牧場の日記~競走馬生産者の日々~

競走馬の生産牧場の現状と考察

親子の放牧

2017年04月14日 | 牧場の生活

初めて親子を放牧するときは注意が必要だ。

ほとんどの馬はなんともないのだが、お産をして小さいパドックにずっといるとイライラしてしまう馬もいる。

そういう馬はそのまま広いところに放してしまうと親が暴走して、シリッパネした足に仔馬が蹴られたり、仔馬をほったらかして走っていく親馬を仔馬が必死で追いかけて、そのまま牧柵にぶつかったりする。

家にはこういう困った親が何頭かいていろいろと対処している。

以前は、仔馬は離さないで二人がかりで押さえつけ、親だけ走らせた。

親は最初は仔馬がついてきていないことに気づかず、バアーーーーっと走っていき、ふと気づいて仔馬のところに戻ってくる。

戻ってくるともう走らないので、仔馬を離すと、仔馬を連れて走っていく。

一回めちゃくちゃに走っているのでそこまでひどくはないが、これだといまいち危ない。

去年、下河辺牧場の様子をグリーンチャンネルでやっていて、親子を新しい放牧地に放す時は、放す集団で従業員の人たちがぐるっと一周一斉にひき馬をしていた。

そうすればその場所をおぼえそれほど暴走しないと言っていた。

うちの場合は新しい放牧地に放すわけではないのでちょっと意味が違うかもしれないが、放す前に、放す放牧地で引き馬をしてから放してみたら、

例の馬も落ち着くのが早かった。

最初はひき馬自体できるかどうか不安だったが、いくらイライラしてるからとはいっても、繁殖牝馬はそれほどバカではなかった。

ちゃんと人に曳かれおとなしく歩いていた。もちろん、はみはかけていたが。

去年も、その前の年も暴走して仔馬が牧柵に激突した馬は今年は大丈夫だった。

 


アクシデント

2017年04月05日 | 牧場の生活

種付けに向かう途中に突然馬運車のクラッチがきかなくなった。

それも静内に向かって山道を進んでいる最中に。

国道だったらもっと危なかったけれど、交通量が少ないとはいえ、狭い道路にとまっているのはとても怖いものだった。

恥ずかしながら、私も旦那もガラケーで、しかも通話のみのもの。

近くの整備工場を探そうにもすべがない。

幸い、人家が2,3件あったので、行って見ると、お留守。

困り果てているときに、通りがかりの車が止まってくれた。

その方はさっき行った家の隣の方で、電話帳を持ってきてくれて、整備工場に電話することができた。

電話して、整備工場の人が来るまでいてくれて、手伝えることがあったら言ってね、と、とても親切にしてくれた。

車は何とか動くようにはなったが、静内に行くことは難しかったので、出直すことになった。

おかげでその日はとても忙しかったが、人の優しさに触れて、大変だったけどうれしい日だった。