偉人の食卓  太宰治

2024-05-09 11:21:38 | 日記

食べすぎて、
すみません。

「子供の頃の自分にとって、
最も苦痛な時刻は、実に、
自分の家の食事でした。」

そんな「人間失格」の一節
からは想像できないほど、実
際の太宰治は、よく食べてよ
く飲む大食漢だった。

高校時代は、いつも三杯分の
味噌汁を魔法瓶に入れて登校
し、作家になってからも、その
大食ぶりで周囲を驚かせたと
いう。結婚後は、特に家では
素材も調理も出身地である津
軽風にこだわった。

郷里から毛蟹が送られてきた
ときなどは、大の男がまるで
子どものように
有頂天になって喜んだ。

ほかにも、湯豆腐、筋子納豆、
根曲がり竹などが好物、美和
子夫人は自身の回想録で三鷹
の街を毎日食糧集めに奔走し
たことを記している。

また、太宰は自他共に求める
大の味の素好きであった。
「HUMAN LOST」の中の
「私は、筋子に味の素の雪きら
きらを降らせ、納豆に、青のり、
と、からし、添えて在れば、他
に何も不足なかった。」という
主人公の語りも太宰自身の本心
なのだろう。

食欲なまでの食事への執着は、
この作家の生きることに対する
力の限りの執着のようにも思え
てくる。


食は
人をつくる。 

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「一緒にいて楽しい人になる」 | トップ | きちんと喜ぶ。きちんと怒る... »
最新の画像もっと見る

日記」カテゴリの最新記事