アカネさんシリーズ001 恋のタイムマシーン 005拙者=バイトの小一郎 オカネスキーはあわてて、席を立って、自動ドアを通り過ぎていった。 「オカネじゃなくって、茜よ、まったく……」 やれやれ、オカネスキーは子供ぽいなと、茜は思った。 オカネスキーは、お嬢様の子守りをするのもたいへんだと、馬券売場に来たが、どうやって買っていいものやら、さっぱりわからなかった。 「What can I do for you?(なんか用ですか?)」 「なんじゃ、そなたは?」 「Oh! あなた、日本語できますね。セッシャ、拙者、バイトの小一郎と申す」 おそろしく順応が早い小一郎は時代劇の言葉になっている。 「小一郎でござるね。せっしゃはオカネスキーと申す」 「どうなさったでござるか」 「かたじけない。せっしゃは馬券を買いに来たのだが、どう買っていいか、わかぬのでござるよ」 「そうでござるか」 「さよう……」 「メモをもっているで、ござるな。要するに、そなたは、“はじめてのおつかい”というわけですな」 「そうでござるよ。♪だれにもないしょで、お出かけなのよ」 カラオケ好きのオカネスキーは歌いはじめた。
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