた頃に届くんだろうな、と、思っていたら、今日ニュースでそのことが取り上げられていた。

在庫より多くの要望があったとか。

そのことを安倍さんが自慢げに話していた。

一部分しか流されないニュースで全てを評価するのは間違っているとは思うけれど、
ニヤニヤしながら話すその様子からは反省の色はみえない。

頭にくる。

政治家のお金に対するいい加減さにはあきれてものがいえない。

国民を馬鹿にしている。

新しい馬が来たとき

2021年12月01日 | 牧場の生活

繁殖牝馬が来た。

5歳。去年輸入されて、別の牧場で初子を産んでうちにやってきた。

その牧場での評価は子育ては普通。

群れの中では強いほう。

扱いで悪いことはしない。

うちには、新しい馬にケンカを売る馬がいるので、初日は緊張する。

今年はまず、その馬と一緒にせず、穏やかな性格の馬ばかりの群れにまず入れた。

全く問題なく、群れに入ることができた。

その後何日かした後、その群れになかにける馬を入れた。

どうなることかと思ったが、意外にも、ける馬は新しい馬を気に入ったようで、

すぐに仲良くなった。

怪我なく入ることができてよかった。


子育てのできない馬

2020年09月05日 | 牧場の生活

馬は子育てができるとは限らない。

馬の仕事を始めてから30年近く経つけれど、初めて子育てのできない馬に出会った。

産んですぐ仔馬がおっぱいをまさぐっているときに激しく蹴った。

最初はよくあることだが、何度か飲ませるうちにやらなくなるものだが、今回はいつまでたっても蹴っていた。

それでも、仔馬はうまいこと蹴られずおっぱいを飲んでいた。

このまま、うまくいくかな、と思っていたが、ダメだった。

仔馬をもっと早く親馬から離していればこんなことにはならなかった。

子育てのできない馬もいるんだと分かった。

結局、仔馬はしりっぱねした親馬の蹴りに当たってしまった。

仔馬を蹴る親がいるなんて思いもしなかった。


子育てのできない馬

2020年09月05日 | 

去年の11月に来た転入馬。

予定日は3月1日。初子を産んでから3年空胎だったそうだ。

2月になってもおっぱいが膨らんでこない。もしかしたらまた流産してるのか?、と思うくらいぺっちゃんこ。

おなかもぜんぜんおおきくない。

直検でもしようかと思ったが、手入れをしていた時に、おなかの赤ちゃんがお母さんのおなかをけるのを見て、

ああ、居たんだ、疑って悪かったな、と思った。

予定日も過ぎ、まだ、おっぱいも全然大きくならないので、ちょっと刺激をしてみようかと、

乳首をさわる練習をした。

ちゃんと仔馬に飲ませる馬かどうかも、見たかったので。

馬の体をブラッシングしながら、少しづつ乳首の近くに手を持って行ってそろそろと触ろうとしたら、

恐ろしいような蹴りが飛んできた。

まあ、初めて触るときは、ままあることなので、じっくり時間をかけて、そろりそろりと触ろうと試みたが、

危なくて触れない。

鼻をとってみたがだめ。

あんまりおっぱいにこだわって、いやな印象を残しても後々困るので、触ってみることはやめた。

ブラッシングをして、馬とのいいコミュニケーションを作っていくことを心掛けた。

予定日から24日遅れて出産した。結局最後までおっぱいを触ることができなかった。

仔馬にちゃんと飲ませるか不安だった。

仔馬が立ち上がり、親のおっぱいを探してまたぐらを探るとものすごい蹴りが飛んだ。

幸いにも仔馬には当たらなかった。

もう一度仔馬がお乳を飲もうとまさぐると、また蹴りが。仔馬には当たっていない。

何度か挑戦して、結構すぐに仔馬はおっぱいを飲めるようになった。

しかし、あまりおっぱいがちゃんと張っていないので、あまり出ていないようだった。

仔馬は親馬が嫌がって蹴ったり逃げたりしても、ひるまずおっぱいに食らいついていた。

仔馬の逞しい生命力に感心した。

しかし、親馬はどうしたらいいのかわからず、パニックになっていた。

おっぱいを飲ませるけど、我慢したくない。

人に仔馬を取られたくない。不安で不安でたまらない。といった感じだった。

3日ほどたって、やっとおっぱいも張ってきて、たくさん出るようになったようで、やっと子育ても順調になってきた。

パドックに放牧してすぐ、母馬がなにかの音に驚いてしりっぱねをした。

運悪く仔馬にその蹴りが当たってしまった。

頭に当たったらしく、一命はとりとめたが脳に障害が残っているようだった。

親馬はまたパニックを起こし、人を攻撃するようになった。

仔馬に治療をしようとすると、かんだり蹴ったりものすごい形相で襲ってくる。

仔馬は自力でおっぱいも飲めないし、夢遊病者のように、ずっと馬房の中をぐるぐるとまわっていた。

ミルクを飲ませても親が攻撃してくるし、仔馬も口をもぐもぐするがごくごくとはできなかった。

3日ほど様子を見たが回復の見込みがないのであきらめた。

剖検の結果、頭蓋骨硬膜外出血、脊椎内出血であった。

もしかしたらいけるかも、という、希望は希望でしかなかった。