goo blog サービス終了のお知らせ 

ワニと読むミステリ(機械探偵クリク・ロボット)

読むと、推理は事実の積み重ね。
 
(カミ著)
 2つの中篇からなっています。「五つの館の謎」(1945年)と「パンテオンの誘拐事件」(1947年)。
 ジュール・アルキメデス博士は古代ギリシャの偉大なる発明家の直系の子孫です。その博士の発明したクリク・ロボットは、事件が起こると視覚・聴覚あらゆる機能を駆使してデータを集め、計算機としてそのデータを解析し、1つのメッセージとして口から吐き出します。でもそのメッセージは難解で理解するのは至難の業。
 読者は、目撃者から語られる事件の謎と、クリク・ロボットからのメッセージの解明と、2つの謎を追いかけることになります。これはなかなかです。
 クリク・ロボットとはいかなる外見か、本書から参照すると、“いっぽう、博士が発明したクリク・ロボットのほうは、四角い頭の片隅にちょこんとチロリアン・ハットをのせていて、動かない目でまっすぐ前をみつめている。(中略)身体はもちろん鋼鉄製だが、きちんと上までボタンをとめたチェックの上着に裾の広がったズボンをはいている。だが、背中にはいくつものボタンやハンドル、レバーがあるので、「人間のように見せてはいるが、やはり機械なのだ」と、見ている者の心に不思議な気持ちを起こさせた。”ということになります。
カミによる挿絵でご覧あれ。
この随所にはさまれている絵がまたおもしろいので、そちらも堪能しましょう。
とにかく読んでください。楽しめること請け合いです。
 
■著者紹介
 本の説明によると、カミの著者紹介は下記の通りです。 
 1884年ピレネー山脈の麓に生まれる。闘牛士を志すも断念し、パリに出て文筆で身を立て、フランスきってのユーモア作家となった。邦訳には『ルーフォック・オルメスの冒険』など。1958年死去
 (参照終わり)

 この『ルーフォック・オルメスの冒険』も読んでみたいですね。 

主人公: ジュール・アルキメデス(古代ギリシャの偉大なる発明家の直系の子孫)
場所:  フランス、パリ、その他
グルメ: なし
動物:  カササギ
ユーモア: 中


機械探偵クリク・ロボット〔ハヤカワ・ミステリ1837〕 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
カミ
早川書房

論理的に考える方に
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
     
 
 
<script async src="//pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js"></script> <script> (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); </script>