どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設19年目を疾走中。

ポエム373 「気になる」

2024-03-05 00:00:00 | ポエム
たけし が 首都直下型地震について 言及したらしい 普段は すっかり忘れて生活していたが かん の 鋭い 大御所の発言 と聞くと どうにも 気になって 仕方がない   発言を 詳しく読むと おふくろさんが 関東大震災にあって 入谷の山に 逃げたところから 始まっている そこが墓地で お墓の陰というのが いかにも ビートたけし の 話らしい   要は 首都直 . . . 本文を読む
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ポエム368 『トマートー』

2023-12-27 01:33:00 | ポエム
我が家の隣人の外国人が 何を思ったか9月頃トマトの種を播いた   市場ではそろそろ品薄になる時期で 露地栽培のトマトは撤収の最中だろう   ちょっと外人さん 今ごろ種からというのは遅過ぎませんか   言葉が出てこないので 胸の内だけの思いである   ところが何週間か過ぎると トマトの種がビッシリと芽吹く   早く間引い . . . 本文を読む
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ポエム375 『シャボン玉飛んだ』

2023-10-29 00:08:00 | ポエム
シャボン玉液をストローの先につけて静かに吹く ふくらむ 膨らむ 大きくなる ジャガイモのように二つ三つ引っ付いて 親子のように夕方の空を昇っていく   子どもは夢中になって次々にシャボン玉を飛ばす 表面に「夢」と書きたいところだが いくら界面活性剤が入っていても それはできない相談だ   いいさ 字を書くことはできなくても 空高くで弾けたとき思いを届けてく . . . 本文を読む
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ポエム373 『男郎花(おとこえし)』

2023-10-19 00:10:35 | ポエム
男郎花の姿は艶やかでありながら 末枯れ行く野原にすっくと立った雄々しさも 夕闇の中でも目立つ白い顔 名女形の坂東玉三郎を連想する   もちろん周囲の女郎花(おみなえし)は 黄色い声を張り上げてもてはやすが しょせん君らとは付き合えないと おとこえしは独自の世界を生きている   奥さんはもらわないの? 揶揄する声にも動じることはない 仲間は少なくても自然な . . . 本文を読む
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ポエム370 『白湯は潔白』

2023-09-18 00:00:10 | ポエム
白湯はむくみ(浮腫)の原因などと たわけた説が出回ったととがある   ちょっと待ったは縁台将棋 白湯は大昔から健康長寿の源と・・・・   江戸時代の殿様が鷹狩の帰路に農家に立ち寄り 白湯をふるまわれて甘露甘露   茶を飲めない民百姓の日常は たしかに白湯を飲むしかない   だがソレデイイノダ赤塚不二夫 トキワ荘でも白湯は湯冷まし回し . . . 本文を読む
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ポエム354『壁』

2023-05-03 06:13:11 | ポエム
2011.3.11の東日本大震災から12年2か月 あの時 石巻にもに水の壁が出来た   その6年も前に病を押して 指一本でキーボードを叩き   自意識の壁に挑んだ『自分自身への審問』 図らずも死者との壁を予感しようとは   辺見庸よ あなたは今何を思う 五体が朽ちても魂だけは残っているはず   あなたには沈黙の壁は存在しない もう一 . . . 本文を読む
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ポエム346『絶望の海』

2023-03-26 01:01:20 | ポエム
絶望の海に青い月が昇る 海霧が後退し混沌の海が明らかになる 人間は何万年もかけて蠢いてきたが 遂にまた絶望の海を目前にしている   もっと賢く進化すると夢見て来たのに 手にしたのは究極の鉄器だった 火と石斧に歓喜の涙を浮かべ 踊り狂った記憶はまだ能皮質にあるのに   月は嵐の予感に震えている 海霧は跡形もなく消え去ったというのに ますます濃くなる原始の海 . . . 本文を読む
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ポエム336 『藤原新也の犬』

