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ワニと読むミステリ(友だち、恋人、チョコレート)

読むと、記憶を詳細に特定するのは容易ではありません

(アレグザンダー・マコール・スミス著)
 哲学者イザベルのシリーズ2作目です。
 事件なのか出来事なのか、とても静かに語られていくので、重要さがわからなくなってしまいます。
 イザベルは相変わらず〈応用倫理学レビュー〉誌の編集長で、送られてくる論文に目を通すのに忙しいです。
 姪のキャットはデリカテッセンの経営に忙しく、その店で働く寡黙な青年エディはちょっとだけ打ち解けてきたような兆しがあります。
 キャットの元恋人ジェイミーに恋人ができたような気配があり、ひそかに恋心のあるイザベルはひどく打ちのめされてしまいます。15歳以上年下ってところがどうしても乗り越えられないようです。ジェイミーが本当はどう思っているのか、今後明かされていくのか気になります。
 今回のテーマは、細胞記憶。
 キャットが留守の間にデリカテッセンを手伝っていたイザベルは、心臓移植を受けたという男性と知り合い、その男性から奇妙な体験を聞かされることになります。普通なら相席した人とのちょっとおかしな話ということで片付けられてしまうのですが、そこは不思議に思ったら追求せずにはおけないイザベルですから、男性との話からドナーをつきとめようといろいろ調べ始めます。
 自分の記憶でないものが、頭の中で映像として映し出されるというのはどういう気持ちなんでしょう。奇妙であろうとは想像つきますが、どう奇妙なのか、そしてどう自分がそれに反応するのか、考えてもわからないテーマですね。こういうことがあるようだという報道は見ていますが、本当にそうなんでしょうか。まだきっと解明されていないのでしょう。
 結末はやっぱりちょっと涙かもしれませんよ。

 ■マ・ラモツエ
 マ・ラモツエはボツワナ共和国の女探偵、〈No.1レディーズ探偵社〉を経営しています。
 エディンバラが舞台のイザベルのシリーズとはずいぶん環境が違いますが、こちらは大自然のなかにある気分がして夕日が心地よいです。
 アレグザンダー・マコール・スミスは多作な作家だそうで、このほかにも子ども本も書いていて、イザベルとマ・ラモツエのシリーズも未訳がまだたくさんあるようなので、まだまだ楽しませてもらえそうです。

主人公: イザベル・ダルハウジー(〈応用倫理学レビュー〉誌の編集長)
場所:  イギリス、エディンバラ
グルメ: なし
動物:  キツネ: ブラザー・フォックス
ユーモア: 中


友だち、恋人、チョコレート (創元推理文庫)
アレグザンダー・マコール・スミス
東京創元社

ほのかなミステリを読む
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