どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

ポエム41 『赤花夕化粧』

2014-03-29 02:12:57 | ポエム
        アカバナユウゲショウ       (城跡ほっつき歩記)より     松井須磨子の墓に連れて行ってあげますよ ぼくを松代に呼んだ友人が言った 東京の職場が意に沿わなくて 故郷の家に帰った男だ ぼくとは妙に気が合って 年に一度は泊りがけの旅行をしたものだ   奔放に生きた松井須磨子は  日本で初めての歌う女優だ . . . 本文を読む
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どうぶつ・ティータイム(175) 『興ざめの大相撲』

2014-03-23 01:57:43 | コラム
       『興ざめの大相撲』         スポーツ報知より      大阪場所もいよいよ千秋楽を迎えようとしている。  野球賭博や八百長疑惑で存亡の危機に陥った大相撲も、白鵬はじめ力士や関係者の努力でなんとか持ち直し、今場所はかなりの日数満員御礼が出るようになった。  相撲ファンのおっちゃんとしては、連日テレビの前で遠藤だ . . . 本文を読む
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(超短編シリーズ)101 『花子塚』

2014-03-17 03:24:35 | 短編小説
   <霊山筑波の麓に立ちこめた霞の奥から、西へ西へと稲田の間を流れて、ついに利根川にながれこんでしまう一筋の小川がある。この小川の利根への落ち口からかなり離れたところに、危なそうな土橋が架かっている。この土橋の袂に一つの塚がある。「花子塚」という。塚の裾はきれいな小川に洗われている。>  ここまで読んだ時、三郎は頭の一角でカチッと音がして8ミリ映画のフィルムが回りだすのを感じた。 . . . 本文を読む
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ポエム40 『志乃とアメジストセージ』

2014-03-08 08:49:21 | ポエム
        アメジストセージ       (城跡ほっつき歩記)より     地中から掘り出された紫水晶を 志乃さんは欲しくありませんか そう 磨かれたアメジストのことです 世界一の産地から運ばれた 真実の愛の象徴を・・・・   ぼくのふる里は雪の下 弱いひかりに導かれて 外につながっているのです 兄も姉も自分の運命に戦き 自らひか . . . 本文を読む
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どうぶつ・ティータイム(174) 長谷良子短編集『朝会うあの場所で』を読む

2014-03-01 15:15:44 | 書評
       (長谷良子短編集『朝会うあの場所で』を読む)         <逝去の直前に珠玉の9篇を編む>          同人雑誌『凱』の仲間だった長谷良子さんが、本年1月27日に逝去された。  知らせとともに、標記の短編集が送られてきた。  <あとがき>の日付が一か月前の昨年12月になっているので、少し前から何かを予感し作品のまとめに入っていた . . . 本文を読む
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