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ワニと読むミステリ(紅はこべ)

読むと、ただわくわくします。
 
(バロネス・オルツィ著)
 「紅はこべ」再読。はるか昔に読んだのですが、割と筋を覚えているものですね。それでもワクワクして楽しめたのは作品そのものがよくできているからでしょう。
 フランス革命のときの血なまぐさいフランス貴族の処刑から逃れるため、「紅はこべ」と称されるイギリス人による貴族の救出が行われます。厳重な革命軍の警戒の中を知略をもってフランス貴族を助け出す救出劇はイギリス社交界でもうわさの的です。
「紅はこべ」とは誰なのか。
 社交界で最ももてはやされているマルグリートは、元フランス座の花形女優にして現ブレイクニー卿夫人ですが、楽しかるべき新婚生活のはずが夫との間に溝ができてしまい、悩んでいます。最愛の兄は危険を承知でフランスへ渡っていましたが、その兄の身が危ないと聞かされ命を助けるために「紅はこべ」の正体を探るように脅迫されます。
 ブレイクニー卿はうつけで頼りにならず、マルグリートは必死の演技で「紅はこべ」たちの密会の情報を手に入れます。しかし秘密の会見の場には誰もいませんでした。
 マルグリートは兄やそのほかの貴族たちを罠から助けるべく、単身フランスへ渡ります。
 貴族たちは無事に救出されるのか、または、「紅はこべ」は罠にはまってフランス軍に捕まってしまうのか。
 活劇のはらはらどきどきを存分に味わうことができるでしょう。
 
 「紅はこべ」、ワニのミステリ好きの原点かもしれません。

■その他の著作
 バロネス・オルツィといえば“隅の老人の事件簿”ですね。典型的な安楽椅子探偵です。「安楽椅子探偵」という言葉はこのごろあまり使いませんね。もうずいぶん前に読んだのでブログにはありません。今でも入手可能です。

 もう一つは、ミステリ史上初の女性警察官探偵レディ・モリーの活躍を描いた短篇集です。
 これもお勧め。
 レディ・モリーの事件簿

主人公: マルグリート・サン・ジュスト(元フランス座の花形女優、ブレイクニー卿夫人)
場所:  イギリス・フランス
グルメ: なし
動物:  なし
ユーモア: 小














紅はこべ (創元推理文庫 507-1)
バロネス・オルツィ
東京創元社
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