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湯川秀樹著作集4 科学文明と創造性

2008年06月06日 | 読書日記など
『湯川秀樹著作集4 科学文明と創造性』
   湯川秀樹(著)/牧二郎(編・解説)/岩波書店1989年

歴史的なことが書かれてあったといっていいのではないでしょうか?



湯川博士と朝永博士は小学校から同じと書いている人もいるが、朝永博士は錦林小学校で……。下「」引用。

「伝統ということを考えるたびに、私は自分の学生時代が思い出されるのである。私は学生時代はずっと京都で過ごした。私の通っていた京極小学校・京都一中・三高は、いずれも私の在学中、あるいはその前後に創立五十周年の記念式を行なったように記憶している。」

湯川博士、軍事費をやめた方がいい……。下「」引用。

「そして私ども日本人のすべては、核兵器の発達が人類の破滅を可能ならしめたことを十分よく認識している。核爆発実験の停止を第一歩として、核兵器の製造・使用の禁止の実現の方向へ進んで行くことが、人類の取るべき唯一の正しい方策であると信じている。そしてそれがまた、軍備競争のための人的・物的資源のばく大な浪費を防止する方向へ向っての第一歩でもあると思っている。もしも各国の軍備のための費用と同額の費用が、人類の生活水準の向上のために使われたら、この世の中がどんなに明るくなるかは、計算して見るまでもなく明白である……。」

外国の大学は小さな都市にあるという。下「」引用。

「ヨーロッパには昔から、有名な大学を持つ都市が数多くあった。そういう中には、昔も今も比較的小さな都市で、立派な大学があるために世界に知られているという場合がいくつもある。イギリスのケンブリッジやオックスフォード、ドイツのハイデルベルクやゲッチンゲン、イタリアのパドアやボロニア、その他、数え上げれば切りがないくらいである。アメリカの場合はもっと極端である。プリンストンの場合は町の名前も大学の名前も同じであるが、エール大学のあるニューヘブン、カリフォルニア大学のあるバークレー、カリフォルニア工科大学のあるパサデナ、スタンフォード大学のあるパロアルトなどの場合は、大学の名前を知っていても、都市の名前は知らない人が多いだろう。」

伝統芸術についても書かれてありました。下「」引用。

「伝統芸術は当然その表現形式が強く制限されてしまっている。しかし狭い制限の中での自由が、かえって無制限の自由よりも高い芸術性を生みだすという逆説が、伝統芸術において、しばしば成立する。」

天才はかたまって現われるという。下「」引用。

「十七世紀というのは、天才のたくさん現われた時代でありまして、ベーコンとかガリレイとすいう人からはじまりまして、ニュートン、ライプニッツというところまでの一世紀の間に、天才、大天才ともいうべき人が、非常にたくさん出ている時代ですね。
 それから、二十世紀の始めごろというのは、物理学では、天才という名にふさわしいような学者がたくさん出た時代でありまして、ブランク、アインシュタイン、ラザフォード、ボーア、ハイゼンベルク、シュレーディンガーとか、たくさんありますね。だいたい天才というのはそういうふうにかたまって出る。出んときには一向に出ない。」

長岡半太郎について。下「」引用。

「私ちが物理をやり出したころは、大正の終り、昭和のはじめごろです。そのころ、日本で一番偉い物理学者は長岡半太郎という先生だということになっていた。非常に有名であっただけでなく、実際偉い学者でした。」

三浦梅園について。下「」引用。

「創造性の話の中に出てくるのが適当な日本の学者として、もう一人、三浦梅園があります。名前ぐらいは御存知でしょうが、あまり日本では、非常にえらい学者とは思われていません。これも、日本では独創性が軽く見られている証拠です。三浦梅園の紹介を見ますと、きまって、西洋の誰々の思想に似ているというようなことが強調してある。なぜそんなことに無闇に力を入れねばならないのか。梅園の哲学はヘーゲルの哲学に似ている。だれやらに似ているということばっかり書いている。まことに情けない。」

「アインシュタインの道」、「老荘は「通過」の思想」、「老荘からヒューマニズムへ」という小タイトルの文章もありました。









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