2022-12-13 03:10:45 | ポエム
藤原新也の犬にたじろいだのはいつのことだったか ほんとうに『メメントモリ』のなかだろうか   人間は犬に食われるほど自由だと呟いた男の 年老いた今をNHKのドキュメンタリーで再確認した   しかしニコンの望遠レンズを手動でブラしながら 鉄砲百合を撮っていたのは藤原新也の幻だ   黄色い息をはきながら死にゆくものの気配を嗅ぐ犬 それを己が食われるが如 . . . 本文を読む
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ポエム331 『笑顔を拾いに』

2022-09-23 01:55:20 | ポエム
どこかに笑顔が落ちていないかな 拾い屋のゲンさんは地面を見回す タバコの吸い殻がたくさん落ちていた時代は去り 今はバス停の辺りにチラホラ   かがんで拾うのは街の美化のため 誰に頼まれたわけでもない単なるボランティア ここまで生きてきて社会への恩返し 求めるのは街角に転がっている笑顔だけ   先月はとびきりの笑顔に出会ったなあ ゲンさんは思わず思い出し笑い . . . 本文を読む
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自薦ポエム138 『おかめ違いと思ったが』

2022-07-27 12:21:20 | ポエム
 お亀蔦   (ウェブ画像)より   おかめ ひょっとこ お神楽の たれ目の出番と期待をしたら あなたの名前は お亀さん お亀蔦とはびっくりこん   たしかに形はカメのよう 水底にひしめく子亀の群れが うようよ泳ぐ暗い池 言われてみれば うなずくばかり   ちょっと待ったと異議申し立て 頬ふくらますお多福さん おかめとお多福の間には 深 . . . 本文を読む
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自薦ポエム134 『ポピーと歌おう』

2022-05-31 00:00:51 | ポエム
 (ポピー)  (画像は「季節の花300」)より   さあ ポピーたちよ いっせいに歌おう 丘の上 ひなげしの花で うらなう あの人の心   橙色も 黄色も 白も みんな思い切り口を開けて アグネスチャン風に歌おう 青い空まで届くような高い声で   今日もひとりなんてショゲルなよ みんなが 丘いちめんに広がって 来る 来ない 帰る 帰らな . . . 本文を読む
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自薦ポエム132 『後ろ姿の雪だるま』

2022-05-11 00:09:03 | ポエム
  雪だるま    (ウェブ画像)より     森に囲まれた山間の村の昼下がり 雪だるまが陽光を浴びていた 朝まで降った雪がやんで 家を抜け出した少年が作ったものだ   雪だるまは身を寄せ合い 仲良さそうにしている それなのにどこか寒々しい 後ろ姿にはどんな意味があるのだろうか   通りかかった主婦がそれを眺め コウち . . . 本文を読む
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ポエム324 『ことばの筏』

2022-05-01 00:54:55 | ポエム
 いかだ  (ウェブ画像)より   つらい出来事が  ことばの筏に乗って 流れていく   つらい出来事って なんですか 誰の身に起きたことですか   ぼくの事かも知れないし あなたの事かも知れない 生きている総ての人かもしれない   ことばの筏に乗って どこへ流れていくんですか 流れはゆるやかですか   ゆるや . . . 本文を読む
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ポエム322 『王様の耳はロバの耳』異聞

2022-03-21 01:22:22 | ポエム
はじめに イソップ物語の一つを思いだしてください。 <あるところに、ひとりの王さまがいました。 王さまはいつも深い帽子をすっぽりとかぶり、人前で取ることはなかった。 なぜかというと、王さまの耳はロバの耳だったのです。 他の人に見せるわけにはいきませんでした。 その秘密を知っているのは、王さまの髪を切っている理髪師のみ。 もちろん王さまから口止めをされているので、理髪師は誰にもしゃべるこ . . . 本文を読む
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自薦ポエム124 『オーロラは太陽風に乗って』」

2022-03-17 02:48:37 | ポエム
  オーロラ  (ウェブ画像)より   この光の源には 想像もつかない怪物がいるに違いない   潜めるように息を吐き 蛇の舌のようにあたりを探るのだろう   おまえは岩山か おまえは冷え切ったみずうみか   よしよし表向きは おとなしくしているようだな   雲も月も凍えた地球を オーロラとともに診てくれない . . . 本文を読む
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