迷宮映画館

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戦争と平和

2012年02月02日 | ロシア映画シリーズ
一度はきちんと見てみたい!と思っていた作品。実は、完全版のビデオを持っているのだが、見る機会もなく、棚に並んでいるという体たらく。でも、どうせ見るんならやっぱスクリーンで!ということで、まず一生に一度であろうスクリーンでの鑑賞と相成った。さすがにフィルムは色あせて、セピア色になっていたが、それもまた味わいということで、堪能したのだが、なんと、今週初めのBS映画がこれだったと言う偶然。今、なぜ「戦争と平和」??

物語は言わずと知れたトルストイの描いた大祖国戦争。ここもいずれは読みたいと思いつつ、いまだ遠し・・・。映画で終わらせちゃいましょう!つうことで、物語は1805年に始まった戦闘から、アウステルリッツの三帝会戦、そしてナポレオンのロシア遠征にと続く戦争の連続の中で、ロシア貴族の生きざまみたいなもんが描かれて行くのだが、退廃的な様子に、戦いに臨む軍人の覚悟、そして何と言っても半端ない戦闘シーン。

当時のお金で130億円(!)、50万人の人間が12年の長きにわたって携わって作りあげた作品とのこと。あらすじや内容の説明は、どう表現したらいいか、とっても難しい。上級貴族の舞踏会の豪奢な様子は、あの「山猫」の舞踏会よりも凄いかもと思うほど。それも一回だけではなく、なんども映されるのが凄い。

戦争のかけらも見えない晩餐会の影で、ひたひたと迫る軍靴の音を受けて、数えきれない軍人の人間性を失った行進が淡々と描かれる。とにかくものすごい戦闘シーン。当然CGなどあるわけも無く、大砲のすさまじさに圧倒される。人人人・・。60万人と言われたフランス軍をそのまま描いたのではないかと思われるくらいの人の波。凄すぎ。

いつも思うソ連時代の映画に対する熱意。これだけのものを作り上げたい!というエネルギーが何処から出たのかと思うと、気持ちよくはないのだが、二度と作られないであろう大作は、見るべき価値のあるもんだと思った。

あまりのすさまじさの爆撃シーンなどを見ていると、安全対策はどうだったんだろう?と思うほど。68年に完成した映画だが、核の競争の激しさを増していたころに作られた背景を考えると、うすら寒さも感じた。

「戦争と平和 4時間版」
 
監督 セルゲイ・ボンダルチュク
出演 セルゲイ・ボンダルチュク リュドミラ・サベリーエワ ビャチェスラフ・チーホノフ


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