初めて親子を放牧するときは注意が必要だ。
ほとんどの馬はなんともないのだが、お産をして小さいパドックにずっといるとイライラしてしまう馬もいる。
そういう馬はそのまま広いところに放してしまうと親が暴走して、シリッパネした足に仔馬が蹴られたり、仔馬をほったらかして走っていく親馬を仔馬が必死で追いかけて、そのまま牧柵にぶつかったりする。
家にはこういう困った親が何頭かいていろいろと対処している。
以前は、仔馬は離さないで二人がかりで押さえつけ、親だけ走らせた。
親は最初は仔馬がついてきていないことに気づかず、バアーーーーっと走っていき、ふと気づいて仔馬のところに戻ってくる。
戻ってくるともう走らないので、仔馬を離すと、仔馬を連れて走っていく。
一回めちゃくちゃに走っているのでそこまでひどくはないが、これだといまいち危ない。
去年、下河辺牧場の様子をグリーンチャンネルでやっていて、親子を新しい放牧地に放す時は、放す集団で従業員の人たちがぐるっと一周一斉にひき馬をしていた。
そうすればその場所をおぼえそれほど暴走しないと言っていた。
うちの場合は新しい放牧地に放すわけではないのでちょっと意味が違うかもしれないが、放す前に、放す放牧地で引き馬をしてから放してみたら、
例の馬も落ち着くのが早かった。
最初はひき馬自体できるかどうか不安だったが、いくらイライラしてるからとはいっても、繁殖牝馬はそれほどバカではなかった。
ちゃんと人に曳かれおとなしく歩いていた。もちろん、はみはかけていたが。
去年も、その前の年も暴走して仔馬が牧柵に激突した馬は今年は大丈夫だった。